2012-04-17
どこからが、人間か。
よく訓練されたSFでなくても、そう聞いたら浮かぶであろうのがこれ。
まだ人間じゃない (ハヤカワ文庫 SF テ 1-19 ディック傑作集)
- 作者: フィリップ・K・ディック,Rey.Hori,浅倉久志,友枝康子,大瀧啓裕,小川隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/03/07
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
冷戦の中、いつでも第3次世界大戦が起きそうで、起きたら世界のリソースは一気に減少するだろうという状況下でディックはディストピアな世界をよく書いていましたが、それってようは、リソースの足りなかった昔に戻りつつ、人間が獲得してきた「合理性」が悪い方向に働いた世界。優生思想への皮肉としても。
さて、昨日話題の増田。
こういうエントリーは、その怒り?が発露しちゃう理由がわからないととにもかくにも論評しづらいものですが、こいつは単純に論理が稚拙…というよりないのでまあ非難轟々です。
例えば冒頭の一節。
母体の中にいようと外にいようとほうっておけば人間として生まれてくるという状態にある時点で、それは生命なんだよ。
中絶に殺人罪を適用してくれよ
女性の産む機械としての機能(懐かしいな…)を考えるとそうかもしれないけど、それって全自動じゃないんだよね。ほうっておけば→産まれるはね。
とまあ、ことごとく前提が他人ごとなんだけど、怒っている。こうも言っている。
いかなる事情があっても子供の命の重さに変わりはないんだよ。
レイプだろうが風俗だろうがとにかく親がセックスして受精したという事実がある以上、
そこに至るまでの過程は一切考慮すべきではない。
子供の命の重さに何も影響しない。
中絶に殺人罪を適用してくれよ
そこに至る過程もそうだし、そこから産むまでの過程もそうだけど、やっぱり、子供が最終的に命として誕生できるためのファクターが色々あって、それをすべて満たさなかった場合には中絶をしなくても死産する、という観点はない。
そこも含めて全体的に、要求はすれども支援はしない感満載で、正直何に怒っているのかがわからない。大学生が増田でホッテントリ大会〜でもやってるんじゃないかと思う感じである。
多分このあとも本人なんだけど、こんな感じだ。
新しい命の方が古い命よりも大事だから妊婦を生かすことよりも赤ん坊が生まれることを優先するべき。
つか子供を生むから女性は社会的に優遇されているんだから、たとえば徴兵されないとか、
それぐらいしないと割に合わないだろう。
http://anond.hatelabo.jp/20120413223557
と一見社会性公益性の観点からものを言っているようにも見せているけど、実の所それによって育てるべき親がいなくなることについては一切無頓着なのではある。
自然流産の場合は、すでに出生している子供が病死したと同じ扱いだから、親には何の責任もないよ。
外部から意図的に圧力を加えて流産させた形跡がない限りはね。
http://anond.hatelabo.jp/20120416220406
風俗は認める。
というか、子供を作ることを目的としないセックスは風俗以外の場所では許さない。
http://anond.hatelabo.jp/20120414202738
「受精したら人間。生んだからには最大限幸せに育てろ」
うん、原理的にはそうだと思うよ。じゃあ、どうしたらその子は「必ず」幸せになれるのだろうか。不幸になったとしたら、それは生んだ家庭の問題だから君には関係ないのだろうか。僕にはそれは要求に対する責任放棄にしか思えない。必ず産めということであれば、殺人罪どうこう以前に、必ず幸せになれる社会を作るために邁進する義務がある。そこには一切の言い訳も妥協も認められないし、産まれた子がみな幸せになれなかったら、殺人罪より重い罪を背負うべきだろう。本当にその覚悟があるなら、きっと今日にでもその罪を償うハメになると思うけれども。
ダウンロード違法化で音楽業界を心配するのも馬鹿馬鹿しいので
津田さんもついに怒るを通り越して諦めにかかったダウンロード違法化問題ですが、結果として、そもそもの問題である音楽業界(あるいは映画業界?)が隆盛を取り戻すことはなく、一方でウェブを使うだけで一定のリスクが存在する環境を作り上げた、というだけに終わりそうな予感がしております。もっとも、後者が適用されることはあまりないとしても。
正直、僕の所属している音楽クラスタは(マスマーケットとしての)商業の話とは無縁でありますし、ダウンロード違法化によって生じる問題とその対策の話だけしてればいいかなという気に。ポップス業界自体が斜陽産業になりすぎると、確かに僕のクラスターの中でもプロに近い人ほど影響を受けるから困ることは困るんだけどね…
もう建前で心配してあげるのはやめて、はっきりウェブの自由(もちろん制限付きである)の敵として業界を認定した上で、活動する人が増えるんじゃないかと思ったりもする。













