またしても永久機関が誕生したようです

大体「位置エネルギー」といった場合には要注意ですね。

海洋発電装置は、大型船のような海上浮遊物と海中の発電機2基、海中の配管で構成される。
 まず、海水が海上浮遊物に付設した配管に入り、水の勢いでタービンを回して発電。海水はその後、潜水艦のような耐圧容器に入った海中に向けて配管内を落下し、発電機のタービンを回す。電気は海底ケーブルなどから陸上に送電し、海水はモーターを使って容器外に排出する。

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004847023.shtml

この記事を書いたのはだれだ!

配管が新素材らしく、圧力に耐えられるらしい。まあそれは前提として認めると、たしかに上にある水を落下させることはできよう。なんだけど…
「海水はモーターを使って容器外に排出する。」!!!!
位置エネルギーをたんまりと電気に変換するくらいだから、結構な海底まで行ってますね。さて、水の底では水圧というものがありますね。落下で得たエネルギーと、その分の水圧に対抗して排出するためのポンプに使うエネルギーは各種損失を考えるとどちらが多いでしょうか?

間違っちゃったのは、「位置エネルギーのほうが大きいじゃんwww排水するのなんてそんな大変じゃないじゃんwww」って思っちゃったからなんだろうな…
でもさ、完全な実験体プールを考えると、落下した分水位が下がるでしょ。で、排水するってのは水位を上げるってことだから、実際には落下した水を同じチューブで地上に送り出すのと同じ(かそれ以上の)エネルギーを消費するってことだよね。スケールを大きく考え過ぎたから、それがなかったことに見えてしまっただけだろうね。

でさ、新聞がダマされるのはともかくとして、これ。

海神発明者の西岡教授は『まだ、海神の実用化にはいろいろ課題もあり、関連企業を集めたコンソーシアムの設立を急ぎたい』と話しています。

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まあ、トンデモ教授がいるのは学術界のご愛嬌としても、「神戸大学大学院海事科学研究科」の名前でリリース出してしまったらこれは大学レベルの事案だからね。本気で言っているとしたら、昨今の大学生の学力低下を嘆く前に、することあると思わない?