Trick Star<田村芽実>vol.4

スマイレージ LIVE 2014夏 FULL CHARGE〜715(なぁ いこう) 日本武道館〜」感想その⑥


さて、個人個人への感想は最後になります。


めぃめぃにまつわるエピソードは武道館公演前日に遡ります。
会社に偶然集まった6人のスマイレージ
最後出る時にみんなで「お疲れ様でした。なぁ行こう日本武道館!」といつもとは違った別れの挨拶をした際に、会社の人達が高まるような反応でそれに応えてくれたそうです。
サプライズ的な行動をしたメンバーはそれに、当然のように高まったそうですが、1番の反応を見せたのが彼女でした。
メンバーに隠れて後ろで感極まって泣いてしまったみたいです。
それがただ単に泣き上戸な性格故なのか、はたまた武道館へ向ける気持ちが他のメンバーよりも高かったからなのかは分かりませんが、何だか心温まる話ですね。


スマイレージ二期メンバー オフィシャルブログ「最高の一日。田村芽実ですっ。」


加入してから日が浅かった頃、彼女は自身のファンが少ないと言う理由で、母親さえも現場に来て欲しくないと思っていました。
そこには彼女自身の恥ずかしさや、母に対する優しさが含まれていて、何だかそれがとても彼女らしいと思うのです。
演技が大好きな彼女にとって、生きて行く上でとても重要な要素である舞台。
そこで培われた登場人物に対する熱心な観察によって鍛え上げられた思考。
様々な人物を観ている為か、色々な人のものの見方が出来るのではないでしょうか。
そんな人々の感情を理解したならば、それだけ自身の考え方に影響している筈。
あの人はどんな気持ちなのかとか、この人は今こんな事を考えているのだろうとか、その思考は追求を止める事を知らないでしょう。


決して自分自身について何も考えていないとは言い切れない。
人の気持ちが一体どういったものなのか気になっているからこそ、自分に出来る事は何かと考えている節がある。
ブログの記事を読んでいると、そんな気がします。
だからこそ、当時の少数だったファンの方は観に来てくれたのかと書き綴っているのだろうし、また前述した通り、母親への配慮もしたのだと思います。
そう思えたのも、あの頃とは変わった自分が居ると言う事を知っているから。
ある程度の自信が今の彼女にはちゃんとあるのでしょう。


歌やダンスを観ていても、それが頷けます。
自信が無ければ、あんな元気いっぱいで彼女らしいパフォーマンスは出来ないでしょう。
個人的に思うのは、彼女は自分を表現する事に長けていると思います。
その歌い方も、ダンスにも、彼女らしさがにじみ出ていて、これぞまさにTHE 田村芽実と言わしめるような感じがいつもするのです。
他のメンバーとは明らかに違う要素。
それが彼女の最大の魅力なのだと自分は考えています。


前日の涙。
ブログでも当日は我慢するより、泣くなら思いっきり泣くと言っていました。
でも(自分の知る限りでは)泣かなかった。
感極まった場面はありましたが、それでも涙を流すまでには至らなかった。
これはたった1日の時間で彼女が強くなったと言えるかも知れません。
勿論、前日の出来事があったからこそ、免疫が出来ていたと言う可能性もあるでしょう。
ただ自分はこうも思うのです。
会社での涙があったのならば、当日の感極まる確率は更に向上していたのではないでしょうか。
いわゆる、相乗効果と言うやつです。
誰よりも人の気持ちを気にしている子だから、その波に飲まれてしまうのは当然。
日本武道館と言う大舞台でのそれは、計り知れない量の威力を持っていると思います。
それを全身で感じていたであろう彼女が、涙をコントロールする術を果たして心得ていたでしょうか。


彼女のイメージとして現場で涙を流した印象が殆どありません。
それはライブ自体に対するプラスの思考が働いているような気がします。
"今日は、人生で一番幸せな日になるかも。"
あのパフォーマンスを観ていると、彼女がいかにライブに対して幸福感を抱いているのかが理解出来ます。
武道館公演での彼女はまさに、今までの人生の中で一番幸せな日だったのではないでしょうか。
だからこそ、例え嬉し涙でさえも出なかった。
ただただ笑顔だったのかも知れません。


変幻自在のトリックスター
それが色濃く反映している歌唱力やダンスパフォーマンス。
また演技での姿が更に拍車をかけて、そのキャラクターを後押ししている。
でもそれだけじゃない。
人の気持ちを特に良く気にしているが故に、自分の気持ちもそれに併せて変化させて行く事が出来る。
それが彼女にとっての成長。
100%と過剰な評価は出来無いにしても、確実に前へ進もうとする意志は感じられます。
この武道館での一件でそう感じました。
今後もその変化・成長を続けて行く事でしょう。
更なる高みを目指して。