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◆最近の感想リスト◇
ペルソナ4 ザ・ゴールデン 特殊報道部 イース セルセタの樹海 (通常版) ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 木崎くんと呼ばないで! (GA文庫) 楽園島からの脱出 (電撃文庫)
エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫) CODE OF PRINCESS チェンライ・エクスプレス (電撃文庫) ブラック・ブレット3 炎による世界の破滅 (電撃文庫) 僕と彼女のゲーム戦争3 (電撃文庫) 楽聖少女 (電撃文庫)

2012-12-31

2012年振り返っておこう

ろくに更新しないブログだが、年の瀬だし備忘録だしゲームは好きだしということで例に漏れず総括を書いておこうと思う。とは言ったものの、遊んだゲームは多くても途中で放置していたりクリアしても感想書かなかったりとひどい有り様で、エントリーを見返してあれこれ書くなんて芸当はできそうもない。自分の中では2012年を締めることに意義を見出し、細かいことにはこだわらないこととする。


今年を一言で表現するならば、

携帯ゲーム機」に尽きる。3DSの堅調ぶりを見るに世間的にもそういった風潮はあったように思えるが、今ここで意味しているのは僕がプレイしたゲームの話だ。そのほとんどが携帯機だった。据え置き機のソフトも遊ばなかったわけではないが、如何せんテレビの前で腰を据えてプレイするという当たり前のことができなくなってしまった。それは据え置き機の発売ゲームがどうこうというよりは、自分自身のプレイスタイルの変化がそうさせたと言える。「NDS・PSP」世代の子どもにあたる「3DSVita」は、僕の据え置き機への情熱を皮肉にも冷めさせる要因となった。

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モンスターハンター3 (トライ) G Best Price!

2012年に入って絶賛遊んでいたゲームは『モンスターハンター3G』だ。Wiiで発売された『MH3』も結構遊んだので拡張版である今作はそこまで熱中してプレイしていたわけではない。しかし面白いことに、携帯ゲーム機だと周りに遊ぶ人が増えていくのが『モンハン』というゲームの特徴であり、それはもはやゲーム業界において確固たる地位を築いた同シリーズのブランドの強さを如実に表している。だから結構やった。PS2で発売された『MH2』からプレイし続けているためさすがに飽きがきていることは否めないが、色々な人とプレイできるという土壌が出来上がっているのはやはり『モンハン』の強みだと再認識した次第。


閃乱カグラ -少女達の真影- (特典なし)

MH3G』を遊び終えた後は3DSの中古ゲームを漁っていたように思う。新作も続々と発売されて賑わう3DSだったが、かつての1万円値下げ前後にも注目していたゲームはあったからだ。そこでプレイし始めたのが『閃乱カグラ』。色物として発売されたにも関わらずスマッシュヒットを記録したことを鮮明に覚えていて、頃合いの値段だったこともあり購入を決意。ベルトスクロールアクションというジャンルを久々に遊びたくなったのも一因である。

面白かったか、と聞かれると素直に首を縦に振ることは難しい。良くも悪くも新ハードで発売された完全新作という印象で、ゲーム性や爽快感にもう一押し欲しかったというのが本音である。キャラクターの個性がそこまで感じられなかったのも飽きを早める要因だった。おっぱいぼよーんムービーももうちょっとパターンがあればモチベーションに繋がった気がする。故にクリアできていない。無念。


デビルサバイバー オーバークロック

閃乱カグラ』を放置してから新たに始めたのが『デビルサバイバー オーバークロック』。アクションを遊んだ後はRPGがプレイしたくなる不思議。とか言いつつこれもクリアできていない。ただこれに関しては出来に不満があったわけではなく、自分の注目していた新作との兼ね合いで止めざるを得なかっただけである。DSからの移植ではあるが、フルボイスになるなど追加要素にも妥協が感じられなかったのは好感触。世界観はメガテンともペルソナとも違う独自性があって結構引き込まれたし、戦闘も難易度高めで歯応えがあった。自分の中で楽しくプレイできていただけに放置した自分に腹が立つ。もう10ヶ月近く経とうとしているが、話は完全に忘れているのでまた新しく始めるのもアリかもしれない。そう思わせる安定感に満ちた作品だった。


CODE OF PRINCESS

ここでようやく2012年に発売された新作の登場だ。正直かなり粗が目立った作品ではあった。ボリュームは少ないし一本道だし処理落ちはあるしマルチプレイは全く人がいないしと、悪かった点の方がスラスラと出てくる始末である。しかしそんなゲームでもクリアまでいけたのは、キャラクターそれぞれの個性が強く、プレイに多様性が感じられたのが最大の理由であり『閃乱カグラ』との最大の違いである。かみ砕いて言えば、『コード・オブ・プリンセス』のキャラには『ストリートファイター』ばりのキャラの方向性の違いが見出せたのだが、カグラにはそれが感じられなかったという話。一本道故に同じシナリオをプレイさせる仕様は確かに苦痛だった。でもプレイスタイルが180度変わってくれたのがモチベーション維持に繋がった形だろう。


ファイアーエムブレム 覚醒

確か同日に発売されたのが『ファイアーエムブレム 覚醒』だった気がする。これは文句なしに面白かった。シミュレーションRPGというジャンルでも遊びやすさに満ちた丁寧な作りはやはり任天堂製を思わせ、カジュアルモードの搭載も歓迎するべき点だった。個人的に常々思うのはSRPGと携帯機の相性の良さで、戦闘が長くなりがちなゲームにおいてたたむだけでスリープモードに移行してくれる3DSの利便性は、今作をプレイしていると何よりも感じられるように思える。次も3DSで出て欲しいところだが、WiiUが先になるのかな。


カルドセプト

今まで縁がなかった『カルドセプト』シリーズを初プレイ。そもそもカードゲームをそこまで遊んだ記憶がない手前、どこまで遊べるものなのか疑問は多かった。結論を言えば、シリーズで積み重ねてきたものがあるだけに完成度は非常に高かったように思う。領地を取り合いがっぽり稼ぐというゲーム性モノポリーを彷彿とさせるが、種類の豊富なカードによる戦術は千差万別であり、ゆえにデッキを組む段階から楽しいというカードゲームの醍醐味がそこにはちゃんとあった。オンラインは猛者ばかりでほとんどプレイしなかったが、ストーリーモードだけでも十分遊べたため評価は高い。


世界樹の迷宮IV 伝承の巨神

シリーズ初プレイ。ストレートに超面白かった。久々に“超”がつくほど面白いRPGをプレイした気がする。まず二画面の特徴を最大限生かしたマッピングの機能が、ワクワクというか冒険心というかディスカバリーな精神みたいなものをこれでもかと刺激してくれてたまらなく楽しい。マッピングのUIも丁寧で柔軟性も高くストレスフリー。前衛・後衛の概念が存在する戦闘はオーソドックスではあるが、職業による役割分担が明確で戦略性も高く、何よりテンポの良さが抜きんでていて気持ちいい。そしてキャラ育成の止め時が難しくて本当に困った。困るほど熱中した。続編出るのか。出るんだろうな。嬉しいけど恐ろしいな、時間泥棒的な意味で。


ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PSP the Best スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 (通常版)

話題のシリーズをまとめてプレイ。密室空間で殺し合いという使い古されたテーマではある。だがそのオリジナリティ溢れる世界観や、裁判の緊張感の高さは他にないもので、先が気になるストーリー構成と合わせて熱中してプレイできた。ゲーム性という部分には関係ないが、お茶の間の人気者であるドラえもんの声で数々の非道な行いを執行していくのはインパクト大であり、アニメ化などメディアミックスが盛んになるのも頷ける話である。今年プレイしたアドベンチャーの中ではかなり高評価。


那由多の軌跡(通常版)

まあ散々言われていることだが、「なぜ軌跡の名を冠したのか」、これに尽きる。街やモブの作り込みや重厚なシナリオという部分だけで「軌跡」シリーズと言われても、街は一つしかないしストーリーも平凡だしでファンを納得させるには欠けている部分があまりに多い。結局シリーズのブランドに頼りたかっただけなんじゃないかと邪推してしまう。ゲーム自体はそこまで悪いわけでもない。ただ印象が悪い、残念なことに。


ブレイブリーデフォルト

古きよきRPGスクウェアとはかつてこのような作品を量産するRPGの申し子ではなかったのか。そんな懐古の念を呼び覚ます今作は、真新しさこそないものの誰もが求めたスクエニRPGとしての完成形がそこにはある。『FF5』で十分だろとか言ってはいけない。スクエニにもまだこういう作品を作る良心が残っているんだな…とむしろ全力で喜ぶべきところである。個人的な意見として、すれ違い通信を利用した要素はほとんどが蛇足に感じた。気になるならその機能を使わなければいけない話ではあるのだが、通信要素が多すぎてなんだか忙しく、もうちょっと静かにプレイさせてくれというのが思うところだった。


今年はWiiUという新ハードが発売されたが、

僕自身はまだ買うに至っていない。代わりといっては何だが、PSPの後継機であるVitaを購入した。発売から1年が経って100万台という普及率には不安を覚えないと言ったらウソになる。ただ個人的な満足度は高い。ガジェオタというわけではないのだが、そういう視点から見ても完成度の高いハードだと思うからだ。また有機ELの特徴である発色の良さはアドベンチャーとの相性が高く、アドベンチャー好きとしても手放せないハードになりつつある。


GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

SCEのファーストパーティとしての意地が感じられる作品。いわゆるオープンワールドという世界を、重力を操ることでXY軸のみならずZ軸にまで移動の範囲を増やし、圧倒的未知の浮遊体験を演出することに成功している。重力の法則性は操作の複雑さと相まって最初のとっつきにくさはそれなりに大きいが、慣れれば3D空間を文字通り縦横無尽に飛び回ることができ、その没入感は他のゲームにはないものである。SCEはソーレソレなんて謎プロモーションしている暇があったら、今作をもっとプッシュするべきなんじゃないだろうか。数少ないファーストタイトルなんだから、シリーズ化を見据える意味でも多くの人に認知してもらうべきのように思うが。


ペルソナ4 ザ・ゴールデン

移植ではある。だが侮る無かれ、その完成度はそんじゃそこらの作品では到底太刀打ちできない高みにある。画質の向上は言うに及ばず、新BGMや新コミュなど様々な追加要素、システムをより洗練させユーザーフレンドリーに徹し、携帯機でプレイするRPGとしては最高峰の出来と言うほかにない。元々の完成度が高いためクオリティ自体は保障されていたようなものだが、僕のようにPS2版未プレイの人には是非ともこのVita版を遊んでみて欲しい。ハマること間違いなしの一品。


初音ミク -Project DIVA- f

Vitaキラーソフトだったのかどうかは微妙なところだが、少なくとも話題性はあった作品だろう。一過性の流行に終わらず、それどころか何だかもの凄い高みに昇ってしまったミクさんを遠めからボケーッと眺めるだけだったが、今回はせっかくVitaを買ったということで野次馬根性甚だしくもプレイしてみた。ちなみに音ゲーも全くプレイしない人なのでいよいよただのミーハーである。プレイしてみての感想は、リズムに合わせてボタンを押させるという明解な、意地悪に言ってしまうとひどく単純なゲーム性ながら、だからこそ直観的にその面白さが伝わってくるので普通に楽しめた。ただし、個人的な問題なのだがこれでフルプライス7000円は納得がいかない。というかこの嘆きは音ゲー全般に言えてしまうのかもしれない。『P4G』と『初音ミク』のボリュームを比べた時に感じる差がその思いを強くさせたのだろうか。まあそもそも音ゲーRPGのボリュームを同列に扱っている時点であまりにも愚かなのだが。ただ同額を払っている手前色々納得がいかない。そんなムツカシイお年頃。


イース セルセタの樹海 (通常版)

イース』シリーズ最新作。『イース7』からグラフィックエンジン及びシステムが一新されたが、今作はその正統進化系である。Vitaという新ハードで発売された新作ではあるものの『イース7』の衝撃に比べると特筆すべきところは少ない。しかしより爽快感が増す調整がなされ、UIに関してもかゆいところにまで手が届くようになっており、『イース7』系統の作品として見ればこれこそ完成形と言えるのではないだろうか。唯一の欠点は音楽の使い回しが目立ったところだろう。イースサウンドには毎回期待する部分も大きいだけに、これは残念でならなかった。


そういえば今年は

多くのアドベンチャーゲームを遊んだ年でもあった。というわけで感想を書いていこうと思ったのだが、ヤバい、無計画に書いていたら年明けが近い。遊んだ据え置き機のゲームについても書けていないし、なんかもう色々ダメダメだ。自分のブログの更新頻度を表わすかのような体たらく。これらについては年明けに書くしかなさそうなので、2013年の展望と合わせて2日、3日に書いていくとしよう。

では皆さま、よいお年を。

2012-12-14

『閃の軌跡』に対する不安と期待

もうゲームの感想以外は書かないことにしていたのだが、あまりに度肝を抜くニュースだったのでちょこっとだけ思ったことを。

シリーズ最新作「英雄伝説 閃の軌跡」,PS3 / PS Vitaで2013年内発売。舞台は「空の軌跡」と同時代の“帝国”に - 4Gamer

この度、軌跡シリーズ最新作である『閃の軌跡』が発表された。最近のファルコムの傾向として、9月末にゲームを発売して年末に翌年の展望を見せるという形になっていたため、この時期に新作が発表されたこと自体に関してはそこまで驚きはなかった。軌跡シリーズ新作という点に関しても、前々から近藤社長が匂わせる発言をしていたため、ある意味想定内と言える。驚かされたのは、今までの軌跡シリーズとは一線を画すそのビジュアルだ。

碧までの軌跡シリーズのキャラクターはおおよそ3頭身で描かれ、イベントシーンなどではそれにバストアップのイラストを併用することで臨場感を演出していた。一昔前の、それこそSFCPS辺りのゲームを彷彿とさせるビジュアルは古臭さも感じさせたが、昨今のゲームで陥りがちな開発者の独りよがりなシナリオや演出(これはグラフィックの進化によるゲームの映画化が原因だと思う)などがなく、またやり込み要素に始まるボリュームアップが図られているなど多くの恩恵がもたらされていたため、これはこれで貴重な存在だった。

それが今回の『閃の軌跡』では大幅なグラフィックの強化が行われ、キャラクターも6頭身ほどで描かれている。もはや別ゲーだ。仮にこの作品から始めた人は、まさか前作がSDキャラ頭身とは微塵も思わないだろう。

さて、これを見た時、僕は果たしてこの進化を純粋に喜んでいいのかどうか迷ってしまった。無論ハードの進化はグラフィックの進化でもあり、HDゲームが主流な昨今において未だに、それも『空の軌跡FC』からカウントすれば5作にも渡って全く同じ映像表現でゲームが作られていたというのは、かなり時代遅れなことだったのかもしれない。軌跡シリーズの物語進行が冗長すぎると言われる所以でもあり、ファンでさえこのシリーズはいつ完結するのだろうかと一抹の不安を覚えずにはいられなかったのも事実である。しかし、その手慣れた手法だったからこそ一定以上のクオリティが保たれていたのも想像に難くなく、そこからオーバーテクノロジーという言葉もやぶさかではないほどの進化を遂げた『閃の軌跡』に対して、今までのような奥深いゲームになっているのだろうかと懸念してしまうのは、シリーズのファンほどどこかで思ってしまうことなんじゃなかろうか。

ここでいう「奥深い」とは、シナリオ・世界観・戦闘システムなど含めた包括的な意味合いだが、中でも軌跡シリーズの代名詞ともいえる「モブの作り込み」には、僕を含めた多くのファンは期待していることと思う。もっと言えば彼らに生活感を感じることはできるのか。その世界は生きているのか。ファルコム自身が一番分かっていることとは思うが、こういった作り込みの犠牲の上でグラフィックが進化しているとなれば、そんな頑張りはノーサンキューである。

まあ色々好き勝手言ってしまったが、ファルコムという会社は熱烈なファンが多いことでも有名であり、またそのファンに応えるゲームを作ってくれるのがまたファルコムである。僕も色々言いつつ、心の中ではこのグラフィックで軌跡シリーズの新作が発売されるということに得も言えぬ興奮覚えているという、生粋のファンの一人だ。願わくば、僕の小言が杞憂となるような新次元の軌跡シリーズを見せて欲しい。続報に期待しよう。

2012-11-11

ペルソナ4 ザ・ゴールデン

最近RPGがクリアできなくて困っている。元々飽き性なことに加えて、歳を食ってからというものプレイ間隔がちょっと空いただけで進捗状況を忘れてしまい、そのまま放置という事態が後を絶たない。ゲーム側にというよりは自分自身の問題であるように思えるが、だとするとこれは余計に根深いものなんじゃないかと目下のところ悩まされている。

しかし、そんな状況に一筋の光明が差してきた。それは、携帯ゲーム機日進月歩の進化だ。DSPSPの登場も十分に衝撃は大きかったが、今世代機である3DSPSVitaは個人的に一つのターニングポイントと言っていい。

据え置き機の進化が技術の最先端を行くのに対して、携帯機はいわば技術の後追いだ。映像処理云々ではなく、一世代前の据え置き機の技術をコンパクトにまとめ、どこにでも持ち運べるようしたことに最大の意義がある。実際PSPの売り文句として、「PS2のゲームを持ち運ぼう!」みたいなやつがあったように記憶している(実際PS2クオリティーには届いていなかったが)。

そんな風潮の元進化を続ける携帯ゲーム機が、今世代である種の完成形を僕に見せつけた。3DSPSPを超える映像表現に3Dという独自要素を持たせ、PSVitaはタッチスクリーンや右スティックの追加で据え置き機に勝る操作性を実現した。今、まさにPSPの売り文句だった「PS2のゲームを持ち運ぼう!」が実現された形である。

凄い、とんでもない進化だ。ゲームボーイ時代から考えると、今世代の携帯ゲーム機ドラえもんの秘密道具か何かなんじゃないかと思わせるほどの、ビジュアル的にもスペック的にも大幅に成長した「近未来」仕様と言える。しかし、それは僕の据え置き機への情熱も同時に冷めさせてしまったことに気付かされた。正直ここまで来ると携帯ゲーム機だけで十分楽しめるんじゃないか。PS2クラス以上の表現力に場所を選ばない利便性が加わったら据え置き機なんていらないんじゃないか。そんな思いが渦巻く中、今回『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』(通称「P4G」)をプレイすることで、皮肉にも僕はその思いをより強くすることとなる。

※書いている人はペルソナシリーズ初プレイです。『P4G』の感想というよりは、『ペルソナ4』自体の感想+PSVitaで遊べる意義みたいな構成になっています。


ペルソナ4』というゲームの最大の魅力を考えてみると、

稲羽市という生きた街で、誰もが憧れる青春に満ちた高校生活を送れることにあるんじゃないかと僕は思う。それを強く感じさせたのが、高校生活の中心となる日常パートの自由度の高さ、そしてそのゲーム内における重要性だ。

今作は一般的なRPG作品の多分に漏れず、戦闘を繰り返すことでレベルを上げていき、立ちはだかるボスを倒して物語を進めていく。また今作をペルソナシリーズたらしめる要素として、「ペルソナ育成」は特徴的なシステムの一つだ。ただ何よりも特徴的なのは、シミュレーション・アドベンチャー要素の強い日常パートがゲーム全体の半分以上を占めるところだろう。

プレイヤーは、この稲羽という街で文字通り高校生として生きることとなる。日々学校に通い、授業を受けて、飯を食べ、放課後は遊び、テスト前は勉強に力を入れ、たまには部活に顔を出す。それはまさに日本の高校生が送る「平凡」な毎日だ。平凡は退屈という意味合いも秘めているが、同時に平凡だからこそ誰にも共通する記憶であり、思い出である。そして、今作ではその価値ある平凡な高校生活をロールプレイできることに最大の意義がある。

僕が(本当に今更ではあるのだけれど)感心したのは、この日常パートが戦闘パートにも影響して相互作用を起こし、キチンと意味を持たせている点だ。日常パートでやれることは多岐に渡るが、その中の一つに知人との仲を深めるという要素がある。今作ではこれを「コミュニティ」と呼び、仲良くしていくことをシステム的に「コミュ強化」と呼称している。このコミュニティを強化することで何が起こるのかというと、ここからが戦闘パートに影響を及ぼす点なのだが、ペルソナ育成や仲間との連携において様々なアドバンテージを生み出してくれるのだ。プレイしていると分かるが、割とこのコミュ強化によるボーナスがゲームを進める上で重要なことに気付かされる。そして、プレイヤーはダンジョンに潜る前にコミュニティの強化に努めたいと自然に思うようになる。

このバランスは見事だ。日常パートがただの飾りではなく、ゲームの基盤としてちゃんと機能している。そしてこのコミュニティもよく作られていて、主要キャラからサブキャラに至るまでそれぞれのサイドストーリーが用意されているのは、これ以上ないほどにプレイヤーのモチベーションを刺激してくれる。

「高校生活を送る」という観点からも、このコミュニティの要素は切っても切り離せない。主要キャラは元より、部活や街で出会った人々との付き合いを通して、彼らの悩みに触れ仲を育んでいくのは確かなリアリティがあり、様々な人との繋がりで成り立っている充実した高校生活であることを後押しする。また同世代の女性キャラとは最終的に恋仲になることも可能で、専用のクリスマス・バレンタインデーイベントが用意されていることには感動した。仕様上何人とも同時に付き合えるというのは何ともゲームらしいが、それも自由度の高さと言えるし何より笑えるので普通にアリだ。


先ほど「生きた街」という表現を使ったが、

これは嘘でも誇張でもなく、この稲羽という街が本当に実在するのではないかと感じるほどのリアリティがそこにはある。

今作では、ゲーム的な言い方をすればこの稲羽市が拠点となり、他に街と呼ばれるものは存在しない。始まりから終わりまで、稲羽市という片田舎で物語は展開される。故にプレイヤーの活動範囲は限定されるわけだが、その分街で出来ることは多く、また街自体もよく作り込まれていて、暮らす人々にもそれぞれの生活感がある。分かりやすい例として、『英雄伝説 零の軌跡』が挙げられるだろうか。拠点以外にも複数街が存在するなど多少の違いはあれども、中心となるロケーションの作り込みという観点では同種の職人魂が感じられた。

やれることは多岐に渡ると書いたが、具体的にどんなものがあるか挙げてみよう。「高校生の放課後の過ごし方」という切り口から見ると、まずは部活が挙げられる。今作では運動部にも文化系の部にも入ることが可能だ。そこでの出会いはまた大きな財産となるだろう。そういえば僕は帰宅部だったが、そんな寂しいヤツにも応えてくれるのが今作の魅力の一つだ。部活じゃなければ、街に出向いて映画を見るのもいい。図書館で引きこもるように勉強するのもアリだ。腹が減っているなら地元密着型の中華料理店に足を運ぶのも選択肢の一つだろう。

その街は、そしてそこで暮らす人々は確かに「生きて」いるのだ。時間の経過と共に彼らのセリフは逐一変更され、中にはプレイヤーの行動等が影響して発言が変わる者もいる。彼らは彼らなりの悩みを持っていたりして、そこにプレイヤーが介入することはなくとも、物語が進むことで何かしらの展開がある。プレイすることで、成長しているのは主人公たちだけじゃないと気付かされるのだ。『零の軌跡』と同様に、この『ペルソナ4』という作品でも、「モブに話しかけることの楽しさ」が実現されているように思えた。


さて、それでは次に日常パートから離れて

戦闘パートについて軽く見てみるとしよう。今作が特徴的なのは、やはりタイトルにもある「ペルソナ」システムだ。

このペルソナという言葉には、ラテン語で「人」や「仮面」という意味があるらしい。シリーズではこれを心の奥底にある「もう一人の自分」と解釈し、それを操ることで戦っていく。ストーリー的位置付けでは似て非なるものだが、ゲームシステム的にはかみ砕いて言えば『ポケモン』に似ている(もっと正確に言えば『テリワン』だったりするのだろうが、ここは便宜上『ポケモン』で通す。まあそれらのタイトルも元を辿ればこの『ペルソナ』や『女神転生』に行き着くのだろうけど…)。

少し脱線するが、僕は『ポケモン』が苦手だったりする。世代的に初代は小学生中盤くらいだからドストライクで、実際金・銀までは楽しんでいた。だが大人になり、ポケモンには途方もないやり込み要素である「努力値個体値」があることを知った。そして、変に完璧主義(でも結局どこかで妥協する言わばエセ完璧主義)な僕にはこの仕様はあまりに酷だった。そんなことは気にせず普通にゲームを楽しめばいいということを理屈では理解しながらも、身体が追いつかないでいる。なぜなら見過ごせるほどの器用さもなかったから。『ポケモン』からひっそりと距離を置いた瞬間だった。

そんな僕ではあるが、似たシステムを持つ今作をプレイしてもアレルギーを発症することはなかった。無論、今作は『ポケモン』とは違って対戦プレイなども想定されておらず、そもそもゲームデザインが全く違う。比べることが間違っているのだが、ここではそれを問題としない。似たシステムをもちながらも、拒否反応を起こすことのなかったという懐の広さが重要なのだ。

プレイしていて気付いたが、思いのほか適当にペルソナ育成を繰り返してもどことなく強くなっていくことができ、物語も問題なく進めることができる。ペルソナの数もポケモンほど多いわけでもなく、かと言って選択肢が限定されるほど少ないというわけでもない絶妙さだ。またスキルの種類に関しても同様のことが言え、僕のような物臭初心者にも優しいシステムのように感じられた。最後までプレイできたのは、こういったシステムの柔軟性によるところも大きい。やり込みの限界がある程度のラインで見えるというのは、今の僕にとってとても助かることみたいだ。


これほどの完成度を誇るゲームを

特に場所も選ぶことなく、据え置き機と遜色のない操作性でプレイできるというのは、改めて凄い時代になったものだと痛感する。それもPSVitaというハードは有機ELの恩恵もあり、小さい画面というデメリットを吹き飛ばす臨場感を演出することに成功している。特にそれが感じられるのはイラストなどの一枚絵やアニメーション。発色が良いから液晶の見え方とは一線を画し、アドベンチャーや今作のような立ち絵が用意されている作品とは特に相性がいい。これだけでも、PSVitaで普及の名作が移植されることに意義が感じられる。

また、プレイ時間を電車などの移動中にも取れることが大きな魅力だ。正直言って、僕にとって今作はちょっとボリュームあり過ぎだった。感覚的にはマックビッグマック三個たいらげたくらいの満腹感。実際クリアしてからのプレイ時間を見たら90時間を超えていて、最近の散々なプレイ状況を鑑みても、よくもまあクリアできたなと自分自身に感心してしまったほどだ。それはもちろんこの『ペルソナ4』というゲームがとてもよく出来ていることが最大の理由なんだけれど、やはり「携帯ゲーム機でプレイすることができた」ということも忘れてはならない要因だろう。それほどまでに、今作は携帯ゲーム機でプレイするRPGとしてはボリューミーであり、またそれに見合う価値が詰まっていると僕は思う。

ただ、最初に書いた通りこれはとても危険だ。あくまで個人的な話ではあるが、携帯機でプレイするものとしては満足度が高すぎるだけに、据え置き機でプレイしようという気が起きなくなってしまっている。携帯機の進化は据え置き機とのボーダーレス化を生む…などと大げさなことを言うつもりはないが、少なくとも僕の中ではそんな感じになりつつあるのかもしれない。これは良いことなのか、果たして…。


総評

ペルソナ4』とは本当に良くできた作品だ。シナリオや戦闘システムは言わずもがな、何より目を引くのは舞台となる稲羽市の圧倒的なリアリティ、そしてそこで送る青春に満ちた高校生活の楽しさだ。僕のような高校生活に若干の後悔を残している人にとっては、より理想とする暮らしがそこにあるだろう。勉強しまくってナンバーワンを目指すこともできるし、友達と殴り合って親友になることもできる。はたまた彼女を作りまくって女遊びに興じることも可能だ(これが理想なのかは別として…)。

また高校生という多感な世代は、人間的に大きな成長が見られる時期でもある。作中では一年間という時期が設定されており、その上で実際のプレイ時間は100時間に満たないほどではあるが、プレイすることで主要キャラの一年を通した成長が確かに感じられる。それは物語の構成の妙が光っていたのもあるし、充実のサブイベントでその一年により説得力を持たせていたことにも起因するだろう。とにかく開発陣の妥協を許さない作り込みが光っており、改めて今作全体を俯瞰してみても、その圧倒的な完成度にただただ驚かされるばかりだ。

そんな作品を最先端の携帯ゲーム機でプレイできるというのは、これはもう反則だ。移植だろうとなんだろうと、未プレイの者にとってはありがたいことこの上ない話である。3DSでもアリっちゃアリだが、『ペルソナ』というシリーズの相性を考えた時、PSVitaという選択は正解だったように思える。転じて『女神転生』の新作は3DSで開発されていたりと、アトラスにも色々思惑はあるみたいだが、それはまた別の話。

兎にも角にも、世間的にはあまりにも今更ではあるがペルソナシリーズを『P4G』で初プレイしてみた。そして、発売タイトルが極端に少ないPSVitaにおいて、移植である今作が最初のキラータイトルと言われた所以を改めて理解した。クリア後だからこそ断言できる。これは今年最高の移植作品だ。


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ペルソナ4 ザ・ゴールデン

ペルソナ4 ザ・ゴールデン