「タフで乱暴で、優しくてナイーブで、ひたむきで感傷的で、傲慢で、率直で、冷酷で、独善的、自己中心的、押しつけがましく、情愛深く、憎々しくて、愛らしくて、いくら言葉を重ねても完全に表現することはできない」

――平井和正『狼のレクイエム 第一部』

 初めて読んだ時は、物語の流れから、これは「女性」について語っているんだと思っていたけど、今読むと、「もしかしたらこれは『自分を愛してくれる誰か』について語った言葉なんじゃないか」と思う。
 それは、物語の中では言葉の主である犬神明にひたむきな恋情を注ぐ虎4であり、当時の平井和正氏の生活においては、無数に送られてくるファンレターの主=ファンたちのことであったのではないか。

 今日はホワイトデー。お仕事の関係で、二人ともいわゆる「本物」のホワイトデーは予定が付かず、繰り下げて今日がホワイトデー。
 だったので、前日から準備した。


 グレープフルーツを白赤(ピンク)一玉ずつ買ってきて、四分の一ずつ残してあとは絞る。残した果肉は小さめに切っておき、加糖して温め板ゼラチンを加えたジュースを入れて後は冷やすだけ、となった瓶に投入。
 これでグレープフルーツゼリーの出来上がり。


 さらに、ゼリーを冷やしている間、消しゴムを削って消しゴムはんこを作る。最近ハマっているので、さくさく進み、それを買ってきた荷物タグ風の紙にポンと判押しして装飾に。


 そうして出来上がったゼリーは、それなりに喜んでいただけたようで、ああと胸を撫で下ろしつつ、もらった一口パイをうまうまと食べましたとさ。

  • ジェーン・オースティン自負と偏見
     噂のマッシュアップ小説高慢と偏見とゾンビを読むために、原作を知ろうと思い立ち、複数出ている訳の仲で一番評判のいいものを選んで読み始めたのが先月。
     ゆったりした文体と物語運びに、しばらく中断していたのを再開。

     基本的には十八世紀イギリスを舞台にした結婚小説であり、そこに結婚の前提となることが多い(*1)恋愛小説としての側面や、当時のいわゆる「貴族」な方々の生活の基盤である「お金」の話をした経済小説でもあり、ゆったりした流ながらなんとなく気になってページを繰らざるを得ない、素敵なエンタテイメントでもあり。

     個人的には『フルハウス』だとか『フレンズ』みたいな海外ドラマを見ている気分で読んでいた。
     ヒロインのエリザベスと、その相方となる予定のミスタ・ダーシーが、お互い誤解というか偏見の目で見合っている関係で、それぞれのキャラクターが少女マンガ風――いけすかない偏屈ものの男にツンツンするヒロインと、ツンツンしかえしちゃうんだけど実はヒロインのことが好きな相手役ってのは、その手の王道ですよね――で、川原泉氏にコミカライズして欲しいような、のんびりした雰囲気が魅力的。

自負と偏見 (新潮文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

*1:ならないことも多い