ここがへんだよ著作権2〜印税って何?

とりあえず自分のための解説シリーズとして話を整理しながらゆっくり進めて行こうと思います。できるだけ嘘は書かないようにしたいものです。
さて、今回は著作権とそれにまつわるお金についてです。いわゆる印税は、もちろんいわゆる税金ではありません、印税。本好きの方は、「本が売れると著者に印税が入る」と言うのは聞いたことがありますよね。ところで、印税ってどういう権利の元、どうやってもらえているんでしょうか。

著作物は作者のものだけど

ある小説家が小説を書いたとしても、書いたことだけではお金にならないのは明白です。雑誌に掲載する際の原稿料及び出版されたときの印税が収入になります。しかし、何故出版社はお金を払ってくれるのか。大雑把に言うと、著者は、その著作物を使って商売をする権利を売り渡したからと言うことになります。雑誌を発行すると、雑誌の購買による収入及び広告収入が出版社の得るものとなります。雑誌は増刷されるものではないですから、原稿料を払うのは一度きりですが、書いたものが単行本化されたり、書き下ろしをしたりすると、書籍として出版されるわけです。このとき支払われる著作権使用料がいわゆる印税で、定価×印税率×発行部数を受け取る契約になるのが一般的です。ちなみに、売れた数ではなく、出版された冊数に対して支払われますから、増刷がかからないと一切追加では収入がありません。さて、そんなわけで、商売をする権利、すなわち、出版するもしないも、どうマーケティングするかも、雑誌に載ったものを単行本化するかも一切を出版社にゆだねる(とはいえそこは契約次第ですが)ことになるわけです。
書籍については、著作者と出版社とマーケットの関係がわりと目に見えやすいですから、あんまり違和感はありませんね。

音楽著作物では

さて、音楽の場合はどうか。これはかなり複雑な話になります。書籍の印税に当たるものはやっぱりあります。音楽の著作物については、作曲・作詞者は著作物そのものに対しての権利以外に演奏権や出版権も得ることができます。つまり、許諾を得ないと演奏できないことになり、ここについて使用料が発生することになります。そしてこれらの権利を音楽出版社などに契約して渡す代わりに、一定の額をもらうことになります。
ところで、作詞・作曲しただけでは音楽とはいえません。そう、演奏しないことには始まりません。ここで登場するのが「著作隣接権」という聞きなれない言葉。これは、実演すること、またそれを放送やCD化などして広く公衆に伝播する行為に対する権利で、演奏家やレコード製作者などが得られる権利です。これも、当然ながら、何がしかの契約を出版社などと結んでマーケティングしてもらう代わりに一定の額を得るわけです。

音楽著作物の複雑な権利

そんなわけで、音楽著作物には権利が発生し、お金のやりとりがあるポイントがいくつも存在します。これは面倒。自作自演アーティストなら、

  • レコードが売れたり楽譜が売れたりすると作曲者としての著作権使用料やアーティストとしての印税が入る
  • コンサートを行うと、(JASRACに)著作権使用料を払うことが必要だが、作曲者としての著作権使用料やアーティストとしての印税が入る
  • 放送で自分の曲が流れると作曲者としての著作権使用料やアーティストとしての印税が入る

ということになります。もちろん、このときに入るお金は、先に上げた出版社などとの契約によって決められたある一定割合の金額になります。

こうした複雑な権利があることから、著作権者や出版社などが正確に楽曲の使用を追跡することは難しいです。ここで、上もちょっと出てきましたが、音楽著作権管理団体としてJASRACが登場するわけです。JASRACの仕事は、このような権利関係を整理し、適切に使用料を集め、著作権者に還元することです。少なくとも、今の著作権とそれに関連する権利の複雑さを考えると、JASRACのような管理団体の存在はビジネスを円滑に行うためには必要不可欠に思えます。

続く。

著作権保護期間延長賛成反対

著作権保護期間の延長問題を考える国民会議のページ(ところで、なんでタイトルとか画像なんだ。コピペできないじゃないか)より。http://thinkcopyright.org/reason.html
賛成派も反対派もいるのは当然ですが、どうにも賛成派の言説がキモチワルイと言うか、宗教っぽい印象を受けてしまいます。曰く(抜書きですが)、

  • 「長く評価される作品を作りたい」という思いが、偉大な創作につながる。
  • 著作者の死後50年だと、妻子がまだ生きている例が少なくない
  • 著作権の過剰な保護が新たな創造を阻害する」というのは、芸術に対する無理解などゆえ。
  • 先進国として恥ずかしい。日本は野蛮な国だと思われてしまう。
  • 保護期間が切れても、文庫の値段が下がる訳ではない。
  • 公共性の高いものは(許諾は必要ないが使用料を支払う)補償金制度への移行も検討すべき
  • 漫画やアニメは重要な輸出品目で外貨を稼いでいる。よって、保護期間が短いと多大な損失をもたらす。
  • 著作権は私権なので、国家の利益のために個人の権利が剥奪されてはならない。

あえて反対派のは書きませんでしたから、見ていただきたいのですが、基本的に、これらに対する反論に対する再反論みたいな形で議論が進んでいて、とにかく自分の立場について頑張って理由付け(まあそのこと自体は当たり前の行動ですが)をしているに過ぎないように思えます。
大体、僕らサラリーマンが道半ばにして倒れたとき、妻子が著作権で安楽に暮らせるわけでもなく、そういう違和感のある理由付けをすること自体、世間の感覚からずれているような気がしてなりません。芸術が「一般人にはわからない」ものであれば、むしろ国とか愛好者の援助に頼るべきで、マーケットに依存してはならない。所詮、市場からお金を吸い上げる(ことによって著作者が生活できるようにする)仕掛けと割り切って延長するのであれば(つまり、売れるものを書いたんだから俺に金が入り続けるようにしろ)と言う本音を言ってもらった方がよっぽど納得できますね。
補償金制度はなんかJASRACっぽいし、最後の二つは矛盾しているようにも思えます。また、野蛮な国と言う意味では、「芸術で金儲け」よりよっぽど先進的だと思いますけどね。もっとも、某ねずみが芸術とは思えないのですが…。著作権そのものよりもそこから生み出されるお金を尊重する、そんな議論。

「水からの伝言」は水に対して失礼。

人間がこの世界に登場するはるか昔から、この母なる地球に存在する「水」。もし、人間がものすごいパワーを秘めていたとしても、たかが万年単位の歴史しか持たない生物が、水に対してそれほどの力を持ちえると言うのか。ファンタジーにしても冗談が過ぎると思う。もし、本当に水がそのような力の影響を受けるのであれば、とっくに有害物質と化した水によって人類は滅亡していると思う。
というポエム。

はてブを継続すること

なんか、一回サボると継続できないような気がしてはてブに勤しむ日々。日記はそんなに頑張らなくてもいいかって思うんだけど、はてブは被Favがあるとなんかプレッシャーな。
一日やらないとすごく置いていかれる感があるのも原因なんだろうけど。自意識過剰と言えばそれまでなんですが。