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特許実務日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-12-30 ●平成19(行ケ)10059 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 本日は、『平成19(行ケ)10059 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「サイクリック自動通信による電子配線システム平成22年12月22日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20101224114745.pdf)について取り上げます。


 本件は、特許無効審判の棄却審決の取消しを求めた審決取消訴訟で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、審決取消訴訟において新たに提出された周知性を示す証拠についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(第4部 裁判長裁判官 滝澤孝臣、裁判官 高部眞規子、裁判官 井 上泰人)は、


『 (エ) なお,被告は,原告が本件訴訟で提出した証拠(甲9〜17)について,審決取消訴訟において新たに提出された証拠であるから,本件訴訟において採用されるべきでない旨を主張する。


 しかしながら,被告の主張に係る証拠を含む甲9,10,12,16及び22は,いずれも,本件発明1の属する技術の分野における当業者の本件特許出願当時の技術常識を認定し,これにより本件発明1のもつ意義を明らかにするためのものであるから,これらの証拠に基づいて本件特許出願当時のステートマシーンの周知性を判断することは,何ら妨げられないというべきである(最高裁昭和54年(行ツ)第2号同55年1月24日第一小法廷判決民集34巻1号80頁参照)。


 よって,被告の上記主張は,採用できない。』


 と判示されました。


 なお、本判決物中で引用している最高裁判決は、『昭和54(行ツ)2 審決取消 昭和55年01月24日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121522946823.pdf)であり、この最高裁判決文中では、


実用新案登録の無効についての審決の取消訴訟においては、審判の手続において審理判断されていなかつた刊行物記載の考案との対比における無効原因の存否を認定して審決の適法、違法を判断することの許されないことは、当裁判所の判例の趣旨とするところであるが(最高裁昭和四二年(行ツ)第二八号同五一年三月一〇日大法廷判決・民集三〇巻二号七九頁参照)、審判の手続において審理判断されていた刊行物記載の考案との対比における無効原因の存否を認定して審決の適法、違法を判断するにあたり、審判の手続にはあらわれていなかつた資料に基づき右考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)の実用新案登録出願当時における技術常識を認定し、これによつて同考案のもつ意義を明らかにしたうえ無効原因の存否を認定したとしても、このことから審判の手続において審理判断されていなかつた刊行物記載の考案との対比における無効原因の存否を認定して審決の適法、違法を判断したものということはできない。


 本件についてこれをみるのに、原審は、所論の乙一号証の二により当業者の右実用新案登録出願当時における技術常識を認定し、これにより審判の手続において審理判断されていた第三引用例に本件考案における密封包装の技術が開示されていると認定して本件考案が第一ないし第三引用例からきわめて容易に考案することができたとした審決の判断を支持したものであることは、原判文に照らして明らかであるから、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。』


 と判示されていすます。


 詳細は、本判決文を参照してください。

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