中村てつじの「日本再構築」 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-04-16 「震災復興税」のおかしさ

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今朝、朝刊を見ると「震災復興税」が載っている。復興会議議長の五百旗頭真(いおきべ・まこと)防衛大学校長が提唱したものであるらしい。菅総理は増発する国債の発行を容認し、償還財源として2〜3年の時限措置としての1〜3%の消費税増税を検討しているという。(朝日新聞1面による)


私は、この「震災復興税」には反対。今は、毅然と財政出動国債の増発)をすべきだ。先に増税をするのではなく、マニフェストで国民に約束した「人への投資」を先行すべき。将来の社会保障のことを考えても、「助け合いの社会」を作っていくためには、財政の規模を大きくすべき。そして、経済指標が好転して増税に耐えられるような状態になった時に増税することを、あらかじめ約束する。つまり、投資を先行させ、その対価(償還)のための増税(費用徴収)は後に回すべきという主張。

私は党内の政調の各会議でも主張している。また、私のような主張をしている議員も多い。しかし、政調の役員には、なかなか伝わらない。

菅総理財務大臣をしていたからということもあるのだろうが、玄葉大臣(政調会長)の下で構成されている政調の役員たちも、財務省の論理に沿わなくてはならないと考えているのだろう。


戦後の焼け野原になったころのことを思い出そう。当時の「円」は国際的な信用力がなかった。世界銀行から借金をして新幹線も作られた。今の日本は、どうか。毎年毎年、経常収支の黒字を貯め込み、その結果、対外純資産は270兆円、19年連続世界一となった。そのため、我が国の通貨「円」は、世界中の通貨と交換することができ、世界中からモノを買うことができる。

有史以来、通貨は金(きん)等の物理的な価値を背景にするということで「価値」を示してきた。しかし、1971年のニクソンショックにより、ドルと金の兌換が停止された。以来、世界の通貨は物理的な価値を背景にする考え方から切り離され、言わば国家の信用力そのものが通貨の価値の背景となった。

そこで通貨のことを考える時に重要なのは、国家が投資するのは「自国にいる人間に如何に投資をするのか」ということである。(ちなみに、ここでの「人間」というのは外国籍の人間も含まれる。)どれだけ優秀な人間が自国の領域に居て経済活動を行っているのかということが国力を左右する時代になったからである。


今、日本の生産力は東日本大震災により大きな打撃を受けている。しかし国全体では供給過剰であったため、必要な需要に対して供給ができない生産力になっているという状況でもない。問題は部品や原材料の不足が、生産地・調達地の東北北関東の被災により起こっているという現状だ。物流・調達のあり方をどのように考えるのかという視点からのメッセージが発せられないと、せっかくの復興の気運を冷やしかねない。


復興税で想定されている「2〜3年の時限措置としての1〜3%の消費税増税」というのは、1年1%で2.5兆円ということを考えると、最大でも3×3×2.5兆円ということで、22.5兆円だ。このぐらいの金額は、今の国債市場で十分に吸収できる。日銀総裁も、(今朝の朝刊によると)直接引き受けの必要性がないと明言している。

私ならば「まずは人への投資。財政の規模を大きくする。景気回復の後、必要なサービスであるかどうかを選挙で問い、段階的に消費税を上げていく。」というシンプルな姿勢を示す。そのようにして、分かりやすく、マニフェストに則った政権運営を行っていく必要があると思うのだが、いかがだろうか。


朝から思わずキーボードを叩いてしまった。

マニフェストを守る政治でなければ国民は一票の価値を実感できない。私は、国民との約束を守るために、今後も党内で主張を続けていく。


明日からは、統一地方選挙の後半戦。私の秘書「市本たかし」も天理市議会議員選挙に立候補を予定している。地道な活動が評価されるような活動を展開していきたい。

2011-04-15 森林法改正:バイオマスエネルギーシステムへの第一歩

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本日(2011/04/15)、森林法改正案が、全会一致により参議院で可決され、成立した。日本の山は荒れ放題で来たが、この法律の成立により、間伐放棄地を行政の手で管理できるようになった。


この意味は非常に大きい。私は以前のブログ記事で、経済のあり方として内需拡大のための3つの方向性を書いた。そのうちの一つが「国民のニーズはあるのだけれど、自給率が低い分野。」としての「林業政策」だった。

http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20081127

今回の森林法改正により、間伐放棄地を含めて中小所有地を30〜50ha(ヘクタール)の「団地」にまとめ、その団地単位で作業道・作業路を引くことが可能になる。


作業道・作業路により、森林の生産性は大きく向上する。

現地に赴くのに、徒歩で何時間もかかっていたのが、(林道→作業道→作業路という経路を通って)クルマで行けるようになる。幅2mの作業路には、グラップル(ユンボの先にショベルではなく掴む器具を装着したもの)や2トンダンプが入ることができる。これらとチェーンソーを加えた3点で、「森の仕事」は「里の仕事」になる。


倒された木は、谷筋に引くのではなく、作業道にウインチで引き上げられる。木を下に引くのは危険だが、上に引き上げるのは安全だ。このような山の仕事の変化は、生産手段が内燃機関により省力化されたからだ。トラクターや田植機やコンバインによりコメの生産が省力化されたのと同じように考えてもらえばいい。

グラップルにより作業道に引き上げられた木は、グラップルで掴んだままの状態でチェーンソーで枝払い(枝を切ること)や玉切り(出材の長さに切ること)をできるようになる。


このように、森林の「団地化」により、今まではコストに合わなかった間伐材等も出材できるようになる。当然、バイオマス原料になるしかないような質の悪い木でも出材できるようになる。


原発事故(原発震災)により、どのようなエネルギーシステムに変えていくのかということが議論されるようになった。

木材というものは、化石燃料と同じく、炭素を固定化したものだ。製材するのに適する資源としても、50年〜100年程度で循環できる。50年〜100年といえば、人間の感覚からすればとても長いが、石油や石炭化石燃料として数億年かかるのと比べれば「再生可能エネルギー」として驚くほど短期間で調達できることが分かる。


現時点では、ユンボも2tダンプもチェーンソーも、石油をエネルギー源としている。ただ、この数年の経済の流れを見ても、電気が動力源にできるようになることは目に見えている。その電気を木という固定化された炭素エネルギー源として供給できるようになれば、森の仕事は建材を作るだけでなく、エネルギーを自給できる仕事にもなる。


ドイツの先進事例を聞くと、木材のチップをエネルギー源とする暖房機は、ITにより高度化し、タイマーで自動的に部屋を暖めたり、インターネットを使って留守中から部屋を暖めたりできるようになっているそうだ。


これからのエネルギーの方向性。「新住協」などの住宅の「高気密高断熱化」により、住宅の消費エネルギー量を抑える。

更に抑えたエネルギーも、原発化石燃料由来のものからバイオマスなどの再生可能エネルギーにする。

このようなエネルギーシステムの改革により、日本はエネルギーを自給できるようになる。安全保障上も非常に重要だ。


今回の森林法の改正は、このようなビジョンの下に行われた。

政権交代の効果だ。こういう話をマスコミが書かないのは残念に思う。

2009-05-07

[][]政治は未来の世代のために 政治は未来の世代のために - 中村てつじの「日本再構築」 を含むブックマーク

(以下の原稿は、今月配布するプレス民主号外の原稿です。)


◇ ダブルワークの若者

先日、20代の若者が集まる場所に呼ばれました。生活するために、昼はレンタルビデオ店、夜は居酒屋と、ダブルワークをしている人もいました。元々は正社員だったけれど、サービス残業も多く、生活できないくらいに給料が少なすぎた。だから、辞めてフリーターになり、ダブルワークをして、何とか食べているという話でした。


私は、いわゆる「団塊の世代ジュニア」の世代です(1971年〜1974年生まれ)。そこから下の世代は、常に上の世代の方が多い。ポストもなかなか空かない。上の方が層として詰まっていて、構造的に若者は未来に希望を持ちづらいという状況におかれています。

このように私が書くと、「若者を甘やかしすぎる」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。しかし、「情報通信革命」による世界経済の変化を見ると、今の20代の世代が直面している状況は、「大人の世代」が経験したことのない過酷なものです。


例えば、私たちが着ているスーツ。かつては、「舶来品」と言われたぐらい、外国産のスーツは、高級品でした。その時代、スーツを作る仕事は国内にありました。しかし、今では国産のスーツこそ高級品。逆に、私も着ている「つるし」のスーツは、ほぼ例外なく、途上国で作られた輸入品となりました。

つまり、世界経済の変化により、親の世代の仕事がどんどん途上国に流れ、子どもは親の仕事も継げなくなってきている。これが、若者が直面している状況です。



◇ 政治は「人への投資」へ舵を切れ

そのような世界経済の変化に、政治は対応してきたでしょうか。私や民主党は、「コンクリートへの投資から、人への投資へ」と、結党以来10年間、世界の変化に対応するように政策転換を提案してきました。

現在、国会では、平成21年度補正予算の審議をしています。今語るべき争点は、「政治は未来の世代のために」という視点です。若者の仕事なくして、お年寄りの安心のしくみも成り立ちません。


私たち民主党は、「チルドレン・ファースト」。月額2万6000円の「子ども手当」を中学校卒業まで支給すべきと主張しています。子育てを全て家庭に任せてしまうのではなく、社会全体で支えていこうという考え方です。この点、政府は、今回の補正予算で一度限り、3万6000円で争点を消そうとしています。

また、恒久的に若者の仕事を増やすという姿勢は、今の政府からは見えてきません。確かに、「成長戦略」による競争の促進も必要ですが、全ての人が高度で生産性の高い仕事に就けるわけでもありません。一方で、人が人を支え、社会に安心をもたらすような仕事も必要です。福祉や医療という現場で、若者が食べていけるような給料を払えるしくみを作るのは、政治の役割であるはずです。


衆議院議員の任期も、残り4ヶ月を切り、いつ総選挙が行われるか分からない状況になってきました。不況の今だからこそ、未来を見据えた政策転換が必要だということを国会の論戦で浮き彫りにして参ります。


参議院議員 中村てつじ

公式サイト

http://tezj.jp/

メール 御意見を賜りますよう、お願いいたします。

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