中村てつじの「日本再構築」 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-08-18

[][][]「1「林業」のゆくえ」への反応 「1「林業」のゆくえ」への反応 - 中村てつじの「日本再構築」 を含むブックマーク


「政策提言1「林業」のゆくえ」には、強い反応をいただきました。

嬉しいです。

尊敬する森林ジャーナリスト田中さんのブログや、トラックバックを貼ってくださった「THE RIGHT STUFF」さんのブログにコメントも書いておきましたので、参考にしていただければ幸いです。


森林ジャーナリスト・田中淳夫の「ここだけの話」

「だれが日本の「森と木と田舎」を殺すのか」

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2008/08/post_cd0b.html#comments


「THE RIGHT STUFF」さんのブログ

http://blog.goo.ne.jp/alfa3370/e/807ae8ddaab7b98751165a614e6c8b8f#comment

2008-08-14

[]「林業」を理解するために 「林業」を理解するために - 中村てつじの「日本再構築」 を含むブックマーク


都市住民にとって、「林業」と温暖化と自分の生活が関係していることを実感する機会というのはあまりないと思います。

たまたま私の住んでいる生駒市に、森林ジャーナリストの田中淳夫さんという方がいらっしゃいます。最近の3冊の本を読んで、このような視点から森を見れば、森林・林業問題が全体として理解できるのではないかと思いました。

お勧めです。

森林からのニッポン再生 (平凡社新書)

森林からのニッポン再生 (平凡社新書)

だれが日本の「森」を殺すのか

だれが日本の「森」を殺すのか


参議院議員 中村てつじ

メルマガ国会からの手紙」

http://archive.mag2.com/0000016530/index.html

公式サイト

http://tezj.jp/

メール 御意見を賜りますよう、お願いいたします。

m@tezj.jp

2008-08-05

[][][]1 「林業」のゆくえ 1 「林業」のゆくえ - 中村てつじの「日本再構築」 を含むブックマーク


政策提言レポートの第一弾として、奈良県・日本のの林業再生について書いてみました。

ご意見をいただければ、幸いです。

http://data.tezj.jp/st0001shinrin01.pdf

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(第1稿:平成20 年(2008 年)8 月5 日(火))

政策提言レポート1「奈良の森林・林業

奈良県は、林業県と言われてきた。

しかし、現在では、その地位が危ぶまれている。

平成20 年(2008 年)5 月9 日森林間伐促進法が成立(5 月16 日施行)

現在年間35万ha の間伐面積 → +毎年20万ha = 目標55万ha/年

京都議定書のマイナス6%のうち、3.8%は森林吸収源。

目標が達成できなければ、森林吸収源の枠を使い切れない。


一.森林組合の研修を視察

全国森林組合連合会(全森連)主催

全国の森林組合の職員を対象とする研修会(4日間)

4日間のうち、2008 年6 月17 日〜18 日、はじめの2日間に参加。

http://www.zenmori.org/


間伐を推進するにも、林業の不振でなかなか進まない現実。

→全森連が、先進的な森林組合の取り組みを全国に広げる研修を企画。

先進的な森林組合 = 京都府南丹市の日吉町森林組合

ノウハウを全面公開し、研修を引き受け。


奈良県の林業行政の評価

「県内の森林組合の改革が必要」

「行政が稜線への林道整備するかどうかも、それが前提」


奈良県の林業を考えるときには、

森林組合の経営のあり方について知る必要有り。

→全森連に頼み、4日間の研修のうちはじめの2日間に参加。


研修の内容

「提案型集約化施業」(ていあんがたしゅうやくかせぎょう)


森林組合とは

組合員:森林の所有者

組合員から委託されて山の管理を行なうという組織(事業協同組合)。

但し、木材の価格が低下していたため、

森林組合は、これまで公共事業に依存するような事業体に。

しかし、その結果、間伐がなされない山が増え、山が荒れ始めた。

今、日本の山は深刻な状態に。

戦後集中的に植栽をした森林は、今、伐採期を迎えはじめている。

→ 商品になる間伐材をできるだけローコストで搬出、かつ、

→ 長期育成の木を残すという手入れが必要。


日吉町森林組合 = 全国に先駆けて「提案型集約化施業」を実施。

「提案型集約化施業」とは

組合員の森林所有者に対して「提案」を行ない、

小規模に分かれている林地を「集約化」して、

間伐を行なうシステムのこと。


湯浅参事「うちは、そんなに特別なことをやっているわけではありません。」

「ただ、普通のことをやっているだけです」と謙遜。


日吉町では、多くの所有者の林地を集約化して間伐を行なうため、

所有者一人一人と委託契約を締結。

= 見積書を発行(間伐材の販売+補助金等−人件費などの経費)

→ どれだけ所有者に返ってくるかを明記。


湯浅参事の主張するポイントは、

1.作業道の作り方

2.高性能林業機械の遅れ

3.進まない所有と経営の分離


1.作業道の作り方

高密路網=高密度に作業道を森林に施設。木材の搬出コストを抑える。

山に林道を施設するということはなかなか難しい。

経験を積んではじめてできる性質のもの。

(大橋慶三郎・岡橋清元「写真図解 作業道づくり」(2007/09/18 全国林業

改良普及協会)参照。)(岡橋清元氏は、奈良県の清光林業社長。)


山への負担を考えれば、作業道の幅は狭い方がいい。(岡橋=2.5m)

しかし、大型機械を入れるのであれば広い方がいい。(日吉=3m)


岡橋氏によれば、

奈良県の場合、2.5m幅の恒久的な作業道をつけることによって、チェーン

ソー・グラップル・2tダンプ車で出材をすることができる。


ちなみに、いわゆる「スーパー林道」は、

林業家にはほとんど使われていないらしい。

スーパー林道を作る予算を森林内の作業道を作る補助金に回せば、

もっと間伐は促進する?



2.高性能林業機械の遅れ

先進国であり、かつ、森林国であるはずの日本において、

高性能の林業機械は作られていない。

ヨーロッパでは、林業専用機械が開発されていて、

効率的に森林の管理ができるようになっている。

日本に入っている機械は、

ユンボの先に林業用のヘッドを着けるというようなものばかり。

湯浅参事「トラクターで通勤するようなもの」。

同じ先進国で人件費も高いドイツから日本は木材を輸入している。

→ いかに日本の林業が効率化されていないかの表れ。

ただ、需要のないところには企業は参入しない。


日本の遅れた森林管理の状態では、市場が小さく、

日本仕様の林業機械をヨーロッパのメーカーは開発しようとせず、

日本の一流機械メーカーも参入しようとしない。

国有林事業を請け負っている民間業者の方の話では、一応、みんな林業

械を持っている。しかし、小さなメーカーしか開発をしていないので、現

在3ヶ月待ちという状態。


湯浅参事「トヨタなどの一流機械メーカーは、すでにヨーロッパには遅れ

てしまっているので、販路としてアジアやブラジルなどに売れるのかどう

かを見極めないと参入しない」


3.すすまない所有と経営の分離

現在の日本の制度では、間伐をしようがしまいが所有者にとっては同じ。

「ウチの土地に他人のための道が通るのはいらん」が通用する。

しかし、間伐ができなければ、国際公約違反へ。


二.解決方法として中村私案

1.森林の会計基準を作成

現在、森林の評価額は、国税の相続税の評価に任されている。

しかし、間伐をしているかどうかで、山の価値は違う。

(解決法1)

間伐の有無により森林の経済的価値も変わる。

森林の専門家である林野庁が評価基準を作る。

→ 問題点として、全国一律の基準 = 実際と合わなくなる可能性。

→ 地域の実情をどのように反映するのかが課題。

(解決法2)

森林を担保にお金を貸している金融機関が、担保物件を処分する時に使う

評価基準を元に、地方自治体が地域に応じた評価基準を作る。

→ 問題点として、金融機関と地方自治体が協働する必要がある。


2.林地共同所有株式会社の設立

林地を共同所有する株式会社の設立。

金融機関による「森林ファンド」という形も。

(間伐が進まない原因として、所有と経営の一致。)

(1による)きちんとした森林の評価基準

→ 間伐をしなければ評価額がさがる。

かつ、何年も間伐をしていない森林については、

さがった評価額で、林地共同所有株式会社に現物出資させるという規制も。

これにより、所有と経営が分離。

森林組合も、一人一人の所有者にいちいち確認せずに、

林地共同所有株式会社の了解をとれば、間伐の作業に入れる。


3.国有林の国有株式会社化(2の応用形)

国有林は、独立行政法人化ではなく、国が一般会計で責任を持って運営。

(民主党農林漁業・農山漁村再生に向けて〜6次産業化ビジョン〜)

私案では、さらに国有林の所有権だけを株式会社化。(非公開会社)

当初の株式は、国のみが保有。

間伐放棄地については、この株式会社の株式と現物出資の形で交換。

次第に国の持株比率は低下していくが、元の所有面積が大きく、

かつ、手入れしている林地は評価額が高いので、

国の持株比率が大きく落ち込むことはない。

林野庁は、全森連と協働して、各地の森林組合に経営改革を提案する。

各森林組合が自発的に経営改革を進められるようなスキームを作る。

国有林の高密路網化もこれから。

国有林株式会社が経営改革後の森林組合に管理を委託することで、

提案型集約化施業が民有地で定着する流れを作ることができる。


4.高密度の路網の整備

山の稜線に3m〜最大でも3.5mの舗装された林道(幹線)を整備する。

そうすれば、森林所有者が作業道(私道)を自費でつけるインセンティブ

を与えることができる。

もっとも、間伐補助金をやめ、作業道整備に補助金を出すのも一つの方法。


5.森林組合の経営改革

森林組合が直面する「組合員(=所有者)の意識」。

何を優先すべきか、何に投資をすべきか、判断する基準が必要。

全森連による互助的な取り組みを評価。

地方銀行など地元金融機関による融資・経営参加。

経営理念の共有なき、単なる合併は避ける。


6.高性能林業機械の開発

急峻な日本の林地に合わせた高性能林業機械の開発。(林野庁)

国有林事業が先行的に使用することにより、市場を拡大し開発を促進。

但し、奈良県の場合には、記述のように高密度路網の整備の方が有効か。


三.慎重な進め方の必要性

ここまで、収集した情報を元に「あるべき姿」を考えてきたが、実際の政

策の立案・運動の展開には、多くの人の意見を伺う必要がある。林地によ

っても、事情は様々に異なる。きめ細やかな政策の展開が必要になると思

われる。このレポートについても、随時、改訂を加えていく予定である。


以上


参議院議員 中村てつじ