著作権というワードだけで釣られる人多すぎ

釣りで煽ったネタは現実とずれがあることが判明したら釣られた人の熱が冷めますよ?先生。最悪推進派に鞍替えしますよ。
先のエントリは本当は事実関係を調べてから書くべきだったんでしょうけれども、あえて状況から法案の内容を想像しつつ、議論が起こることを上手く利用できないかな、という感じに書いてみたわけです。で、やっぱりというか、冷静に見ている人もいて

内容的には、とりあえず”企業「も」活用できる”し、”警察「も」取り締まれる”法案に過ぎなくて、恐らくは悪質な著作権侵害行為に対処するのにいちいち著作権者(下手すると法的な引継ぎもなく亡くなってたりする)に通告しなければならない実情をどうにかしましょうや、という以上の話でもなさそうなんですが。

「著作権法の非親告化」法案の議論がややこしい方向に: やまもといちろうBLOG(ブログ)

悪質な、としているのがポイントですね。隊長はそれでも範囲については

模倣は許されるべき、というのはその人本人の価値観であって、そうは思わない人たちもいて、一定ライン以上の模倣は良くないと考える人にも問題解決の道筋を法的に与える必要があるんじゃないの、とは思います。本来なら、同好の士同志の秘め事の世界であった漫画も含めた同人の模倣が、規模化され、市民権を得、商業化されたら、そりゃいままでの法律で仕切るのは難しい。
権利者に模倣を許容されているからできてきたことが、いつの間にか当たり前のことになって、正当な権利であるかのように誤解するのって、それは外国人が長年住んでしまったのをいいことに参政権要求するのと大差ないんじゃないですか。

「著作権法の非親告化」法案の議論がややこしい方向に: やまもといちろうBLOG(ブログ)

と、パクリにも及ぶと判断されていますが、実際に審議されている話は以下に詳しいです。

・・・そんな話あるわけないじゃん。
いま考えられているのは、映画等の海賊版等で商業的規模に達しているもの。
〜中略〜
ちなみに法律の話になるけど、著作権法でも刑法に該当する部分には罪刑法定主義が適用され、拡大解釈が出来なくなる。まぁ条文に何て書かれるかが問題になるのだけど。
でも立法者の意思というのは基本的に裁判でも尊重される。(法源とまでは言わないけれど)だから微罪逮捕とか昔問題になったじゃん。
だから、あんまり心配していない。

http://soulwarden.exblog.jp/5455910/

で、続きに「知的創造サイクルに関する今後の課題」を引用し、以下太字として今回の問題を挙げています。

(2)具体的方策
著作権等侵害のうち、一定の場合について、非親告罪化する。
「一定の場合」として、例えば、海賊行為の典型的パターンである営利目的又
は商業的規模の著作権等侵害行為が考えられる。
営利目的の侵害行為は、その様態から侵害の認定が比較的容易であるとともに、
他人に損害を与えてまで金銭を獲得するという動機は悪質である。また、営利目
的ではなくても、例えば愉快犯が商業的規模で侵害を行った場合には、権利者の
収益機会を奪い、文化的創造活動のインセンティブを削ぐなど、経済的・社会的
な悪影響が大きい。

http://soulwarden.exblog.jp/5455910/

これたけくま先生のところでもリンク張ってるんだよね。ほら、「商業的規模」のって言っているじゃない。収益機会を奪うことが問題にされているじゃない。表現の自由に抵触する話なんてしてないじゃない。
今回の話は、非常に重要なことだと思うし、今後の著作権を考えるにあたってとてもいいきっかけだと思います。でも、今議論されていることから離れすぎた内容でみんなを煽ることがよいことだとは到底思えません。
海外版CD輸入権問題みたいに、運用を始めてから当初の約束と違うって話になるのは、そういう運用ができる法律になっていたから。今回の件は、むしろ適切な範囲を明確にすることで、商業的にはメリットがある法律になる可能性のほうが高い。というよりは、もはや何もしないではいられないほど問題が起こっているわけだから、避けられない話、とすると闇雲に反対するのではなくて、恣意的な運用ができないところにきちんと線を引かせることの方がよっぽど大事です。