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2008-05-13

匿名が悪い環境を喜んで作っているだなんて、一体どこの世界の話なんだろうか

僕じゃない誰かと話してるのかな。それならわかんなくもないけど。

「実名の人は既存の権威を利用して言いたい放題」ということ自体がデマですね。まあ,匿名さんのお気に召さない発言をすると炎上するので,失言どころか,現実社会では何ら問題視されない発言をすることすらはばかられる環境を,匿名さんたちは作り上げて喜んでいるわけですが。

バカは実名だろうがバカ - novtan別館

えーと、これは

「実名の人は既存の権威を利用して言いたい放題なことがありますね」

を受けてなんでしょうけど、特定少数の事例を取り上げてあたかもそれが普遍的な事実化のように扱う論法に比べたら、「がありますね」の分だけ僕の方が誠実なように思えますが。だって別に実名全体を非難なんてしないもの、どうしようもない実名がいても。

で、現実世界ではなんら問題視されない発言をすることすら憚られる環境ってどこのことですか?むしろウェブでは現実世界では発言することが憚られることすら発言されるのが許されていて、それが問題なのだと思っていましたけど。

何度もいいますけど、悪いのは誹謗中傷をする人であって、その人が実名か匿名かの属性が悪いわけではありません。大学教授が教授であること自体を責められないのと同じですよ。匿名が攻撃性を助長することがある、ということ自体は否定していませんが、そのことをもって匿名が悪なのであれば、そもそも人間という存在自体が悪なのであるから人類は滅亡した方が良いですね。

三菱東京UFJのトラブルについての戒め

まずこれを見てくれ。

http://www.google.co.jp/search?num=50&lr=lang_ja&ie=sjis&oe=sjis&q=三菱東京UFJ%20トラブル

今回の件は様々な点から問題があるんだけど、僕も確かな情報を握っているわけではないからあまり語れない。

まず一つ、上記の検索結果にネタブログが混じっていることが問題。bogusnewsは僕もファンなんだけど、この記事はいただけない。

庶民のなけなしの預金を一瞬にして消してしまうとは…過去の銀行システムトラブルでも類を見ない重大な事故だ。

502 Bad Gateway

もちろん、後半を読めば読むほどネタだと言うことがはっきりしていくんだけど、問題は、これが検索結果の上位に来ていることで、特に決定的にネタだと言うことを示す証拠が「bogusnewsであること」しかないというのは一見さんにとって大変問題のある状況ではあります。

ブックマークコメントにも書いたけど、女子高生のたわいのない嘘が取り付け騒ぎを招いた過去がある。

1973年12月に愛知県宝飯郡小坂井町を中心に「豊川信用金庫が倒産する」という噂が流れた事により取り付け騒ぎが発生し、約20億円の預金が引き出された事件である。 愛知県警察が信用棄損業務妨害として捜査を行った結果、自然発生的な流言が原因である事が判明した。デマがパニックを引き起こすまでの詳細な過程が解明された珍しい事例である為、心理学関連の教材になる事も多い。

豊川信用金庫事件 - Wikipedia

読めばわかるけど、「危ない」って言葉が銀行の経営状態を指すものですらないんだけどね。

というわけで、bogusnewsには猛省を促したい。ウェブ利用者のリテラシーを信用しすぎなんじゃないの?

もう一つ。

しかし、最も容易な部類に入る今回の(旧)東京三菱系→(新)東京三菱UFJへのシステム統合で、電文文字列の内容が異なっていたという基本的な見落としが発覚した今となっては、そもそものテスト品質の甘さを追及されてもムリからぬこと。 テスト肯定のスペシャリストが全てレビューしていたらなら、多分今回の障害は未然に防げた、もしくは短時間で解決できたと思います。

障害発生が「当たり前」という銀行システム統合、本当にそれでいいの?:情報インフラ24時 眠らないシステム:オルタナティブ・ブログ

「工程」が間違っているのはご愛嬌としても、最も容易な部類ってのは内部関係者か何か?あと、電文文字列の内容については異なっていたんじゃなくて、仕様変更をちゃんとフォローしていなかったって話ですよね、今のところ。一体全体テスト工程のスペシャリストってなんでしょうかね。全知全能の神でもいるのかしら。

一見無駄と思われるコストの部分で上手く回っている現実は確かにあります。でも、完璧なシステムなんて作れないのですよ。銀行のシステムだからいいんじゃなくて、どのシステムでも起こりえることです。そして、銀行のシステムだからこそ、この程度(というと怒られそうですが)で済んだんですよ。

テストが足りないとかそういう部分じゃなくて、もうちょっと根本的な部分に問題があるのは確かなんだけど(例えば、建て増しで作っていった結果膨大な数のバリエーションが出来て誰も把握できないとか)、それはテスト工程のスペシャリストが解決できるような問題でもありません。むしろ、そういうところに力を入れすぎて、今回のような単純な部分でのミスが起きるんですよ。

ま、全部憶測でしかないですけどね。

あと、今回の問題は、バグを作りこんだ当事者がどういう扱いを受けるかも注目なんですが、まあこれは世間一般には関係ない話かなあ。IT業界の人は注目ですね。特に某ベンダーとこれからも仕事をしていこうという会社は。

肩書きに依拠できない匿名の脆弱さ

ウェブでは内容を評価したいという願望はある意味では怖い話です。なにしろ内容ですべてが判断されてしまいます。肯定は人格が肯定されたように感じてしまい、否定は自分が無価値になったかのように思えるかもしれません。特に否定の場合はそれが実名なら現実の権威に寄りかかることも可能ですが匿名はそうではありません。「本当の俺はこうじゃないんだ」と内心叫びながら歯を食いしばることもあるでしょう。

でも、現実の立場が世間一般に「立派」と見なされるものでなければ、ウェブにおける否定に対抗しうるものになりえません。そういった意味では人格ごと消え去ることが可能な匿名は恨みつらみを現実に持ち込まないための安全弁足り得ます。

ただ、僕や他のかなりの人が採用しているだろう、気軽に現実を浸食させないための、つまり、オンとオフの記号にすぎない匿名では逃げることは難しい。ここでは現実の権威とも戦わなくてはならないし、正直実名のメンタルとあまり変わらない活動(誹謗中傷しないとかね)が求められます。

問題はどちらの匿名かが(2ちゃんみたいに明らかでない限り)区別しづらいことでしょうか。

内容を評価してくれと叫びながら一方で実名の人が三流大だとか学部がどうとかいってしまうのは権威の過剰な意識の裏返しですよね。匿名でありながら権威主義に服している。実名の人の評価軸において、確かに経歴は大事ですがそれは権威ではなく何を為したかについて。外国のえらい人が日本を褒めたというデマに踊らされたりするのも同じような心理から発したものでしょうか。

匿名を求める声が「形式的な権威」からの解放ではなく権威主義への憧れの裏返しにならないようにしたい。肩書きがないという事は強みにもなりますが弱みにもなります。ウェブは肩書きのない人間が鬱憤を晴らす場で終わるにはもったいない空間です。ましてや喧嘩をするところでは!(※議論はどんなに激しくても喧嘩ではありません!)

いや、喧嘩してもよいですけどね。

ただ、実名の人が自分の世界を守るのに必死になりながらウェブに参加してくるとなかなか難しい。立場というものを守ろうとすると否定的な見解は叩かなければならないし、立場上本音が言えなかったりするわけで。言うべき事が何かに縛られて十分に言えないと、周囲は納得感のある答えをはぐらかされているように感じ、結局権威そのものを攻撃するか、人格をバカにするしか話のもって起用がなくなります。それじゃあ議論自体無意味です。

実名の立場に対抗するための立場を持たない匿名は内容で決着をつけないと存在意義がなく、それがともすれば攻撃性として表出されがちです。攻撃性を抑止できるかどうかはその発露が相互性を必要とするものである以上、匿名の側だけの問題ではありません。

逆に言うと実名が攻撃性を発露する原因の一端は匿名にあるのです。そのあたりをコントロール出来るようになって初めてウェブ言論は既存のものと肩を並べることが出来るのかも。

「〜の自由」てのも現実で謳歌すればよく、ウェブでの議論あるいはビジョンは理性を基にした次の段階のものであって欲しい。肉と名前を持たない単なる現実の縮小版じゃつまらないよね。

もちろんウェブの果たした機能は世界を狭くしたという現実のコミュニケーションと密接に絡む部分もあるけど、そこは既にインフラでしかないと思うし。ここに新しい秩序をどう作っていくか、あるいは押しつけられた秩序で満足するのか、と言うこと何じゃないかと思います。