人間ぎらい

人間ぎらい (新潮文庫)

人間ぎらい (新潮文庫)

精神潔癖症の主人公の話。主人公のその人の前でだけおべっかを使い、裏で悪口を言うような人間は生理的に嫌い、で許せないという気持ちは共感する。けれど、だとすると、自分がそういう毛嫌いする人に当てはまらないように生きる必要がある。だからとてもストレスがたまるよな、と思う。子供のころ親や教師に、人にされて嫌なことは人にしてはだめ、と言われてきた。けれど、本当にそれに従うと至極つらいと思うし、他人には苦笑されるような気がする。人から見たら喜劇だけれど、本人からしたら認めたくない悲劇。