戦国策を読んで思うことあり

歴史は繰り返すと言うか、人間は昔から今に到るまでその愚かさは変わらないのですね。でもベースは少しずつ良くなっているのかな。

私は、『楚に行くのにどうして北に向かっているのか』と尋ねました。すると『私の馬は駿馬です』と言います。私は『馬が良くても、そっちは楚へ行く道ではありませんよ』と申しました。すると、『旅費はたっぷりあります』と答えます。私は、『いくら旅費がたくさんあっても、楚へ行く道ではありませんよ』と又言いました。すると、『私の御者の手綱さばきは一流ですよ』と言います。

北行して楚に至る(ほくこうしてそにいたる)|中国故事街

ご存知の通り?楚は南方の国です。目的がはっきりしているのにその方針を誤るとどうなるかの見本みたいなもの。もちろん、このエピソード自体たとえ話なんですけど、昔から「詭弁のガイドライン」が示されているみたいで面白いですよ、戦国策(というか中国の古典)。

もう一つ。

悖れる者の患は、まことに悖らざる者をもって悖れりと為すにあり

魏の恵王は信頼していた宰相が死の床で推薦した無名の人物、というよりはその宰相の言葉を信用できず、「用いることのない場合は殺してしまいなさい」との言葉のみ実行しようとして逃げられたエピソードの結び。この人物こそのちに秦の法治主義の礎を築いた商鞅に他なりません。まあ、突拍子もない提案をさっくりと受け入れるとしたらそれはそれでどうかと思うのですけれどもね。