2008-03-02
20XX年、世界はマッチョで溢れ、人類は滅亡の危機を迎えていた…
もはや、働かなくてもかなり豊かに暮らせるようになった旧世代のある中年は、
「もはや、私たちの役目は終わった。我々はもう経済を支えなくてもいいんだ。
マッチョたちに任せておけば、日本は安泰だ。
金を稼ぐのはマッチョの役割。ゆっくり余生を楽しむのが私たちの役割だ。」
と言いながら、寂しそうに笑った。
2010年、マッチョ主義によって日本社会のとてつもない大改革が始まり、人々の生活が根底から変わりはじめた - 分裂勘違い君劇場
そして、世代は一回りし、世界はマッチョで溢れた。
「どうする?地球はもういっぱいだ」
「明るい未来の為に子供を作りすぎたな俺達」
「なんとかなるって。居住可能な惑星の探索もそろそろ結果が出ていいはずだ」
楽観主義に溢れるマッチョの策は、常に希望に溢れていた。彼らにとって宇宙は無限に広がるリソースの山だ。しかし、未だ太陽系外に到達するテクノロジは開発されず、火星のテラフォームも技術的な課題が解決せず、地球の資源は限界を迎えようとしていた。
だが、マッチョは諦めることを知らない。悲観的になることを知らない。全てが食い尽くされるまで、最高の効率で、ひたすらに仕事をし続けるのであった。
人類滅亡のリミットまで、あとXX年…
小市民を作っているのはマッチョどもだろ?
悪いマッチョが小市民を作るんだよ。
どれもそうだということは出来るけど、直截的には君の上司や同僚といった、君の隣で働いている人たちだよね?
その彼らに思い切って聞いてみればいい。「なんで僕にこんなひどい仕打ちができるんですか」って。
404 Blog Not Found:小市民の敵は、小市民
設定があいまいだから、何パターンかあると思うけれども、僕がその上司や同僚だったらこう答えるかもしれない。「そうしないと俺の給料が下がるからだ」
「マッチョになれ」「マッチョになれ」と繰り返し尻を叩かれるのはそういうことだ。競争が悪いわけではない。他人を犠牲にしないと成果が出せないような、あるいは、どんなに効率化しても「ならもっとできるだろ」と更なる結果を求められ、効率化でようやく一人前になった人を能力的に脱落させ、徹夜の連続に追い込むような、そういうマッチョが。「俺は出来た」ならば、スタープレイヤーだけを集めて仕事をすればよい。もちろん、できることは限られてくるけれども。
平凡な人たちが平凡な、しかし必要な仕事を平凡にこなしていく。社会情勢にあわせて、あるいはテクノロジーの進化に合わせていかないと、脱落するのは仕方がないけれども、最先端な、最高効率を常に求めるような仕事ではない、というものもある。
会社を成長させるためではなく、ただ平凡に生き残るためにマッチョが必要なんてのは狩猟社会への回帰だ。既に人類は少ない土地を奪い合う戦いに回帰しているのかも知れない。そうであれば、マッチョたらねば生き残れないのかも知れない。でも、僕らに見えているのは単なる格差だ。奪わなければ足りない、という実感は、ない。であるからこそ、「勝つためのアドバイス」は、平和を願う人にはなかなか響かないのだ。
「辛いなら会社を辞めてしまえ」は今だから言える言葉
ほんのちょっと雇用が上向いて、人材の空洞化のために、ある程度ちゃんとした経験を積んだ人を中途採用で欲しがる会社が増えてきた今だからこそ、「辞めてしまえ」はまともなアドバイスとして通用する。
既に敗残兵と化した、戦争のトラウマに悩まされる、あの戦いを潜り抜けてきたものたちにとって、辞めたら今の会社よりましになる、というのは幻想に過ぎなかったはずだ。あの時提示されていた、会社を辞めて逃げ出した人たちの帰結はホームレスだった。もちろん、氷河期世代の話は、バブル崩壊後の大量リストラの話にも繋がる。報道がクローズアップしたドロップアウトした人たちの末路。3日やったら辞められないという。辛いところから抜け出して、人間らしい生活…人間らしいとはなんだろう。社会との直接的なかかわりを、残飯でしか得られない環境のことなのかどうか。
単なるイメージの問題だったのかも知れない。けれども、やりがいとか、まともな社会人とか、そういった言葉に惑わされ、あるいは、しがみつき、辞めたら終わりと思っていたのは果たして事実だったのか欺瞞だったのか。
過渡期だったのだろうとは思う。しかし、無能な上司や、めったなことでは首にならない安定雇用の公務員を憎む声は未だに上がる。嫌ならやめればいいのに。文句があれば公務員になればいいのに。冷静な判断力を持つことが出来るのは、安全圏にいるからかもしれない。左右に地雷原があるかもしれない道を、素直に前進したら必ず何人かが犠牲になる敵の拠点への近道として踏み入れるだけの勇気が、ささやかな自分の幸せを得るためのことであっても必要な人生など、およそ人間に耐えられるものではない。そんな社会に捨て駒として送り出されたことが誰の罪か。違法派遣で働かせることで肥え太り、世界有数の優良企業となった多くの会社。誰に対してそれを誇るのか。
再び戦争の火種が見えてきている。サブプライム問題・原材料高騰・食糧危機。果たして、「辛いなら辞めればいいのに」という言葉をいい続けることはできるのだろうか。













