Hatena::ブログ(Diary)

novtan別館 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2006-11-09

JASRACの横暴

痛いニュース(ノ∀`): ジャスラック動く 外国曲をハーモニカなどで生演奏、73歳スナック経営者逮捕

まあ、前々から言われていて、週刊ダイアモンドの記事にもなっているくらい闇金に勝るとも劣らない集金っぷりを発揮しているJASRAC。まず初めに言っておくと、著作権侵害は親告罪なので、著作権を持った団体が訴えることは正当な行為。JASRACは著作権者から管理を委託されている団体*1です。問題なのはそこじゃなくて、包括契約という存在。JASRACのHPに詳しく書かれていますが、例えば、「スナックなど飲食店でのカラオケ、楽器演奏」の場合、33.0m2(10坪)まで 3,500円、33.0m2(10坪)を超え66.0m2(20坪)まで 7,500円、66.0m2(20坪)を超え165.0m2(50坪)まで 12,000円 の月額料金が発生します。JASRACの管理している楽曲がどのくらい含まれているかはお構いなし。さらに

[生演奏やダンス、ショーなどの伴奏のための市販CD・テープの再生演奏] 楽器演奏、歌手による歌唱など、いわゆる生演奏や、市販CDなど録音物の再生演奏(ダンスやショーなど)については、キャバレー・スナック・ディスコ・レストラン・喫茶店など業種別に使用料を定めており、座席数とお客様一人あたりの飲食代(標準単位料金)および演奏の方法によって月額使用料が決まります。

PDFを見るとものすごく細かいです。一体根拠は。そんなわけで、正直に払うと莫大な額がJASRACに流れ込むことになります。しかし、どの曲がどのくらい使われたかなど一切集計されないどんぶり勘定です。

JASRACはあくまで管理料を取り立てる団体なので、盗作騒動などから守ってくれるわけではありません。しかし、自分たちが管理料をとりっぱぐれると思ったら信託された(本質的には自分のものでない)著作権侵害を盾に刑事告訴も辞さないということです。

いろいろ問題はありますが、まずここ最近の問題としては、今まで見逃していたものを過去にさかのぼって取り始めたもの。お前商売やったことないからわからないかもしれないけど、日銭を稼ぐのは大変なんだよと。最初からコストとして計上されてるものならともかく、今まで徴収しなかったのはJASRAC側の瑕疵であるといっても言い過ぎではありません。そして、著作権切れのものを中心に流してようが、そうでなかろうが、全て十把一絡げ。JASRACの仕事は正しく管理することであるから、面倒だという言い訳は通用しません。結果として管理コストが高くなってその分使用料が上がっても、本来払わなくていいものまで払っていることよりはよっぽど正しいでしょう。そもそも、使用料は実質独占団体として言い値で請求されているものであるから、根拠はありませんし、音楽業界としていちばん稼いでいると思われるJ-POPや演歌の人々はCDの売り上げやカラオケ、有線の使用料で十分なはずです。売れない人を保護する仕組みじゃないのっていっても配分率は謎なので現状説得力がありません。

現状を容認した上であるべきは

そんなわけで、本来の姿はどういうべきものであるか。いくつか提案してみます。

  • 包括契約か明細ベースかを必ず選べるようにする
  • 二重取りをしない(有線を店に流すなど)
  • 管理リストをHPなどにきちんと掲載する(対個人)
  • 過去にさかのぼって請求しない。ただし、請求後滞納している場合を除く
  • 配分の根拠を提示する
  • 店の売り上げに対する上限を規定する

最低限こんなところでしょうか。とにかく、JASRACが管理していないものにまで使用料を払うのはこちらの都合としては手続きがあっても避けたいのにJASRACの都合で出来ないというのはお金を貰う団体の態度ではありませんね。税務署ですらもっとちゃんとしています。鼻歌を歌っても使用料を取られると言うのが冗談ではなくなりそうな勢い。音楽をやるものが生きていくためには著作権の主張と管理団体の存在はある程度しかたがないのかもしれませんが、こんなやり方では町の中から音楽が消え、誰も聞かなくなってしまうだけです。

JASRACは焦っている

急激なテクノロジーの変化により、音楽の提供形態もどんどん変わってきています。JASRACはHDD私的録音保証金*2を課そうとする勇み足を踏んでいますが(本当にそんなことになったらIT業界が全力でJASRACを潰しにかかりますよ)、それは焦りが表面化したものでしょう。「仕掛け」によって、今までとは違い容易に「いつ、誰の曲が、どのくらい」流されたかを集計できるようなヴィジョンが見えつつある今、音楽著作権業界の覇権をあまねく確立しておきたい。しかし既に何団体か著作権管理団体が設立されています*3。JASRACを超えるにはいずれも力弱いです。決め手は仕掛けと登録してくれる人の数、知名度。なかなか難しいことです。

JASRACに望むこと

社団法人としての役目は10億円の黒字(H17年度)を出すことではありません。自らうたっているように「人々にとってかけがえのない音楽文化の普及・発展に尽くして」くれることです。著作権管理のあり方を追求することはよいのですが、文化は受け手あってこそ発展することを忘れてはなりません。ただ消費されていく音楽ではなく、真の芸術を後世に残すこと、そのために何をすればいいかを是非考えて欲しいと思います。

*1:JASRACの著作者向けFAQQ8には著作権が移転すると書かれているがこれはおかしい

*2:「従来自由かつ無償であった私的な録音について、権利者の被る経済的不利益を補償するため、政令で指定されたデジタル方式の機器・記録媒体を用いて行う場合には、録音自体は自由としつつ、権利者(作曲家や作詞家などの著作権者、歌手や演奏家、俳優などの実演家、レコード製作者)にたいして補償金を支払うこととするもの」

*3http://www.nmrc.jp/hikaku4.html

hirohiro 2006/11/10 07:10 googleで「著作権ヤクザ」をキーワードにすると本当にjasracがズラリと出て来るのには大笑いです。もう金も名誉も十分にあるというような有名作曲家や作詞家が今後JASRACの枠組みを外れてヒット曲を出してくれるような時が来ないかな〜、、、等と夢想する一人です。

NOV1975NOV1975 2006/11/10 23:12 コメントありがとうございます。
僕らは一体何に対してお金を払っているんでしょうかねえ。

権兵衛権兵衛 2006/11/13 23:40 自分はオタクなので、こういった話を聞くと、コミックマーケットに代表される「同人誌文化」とつい比べてしまいます。著作権的にはかなりアレ(パロディという表現に独創性を見出す、という考え方もありますが)な「同人誌文化」に力づけられ、アニメマンガが今や世界に冠たる文化となりつつあるのに対して、JASRACが治める邦楽分野の、なんと貧弱なことか。

NOV1975NOV1975 2006/11/14 00:21 現時点での個人的な見解としては、音楽そのものの発展に寄与するつもりがないように見えるのが問題だと思っています。
単に事務に徹するのであれば、著作権者の要望があって初めて訴えたりすればよいと思うのですけれど。業界を守るという意味ではどんぶり勘定自体はある一面では必要だと思うのですが、その恩恵を得ているのが末端ではない(自分の曲やったもかえって使用料で赤字になることがあるような)ところに違和感を感じるんですよねえ。

FoobarFoobar 2006/11/14 01:05 ジャスラックを経由したお金の大部分がが本当にアーティストの方々の手に渡るならば喜んで払うんですけどねぇ。

LucreziaLucrezia 2006/11/16 01:15 はぁい。
あらあら。JASRAC様は、それはそれは素晴らしい団体でいらっしゃってよ?
あたくしの知己に、インディーズでCDを出してたミュージシャンがいらっしゃるの。
何曲ものオリジナルを作って、アルバムも出していたわ。
で、ちょっとした色々から、通常のレーベルのCDに、アルバムから2曲だけ、曲を提供なさったの。通常レーベルですから、そのCDはJASRAC登録されたらしいわ。
その後、どうなったとお思いかしら?
JASRACに曰く「元のアルバムからも全部分け前よこせ」よ? しかも、アルバム14曲入りだったんですけれども「とりあえず14曲分全部」。で、JASRAC登録していない12曲分は「半年後に払い戻し」ですって。
もちろん、その後の彼らのすべてのライブで、その2曲が演奏されることはなかったわ? せっかくの、アルバムの中でも最高にCoolな曲だったのに、よ?
もちろん理由は「演奏したらとんでもない支払いが発生するから」。
ほら。とっても「文化の音楽の発展に関与して」らっしゃるでしょ? 全力の逆噴射で。

巨悪討つべし巨悪討つべし 2008/01/04 12:35 国家による、言論弾圧にほかならない、国民より営利団体を優遇する法律は、
断固として受け入れ難くこの国の文化レベルをいちじるしく後退させるものであり、
真の民主主義から大きく逸脱するものである、この様な法律を作ったとしても、
海外のサイトで地下に潜り悪質化するだけで問題の解決にはならない
本当に保護するべきものは、国民の知る権利であり
一部の営利団体ではないと言う事である。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証