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気随式(映画MEMO) このページをアンテナに追加 RSSフィード

【最新記事】   【極私的推薦映画】

2007-09-30 黒帯 KURO-OBI

男の勲章

黒帯

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http://kuro-obi.cinemacafe.net/

 

日本映画としても数少ない、極めてリアルな空手映画。伝統派の空手をかじった人間として、冒頭のシーンからシビれまくり(笑)。日本の格闘アクション映画としては、極めて上質な一本だ。

 

舞台は昭和七年。義龍(八木明人)、大観(中達也)、長英(鈴木ゆうじ)という三人の若者が、師・英賢(夏木陽介)の元、日々空手の鍛錬に明け暮れていた。

だが、英賢の突然の死により、継承の証である「黒帯」が残される。また、彼らの武術に目を付けた憲兵隊本部は、その力を憲兵隊の権威拡大及び憲兵隊隊長(大和田伸也)の私利私欲に利用すべく、三人に軍部合流を命ずるのだった。

 

「空手に先手なし、空手は争うためにあらず」…そう言い残した師の教えを頑なに守り、ひたすら修行に励む義龍。軍を利用し、己の強さを追求し始める大観。そして黒帯の継承者を見極めるべく、そんな二人を見守り続ける長英。真の強さを求め、葛藤し、それぞれ己の信じる道を突き進んでいく男たち。最後に「黒帯」を継承するのは一体誰なのか…てな話。

 

プロットとしては、ラストがちょっと不可解な点も含めて、まあ佳作止まりといった感じ。本当はめちゃめちゃ褒めたいけど、冷静に考えれば筋立てそのものが傑作とは言い難い。

 

だが、最初の修行シーンからして、おっ、この役者たちは空手経験者だなと思わせる(先にプレス読めば良かった)体幹の動きで、アクションシーンに関してはどこを切っても日本映画屈指の素晴らしさ!凄い!カッコいい!リアル!

 

と、ひたすら感激して観ていたが、エンドクレジットの名前を見て納得。大観役の中達也といえば、日本空手協会の師範ではないか。俺が高校時代よく出稽古に行った、名門・目黒高校空手道部の出身(いまは監督だとか)で、ついには協会本部の師範にまで登りつめた達人。伝統空手界では有名な人だ。しかもプレスを確認したら、義龍役の八木明人も国際明武館剛柔流空手道連盟の館長だとか。なるほど道理であの迫力ある息吹きか。それぞれの流派を代表する二人だから、その動きはまさに本物。こりゃ凄いはずだわ。ていうか、この二人をよく映画出演させたな。ちなみに長英役の鈴木ゆうじは純粋な役者ながら、極真初段の腕前だとか。

 

いやあ、嬉しいなあ。日本からこういう映画が生まれるのを期待してたのよ、アクション映画ファンの一人として。空手の武道精神を描いた作品としては、実のところアメリカ映画の「ベスト・キッド」が一番出来が良かったくらいだからね。「これぞ日本!」という感じの空手映画が、本当に少なかった。本家日本が何でちゃんとした空手映画を作らないのかと不満だっただけに、まさに留飲の下がる思い。そういう意味では、本当によくやってくれた!という感じで、心から楽しめた。一般受けするかどうかは不明だけど、是非世界に発信して欲しい一本だ(モントリオール世界映画祭では既に正式招待作品として公開された)。

 

ちなみに近野成美、吉野公佳という「エコエコアザラク」繋がりの二人がヒロイン役。

前半登場する白竜の殺陣も、なかなかキマってた。

ただ、ちょっと贅沢を言わせてもらえば、やたらと登場機会の多いあのヤクザ連にも、一人くらい名のある役者が欲しかったな。虎牙光揮とか出てたら更に締まったのに。あと、本作では本職の空手家が主役を演じたが、二人ともそのまま役者業を続けるのだろうか…。できれば続けて欲しいなあ。

 

10月13日銀座シネパトス他、順次全国で。

 

※追記

後から思ったけど、ここで描かれる空手は琉球空手の色合いが濃い、いわゆる伝統派の空手。ここ最近のフルコンタクト系を空手だと思っている人には、ちょっと異質に見えるかも。

ここで描かれる空手は、まさに「一撃必殺」を目指した当時の伝統的なそれ。いまや外国人にとっての「カラテ」のイメージに近いのかな。でも、伝統派空手を経験した人には理解してもらえると思う。

panaderopanadero 2007/10/05 00:18 遅くなりましたが、地震のお見舞いもうしあげます。
地震というと、湘南地方は、結構気になる土地柄なんでしょうか?でも、東京都内のような住宅密集地でない分、安全なのかもしれませんがね。

さて、タイトルの「黒帯 KURO-OBI」というのを見て、ショート・フィルムの冗談映画かと思いましたが、本格的な空手映画なんですね。
「空手に先手なし、空手は争うためにあらず」…って、対外的には理解されにくい部分ですよね。それを考えると、「ベスト・キッド」ほどの分かりやすさは、望めないのかな?「大相撲の崩壊」「柔道のレスリング化」日本の武道の衰退の結果が、この様な形で現れているように思います。映画が、衰退への流れに、何らかの一石を投じてくれる事は、期待できるのでしょうか?
軍隊を悪役にするという、ステレオ・タイプが気になりますが、分かりやすさから言えば、そんなところかもね。

NKYYSDNKYYSD 2007/10/05 02:05 お見舞いありがとうございます。といっても、実害はありませんでした。その前の台風のほうが大変でした。
本作は「ベストキッド」ほどの解りやすさはないですけど、日本人よりむしろ外国人にウケるかなと思いました。

アディクトアディクト 2007/11/21 17:28 こんにちは。突然の訪問失礼致します。12月22日、渋谷Q-AXにて映画『アディクトの優劣感』が公開されます。公開に先駆けて応援ブログを立ち上げましたので、お暇な時にでも遊びにいらして下さい。
http://addicts-movie.com/

2007-09-29 Our Daily Bread / The Darwin Award 他

もう言い訳しない(笑)

今回も数本まとめて短観を。ていうか、たぶんしばらくそんな状況。

 

いのちの食べかた

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http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/

f:id:NKYYSD:20070930053326j:image:right

 

これ、お奨めの一本。

我々が普段食べているものは、どこから来て、どのように加工されてくるのか。食の安全性が叫ばれる中、その安全性と生産効率を追求するために、どのような技術が使われているのか。

 

誰もがその効率性の恩恵を受けながら、多くの人が目を背けてきた、あるいは関心すら持たずにいる、食材の生産現場。特に屠畜の現場。ベルトコンベアで運ばれ、工業製品のような流れ作業で解体されていく動物たち。バキュームで吸い上げれ、逆さ吊りにされて首を切られる鶏や、電気ショックを受ける直前にイヤイヤをする牛たちなど、出来れば見たくない場面も少なくない。まさに製品(食材)と化する瞬間だ。

 

でも、これこそがあの美味い焼き肉やステーキや吉野家やマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなのよ。ここで「食材」と化した「」は、我々の胃に直結しているのだ。

 

日本では、こうした現場と部落差別問題が微妙に絡んでいたことから、長く映像化がタブーとされてきた。ある意味、世界で一番、こうした現場を知らない国なのかも。毎年(国内だけで)300万トンの食肉を消費してるというのにね。とにかく、どんなことでも知っておいて損はない。目を背けることなく現実を直視し、命を頂いていることに感謝すべし。

 

ナレーションもBGMも無い、アート映画のような美しい映像も印象的。

 

11月渋谷イメージ・フォーラム他、全国公開。

 

ロケットマン

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http://www.rocket-man.jp/

f:id:NKYYSD:20070930032052j:image:left

ダン・チューポンとバンナー・リットグライの師弟対決!

 

と聞いてピンと来ない人にはお勧めしません(笑)

  

1920年代のタイ。両親の仇で牛泥棒で妖術使い(なんだそれ)のシンを追うロケットマン(ことスー・シアン)は、妖術使いのダムからシンを倒す秘術を教わる。そして、ついにシンのパワーを奪い、両親の復讐を果たす。

だが実はシンは善人で、ダムこそが真の仇だったのだ!

という、壮大なる勘違い野郎の物語。こいつが単純な勘違いをしたせいで、どんだけ多くの人間が犠牲になることか(あほすぎる…)。

 

躍進著しいタイ式アクション映画の最新版。ここ数年ハマっている俺としては大いに楽しんだものの、一般受けするかは大いに微妙。主人公の勘違いにも「マイペンライ」精神を発揮するタイ映画の王道だが、クライマックスに至る展開がいまいち。もっとも、上記の二人だからしてアクションは相変わらず派手&ダイナミック。アクション、オカルト、恋愛、爆発。面白そうなものは、とりあえず全部盛りにしとけっていう精神が好きです(笑)

 

10月6日、どっかで公開。

 

Wiz/Out

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http://www.focus-infinity.com/wizout/

f:id:NKYYSD:20070930032138j:image:right

 

大学のサークルメンバーが山奥でのキャンプから帰ってみると、世界からほとんどの人間が消えていた、という実験的な青春映画。NHK教育「しゃべりば!」を観ているような、青臭くも熱い“若さ”がちょっと鼻につくが、完全にゴーストタウンと化した渋谷の繁華街など、目を見張る映像も多い。

 

撮影監督に「ER」のトーマス・シュナイトを起用し、HD撮影、PC編集、DLPプロジェクター上映といったデジタルツールを駆使したことで、低予算ながらオリジナリティ溢れる世界観を見せる。映像や音楽的には、なかなか面白い。園田新監督のデビュー作。

 

主演は沢村純吉と、「就活女優」こと原田佳奈。

 

10月、ユーロスペース他。

 

私の胸の思い出

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http://www.pink-ribbon-movie.jp/

f:id:NKYYSD:20070930032241j:image:right

 

乳ガンをテーマにした明るいラブコメ香港映画。

 

て、乳ガンをテーマにラブコメで良いのか!て思ったけど、試写会場では女性陣のすすり泣く声がチラホラ。うーむ、解らん(^_^;)。よく解らないので、とりあえず女性の感想を聞いてみたい一本。

ちなみに本作は、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える「ピンクリボン」の応援映画だとか(まあ、どの癌も早期発見・早期診断・早期治療は大切なんだが)。その意味でも、女性やカップル向けでしょうな。

 

監督はロー・ウィンチョウ。プロデューサーにジョニー・トー。主演はミリアム・ヨンとリッチー・レン

 

10月、シネマート系で「幸せになるロードショー」だってさ。

 

ダーウィン・アワード

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http://darwin-award.jp/

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アメリカに実在する「ダーウィン賞」をモチーフとしたコメディ。

 

「ダーウィン賞」というのは、その年最も愚かな理由で死んだ人を、馬鹿な遺伝子を自ら消去したことで人類の進化に貢献した…として表彰する、なんともブラックな賞。

  

主人公マイケル(ジョセフ・ファインズ)は、この「ダーウィン賞」の研究者で、サンフランシスコ警察の優秀なプロファイラー。だが血を見ると卒倒するという致命的な弱点によって警察を追い出され、保険会社に再就職することに。その採用試験として全米各地の不可解な事件を調査するよう命じられたマイケルは、「ダーウィン賞」的発想で難事件を次々に解明していく。だが、やがて自分自身も「ダーウィン賞」(の受賞者)的存在であることに気づいて…てな話。

 

んー。映画としてせっかくの素材(ダーウィン賞)を活かし切れていないなあ…というのが個人的な感想。やっぱこの手の素材は、ハリウッドのメジャー系がストレートに扱うのは無理なんだろうね。

 

ちなみに調査の相棒シリ役にウィノナ・ライダー

他、ジュリエット・ルイス、デヴィッド・アークエット、メタリカなど意外と豪華な面々。

 

まあ、爆笑できるような出来ではないけど、どことなく「Xファイル」を思わせるロードムービーとして、そこそこ楽しめる一本。フィン・タイラー監督。

 

正月映画として、シネセゾン他。

 

panaderopanadero 2007/10/05 00:21 確率は低いけど、乳がんは男も罹るんだってさ。「試してガッテン」参照

NKYYSDNKYYSD 2007/10/05 02:07 みたいですねえ。かなり嫌ですねえ。

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