西村健「地の底のヤマ」



地の底のヤマ

地の底のヤマ


作家人生を賭けた書き下ろし超大作!


呑んだ、愛した、闘った!
九州大牟田・三池炭鉱。故郷を深く愛する一人の警官の人生を軸に、昭和三十五年から現在に至る、熱き男たちの生き様を描ききる。
これを読まずに日本の戦後は語れない――



西村健が新たなステージへ上がった記念すべき大作。つまりゴッド。いわゆる神。


いやもうすごいですよこれ。極まったB級アクション小説「ビンゴ」「脱出」「突破」「劫火」とかのオダケンシリーズとかとはまったくもってベクトルが違う話なのですけど、その熱量と魂はまンま継承しておりまして、もうアホみたいに分厚い(ハードカバー2段組850ページオーバー)のですけどぐいぐい読まされます。つーか三池炭鉱という重たいテーマを扱い内容的にも組合やら人権やら色々と結構深く切り込みながらも、エンターテインメント作品としてきっちり成立しているのがすげぇ。登場人物もかなり多いのですけど、どいつもこいつもキャラが立っているというか魂が吹き込まれているので「あれ?この人誰だっけ?」的なことなく読み進められましたよ。最初は「アクションがない西村健なンて・・・(´・ω・`)」と思って読み始めましたけど、終わってみればそンなことを思ったワシをしばき倒したい。いやもうほンとすごいわこれ。


というわけでワシとしては超オススメです。やたら分厚いですけど、4部構成となってましてそれぞれ割と独立した話として読めますので、あまりダレることなく読めるのではないかな。やはり西村健は只者ではないな。次回作も超楽しみだぜ


でもたまにはアクション方面に戻ってきてもいいのよ(´・ω・`)