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特許実務日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-01-27 ●平成21(ワ)25303 特許権侵害差止等請求事件「座席管理システム」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 本日は、『平成21(ワ)25303 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟「座席管理システム平成22年12月22日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110126085948.pdf)について取り上げます。


 本件は、特許権侵害差止等請求事件で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、特許権侵害訴訟において特許発明技術的範囲解釈する際、リパーゼ最高裁の原則論クレームの用語を解釈するのか、それとも特許法70条2項によりクレームの用語を解釈するのかについての判断が参考になるかと思います。


 つまり、東京地裁(民事第29部 裁判長裁判官 大須賀滋、裁判官 坂本三郎、裁判官 岩崎慎)は、


『(ウ) さらに,原告は,特許発明の技術的範囲は,明細書の特許請求の範囲の記載に基づいて定められることを要し,その記載のみでは技術的意義を明確に理解することができない等の特段の事情があるときに限り,明細書の発明の詳細な説明及び図面を参酌することができるとの解釈を前提に,本件各特許発明は,その特許請求の範囲の記載から,「座席表示情報」が,座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示するために「券情報」と「発券情報」とに基づき作成される情報であることは容易に理解することができるとして,「座席・乗車券情報」が本件各特許発明の「座席表示情報」に該当すると主張する。


 しかしながら,原告の当該主張中,特許発明の技術的範囲についての解釈は,特許発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるが,特許請求の範囲に記載された用語の意義は,明細書の記載及び図面を考慮して解釈すると規定されていること(特許法70条1項及び2項)に照らして,採用することができない。


 そして,本件明細書の特許請求の範囲の記載及び発明の詳細な説明の記載に照らして解釈すれば,本件各特許発明における「座席表示情報」は,当該情報を端末機に表示すれば,座席管理地の座席レイアウトに基づいて座席の利用状況が表示されるものであって,各指定座席の利用状況を,座席管理地の座席レイアウトに基づいて目視することができるものをいい,被告システムの「座席・乗車券情報」がこれに該当しないことは前記(1)イ及び(イ)のとおりであるから,原告の前記主張は,理由がない。


(3) 小括

 以上のとおりであるから,被告システムは,本件各特許発明の技術的範囲に属するものと認めることはできない。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。