倉阪鬼一郎「赤い額縁」



赤い額縁

赤い額縁


次々と翻訳家が失踪する。古本屋がわけもなく売り渋る。読進める者みな得体の知れない恐怖に戦慄く。読み終えた者は誰一人としていない。それが洋古書『THE RED FRAME』だった。著者ジョーグ・N・ドゥームとは何者か。関わる者はなぜ奈落に落ちるのか。この本の周辺で起こる連続少女誘拐殺人事件の犯人は誰なのか?奇妙な隣人。赤い五芒星。壁の中の物音。匣の中の少女。暗号で書かれた手紙。修復された袋綴じの本。改竄されたFDのデータ。肩に置かれた柔らかな手。振り返れば、どこか色褪せ、異界がちらちらと覗く坂下の町。そして泥濘む謎に踏み出す、二人の探偵。知られざる奇書をめぐる、怪奇と倒錯の大迷宮。



倉阪せンせは昔から狂っていたのかッ


本書は1998年の作品であるのですが、このころから倉阪せンせは狂気を抱えていたのだということをまざまざと知りました。いやもうほンと頭おかしい。一応真っ当(?)なホラーではあるのですが、本格ミステリとの融合っつーかホラーでありながら本格ミステリであることを目指した・・・っつー目標をもって創作したとゆーのは大変高い志であり素直に尊敬できるのですが、結果としてカオス極まりない異形の書物となってしまった感がすげぇ感じられます。つーかぶっちゃけ狂気の書物であります。そもそも探偵役がなぜ吸血鬼なのだ(´・ω・`) 普通にさらっと紹介されてて「おいちょっと待て」とリアルで声出ましたよ。「吸血鬼だから死なないし、呪いの書物とか読ンでもおっけー!」じゃねぇ。


ミステリとしても結構うまいことできており、ホラーとしてもかなりレベル高く普通に感心できる内容ではあるのですが・・・。両者が融合した結果混沌極まりない作品になってしまい、結果としてB級好きにはたまらぬシロモノになっているのでまぁ最終的にワシ得であり何ら問題はない。ノープロブレム。というわでバカミス者はread or die的作品と言えるので読むがよいよいよい(残響音


ちなみに文庫落ちなどはしておらぬ模様なので、古本屋もしくは密林マケプレを使うが吉かと