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気随式(映画MEMO) このページをアンテナに追加 RSSフィード

【最新記事】   【極私的推薦映画】

2006-05-30 青春☆金属バット

原作はこんな感じ

青春☆金属バット

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http://www.s-bat.com/

 

このところ、別の仕事が忙しくてなかなかマスコミ試写が追えない。プライベートな問題で行けなかった時期が一段落したと思ったら、今度は仕事。

て、試写観るのも一応「仕事」だと思ってるんだけどね。ただこっちは社内でいくらでも代わりが利くんで、仕事的には優先順位が高いと主張できないのよ。個人的には最優先にしたいくらいだけどさ。ビデオ送ってもらって観るという手もあるけど、やっぱ試写会場で観たいし。

 

で、昨日たまたま時間が空いたのでやってる試写を探して行ってきたのが本作。事前情報も何もなかったので、タイトルだけ観て「熊切監督って…ああ『鬼畜大宴会』の人かあ。しかも金属バットて…陰惨な映画だろうなあ」と思ってたら、全然違ったので驚いた

 

コンビニで働くフリーター難馬(竹原ピストル…ていうか誰だそれ)は、万年補欠として野球に打ち込んでいた高校時代から、27歳になる今も「究極のスイング」を目指した素振りだけが日課。ある日、ふとしたことからアル中の巨乳女エイコ(坂井真紀…巨乳…?)を助け、自宅に連れ帰ってしまう。しかし、暴力的でひたすら酔い続ける彼女はアパートに居着き、酒代に窮した難馬は強盗を試みるも失敗続き。高校時代の同級生で、かつてはエースだった不良警官・石岡(安藤政信)は、偶然見かけた彼らの正体に気づくが…てな話。

 

最近思うんだけど嗜好を離れてとにかくいろんな映画を観ていると、つい「映画としてどうか」という所ばかりに目がいくんだよねえ。でも本来、映画ってさ、よほどの映画好きじゃなければ(2000円近い金を払うんだし)、娯楽として本当に楽しめるかとか、デートに使えるかというのが問題なわけでしょ。映画が娯楽の王様だった時代は過去のことだし。

そーゆー意味で、素振りしか能のないフリーターとアル中女、そして不良警官の青春を切り取っただけの低予算ドラマが、果たしてどれだけ一般受けするかは大いに疑問。古泉智浩の漫画が原作で、漫画原作の映画化が流行とはいえ、ちょっとマイナーすぎるかなと。テーマとしちゃ、テレビドラマでもいいじゃんかの世界だし。

 

でも、そゆことを言うのは本作が「映画として」は意外と良く出来てたからでもある。無駄のない構図と台詞回し、照明、役者の演技、どれをとっても平均以上。しょーもない青春映画だけど、充分引き込まれるし。フリーターとアル中女が花火やってるだけのエンディングで感動するとは思わなかったわ。

 

ちなみに主演の竹原ピストルとは、フォーク・ロック・バンド「野弧禅(やこぜん)」のボーカルで、今回が映画初出演にして初主演。木訥な感じが出てて結構良かった。エンディング・ロールに流れる「ならば、友よ」も野弧禅の曲で、もう一度じっくり聴きたくなる曲。CD探してみようかな。

 

とまあ、正直言って興行的にどうかとは思うものの、(期待してなかったせいもあるだろうけど)映画としては佳作の部類かと。金と時間に余裕のある人は是非。

 

ダヴィンチ・コード

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ついでだから、もう一本。

この映画は原作が世界的にヒットしたせいか、配給側もかなり強気で、試写はほとんどやらなかった。原作が面白かったのでどうしても観たくて、レイトショーで観てきたが、ん〜どうなんだろうなあ、これ。

 

まず最初に言いたいのは、「マグダラとヨハネのミステリー」の著者、リン・ピクネットとクライブ・プリンスを変なところでカメオ出演させるな!てこと。どう見ても魔女とハグリッドの組み合わせみたいなこの二人を、緊迫したバス内のシーンで主人公の後ろに座らせておくなよ(あんなの気づく人は滅多にいないんだろうけど)。敵から逃れてバスで移動中というシリアスなシーンなのに思わず爆笑しちゃったじゃんか。周囲の視線が(暗闇の中でも)痛かったわ。

 

しかし、アレだね。この映画は明らかに原作を未読の人間を相手にしてないね。俺は何回も繰り返して読んでたから、逆に原作との差異に違和感を感じたけど、日本人で原作未読で、しかもクリスチャンでなければ、どこまで理解できることやら。

映画が終わった瞬間、後ろの席から「これって難しくね?」というバカっぽい兄ちゃん達の囁き声が聞こえてきて、それはまあ「お前らにとってはな」て思ったものの、彼らじゃなくても上記条件に該当する人には難解な部分が多いだろう。オドレイ・トトゥ演じるソフィーが、池に片足入れて「無理だわ。今度はワインを試してみる」というエンディングのジョークだって、劇場内のほとんどは笑ってなかったしね。キリストが水の上を歩き、水をワインに変えたという逸話もクリスチャンなら常識だろうけど、皆が皆知ってるわけじゃないでしょ。観客にキリスト教に関する知識を要求するのは、ちょっと日本向きじゃないわな。

 

それに、映画としてもいろいろ問題があるんだよね。そもそも映画というのは文字だけの小説や、動きや音のない漫画と比較してはるか大量の情報を詰め込めるんだけど、3時間という長尺を使いながら原作の半分も処理できていなかった。

まあ、それだけ情報量の多い原作だったということで、確かにあれだけのページ数の半分近くは蘊蓄みたいなもんだったし、蘊蓄系の情報って映像で表現するのは難しいんだろうけどね。そのくせ重要な部分は、観客に考える暇を与えずどんどん進んじゃうから、分かんない人はどんどん取り残されていく。

 

特に気になったのは、中途半端な回想シーン。やるならきっちりやらないと、原作読んでない人にとって、あの回想シーンだけで登場人物の過去を窺うのは無理でしょ。中途半端な(特にシリスとかの)回想なんて必要なかったと思うし、現在進行形のサスペンス・ドラマと「マグダラのマリア」の謎に迫る蘊蓄だけで構成したほうが、はるかにスッキリしたと思う。

 

しかも、

 

(以下思い切りネタバレにつき、知りたくない人は続きを読まないこと)

  

 

映画化するにあたって制作側がキリスト教会(ローマ・カトリック)関係者に配慮してるのがバレバレ。そりゃ、キリストの子孫である女性がアメリカ人男性といちゃつくとことか、犯罪の金の出所がバチカンってのは、映画化するのに多少問題かもしれないけどね。

でもさ、リー・ティービング(イアン・マッケラン)が聖杯に関する自説(聖杯=キリストの妻であったマグダラのマリアで、その秘密と子孫を守るのがシオン修道会説)を展開すると、その証拠として挙げた福音書等の存在に対して、ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)が、やたらと否定的な意見を述べるってのはどうなのよ。原作じゃ二人は意気投合して次々に(彼らにとっての)「証拠」を並べ立ててたじゃんか。ていうか、そういう事を信じてるラングドンだからこそ最後は真相にたどり着く、ということじゃないの? 登場人物達がそれらを信じて行動し、次々と「証拠」を提示して見せるから、読者もいつの間にかそれを信じ込まされる…ていうのが、あの原作最大のトリックであり、読んでて面白いところだと思うんだけどなあ。中途半端な政治的配慮するくらいなら、最初から映画化するなよ。

 

と、ひとくさり文句を言ったものの、この映画を通じて多少なりともキリスト教に関する好奇心を刺激される人が出たなら、それはそれで良いことなんだろな。そういう人は、以下の本や、DVD『ダ・ヴィンチ・コード・デコーデッド』辺りをどーぞ。(このDVDは本当に面白かったです)

 

マグダラのマリアと聖杯

マグダラのマリアと聖杯

ちなみに、シオン修道会やレンヌ=ル=シャトーに関する多くのアレコレは、二十世紀になってから捏造されたものであって歴史的にまったく信頼できまない、とする説もあるそうな。ま、どっちにしても今更証明なんて出来ないしね。面白ければそれで良し。

piedpiperpiedpiper 2006/05/31 01:58 ダ・ヴィンチ・コード。半額だったので原作のペーパーバックを買ったんですが、まだ読んでいないので行くかどうか迷ってます。
読み終わる前に上映終了になりそうなきもするけど、いったん映画観たら原作読む気うせそうだし。。。

NKYYSDNKYYSD 2006/05/31 01:59 いや、後半はかなり原作と違うので、映画観てから続きを読んでも違う驚きがあると思いますよ。もっとも最大のどんでん返しはバレちゃいますけどね。

piedpiperpiedpiper 2006/05/31 04:12 うーん、まよう〜

go_ogogo_ogo 2006/05/31 04:27 読むほどに、(これも行かないな)と思いました。

NKYYSDNKYYSD 2006/05/31 04:54 (笑)

sycosyco 2006/06/01 23:22 ダ・ヴィンチ・コードは米国では宣伝も凄かったけど、『クリスチャンはボイコットするように』との運動も起きて大騒ぎ。 でも批評家からは、駄作だと散々叩かれているし、私も観なくても良いです。 
それよりも、『青春☆金属バット』の方が観てみたいですね。
タイトルの真ん中に☆が入っている映画ってみんな面白いんですよ。 『ゾルタン☆星人』とか、『踊るマハラジャ☆NYへ行く』とか。

NKYYSDNKYYSD 2006/06/04 01:51 おお新たな説が(笑)。確かに「エターナル☆サンシャイン」も面白かったですわ。にしきの☆あきら も未だに人気ありますしね。