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2016-05-21 C++11/14でrange based forで指定回数Loopする

C++11/14でrange based forで指定回数Loopする

for (int i = 0; i < 10; i++) { ... }

って何度も書くのがだるいので、range based forを使って楽にしたい。要するに、

for (auto i : 10_) { ... }

で10回ループできるようにしたいね、という話。他の変数の回数分ループするなら

int x = 3;
for (auto i : Loop(x)) { ... }

などとする。


なお、ループ変数を途中で書き換えたいという不届きな向きには

for (auto& i : 10_) { ...; i += 2; }

などとすれば良い。auto&&でも良い。


なおあまり複雑なオブジェクトをrangeに渡してしまうと最適化が効きにくくなるという弊害が出てしまうので、最初の表現とほぼ等価に展開されるようなものを渡したい。どうやって実現するかというと、range based for

for ( range_declaration : range_expression ) loop_statement

において、range_expression が begin(), end()メソッドを持つ場合は

{
  auto && __range = range_expression;
  for (auto __begin = range_expression.begin(), __end = range_expression.end(); __begin != __end; ++__begin) {
    range_declaration = *__begin;
    loop_statement
  }
}

等価ということになっている。まずカウンタが取れるように、operator*がループ変数の参照を返すようにすれば良いだろう。終了判定は __begin != __end の部分なので、operator!=を適当に書き換えてやればよさそうである。あとoperator++(&)でインクリメント。


というわけでこんな感じになった。Apple clang-703.0.31(-std=c++14)とg++5.1(-std=c++14)で確認。

clangの方で確認した限り、一応STLを使ったりしても、-O2あたりの結果をディスアセンブルしてみると普通にfor loopを書いた時と同等の最適化がされるようである(もっと複雑な場合だと変わってくるのかもしれないが未確認)。


http://ideone.com/n9zYGV

template <typename T>
class LoopTemplate {
	T max, cnt;
public:
	LoopTemplate(T max) : max(max), cnt(0) {}
	LoopTemplate(T min, T max) : max(max), cnt(min) {}
	LoopTemplate& begin() {
		return *this;
	}
	LoopTemplate& operator++() {
		cnt++;
		return *this;
	}
	T& operator*() {
		return cnt;
	}
	bool operator!=(LoopTemplate&) {
		return cnt < max;
	}
	LoopTemplate& end() {
		return *this;
	}
};
typedef LoopTemplate<long> Loop;
LoopTemplate<unsigned long long> operator "" _(unsigned long long n)
{
	return LoopTemplate<unsigned long long>(n);
}


/* Exapmle usage */
#include <iostream>

void f(unsigned long long i)
{
	std::cout << i << std::endl;
}

int main()
{
	for (auto i : 10_) {
		f(i);
	}

	int x  = 3;
	for (auto&& i : Loop(x)) {
		f(i);
	}

	return 0;
}

2016-05-08 zshでネットワーク経由のファイル転送

zshでネットワーク経由のファイル転送

zsh(とtar)を使ってネットワーク経由のファイル転送を効率的に行う方法についてです。

ARMボード(RaspberryPiとかPCduino等)を使っていると、scpなどでホスト間で大きなファイル転送をする際に、CPUネックになりがち。rsyncやscpするときに暗号をarcfour等にする*1ことでCPU使用率を低減する方法もありますが、そもそもLAN内等で暗号化しなくても良い場合もあります。こういうとき、単一ファイルであれば、

受信側(host1): nc -l 12345 >file
送信側(host2): nc host1 12345 <file

ncを使えばOK。(ポートファイアウォールで塞がれていないことが前提ですが。)


複数ファイルだと

受信側(host1): nc -l 12345 | tar vxf -
送信側(host2): tar vcf - files/* | nc host1 12345

のように転送する方法がありますが、これだとパイプ経由でのデータコピーのためにncによってCPU使用率が上がってしまい、単発の場合と比べて性能が悪くなってしまいます。


bashであれば、送信側についてはncを経由せずに、

tar vcf - files >/dev/tcp/host1/12345

とすることで直接TCPソケットに書き出せます。が、受信側は知る限りこういった方法がありません。


zshであれば、標準でついてくるnet/tcpモジュールを使って、送受信側とも直接TCPソケットに読み書きさせることができます。

ただ、net/tcp提供する各コマンドシェルスクリプトTCPサーバを書くことを念頭に作られているようで、今回の目的にはローレベルのztcpコマンドを操作しないといけないようです。手動では若干面倒なので、.zshrc内にあらかじめ以下の関数を作っておきます。

function file_recv {
        if [ $# = 0 ]; then
                echo file_recv listen_port
                return
        fi
        (
        autoload -U tcp_open; tcp_open >/dev/null 2>/dev/null # define ztcp
        ztcp -l "$1"
        fd_listen=$REPLY
        echo "Waiting on port $1 (fd $fd_listen) ..."
        ztcp -a $fd_listen || echo failed.
        fd_accept=$REPLY
        echo "Connected. (fd $fd_accept)"
        tar vxf - <&$fd_accept
        ztcp -c $fd_listen
        ztcp -c $fd_accept
        )
}
function file_send {
        if [ $# -lt 3 ]; then
                echo file_send host port files ...
                return
        fi
        (
        autoload -U tcp_open; tcp_open >/dev/null 2>/dev/null # define ztcp
        ztcp "$1" "$2"
        shift 2
        tar vcf - "$@" >&$REPLY
        ztcp -c $REPLY
        )
}

あとは、

受信側(host1): file_recv 12345
送信側(host2): file_send host1 12345 files/*

とすればOKです。送信側は上記bashを使ってもOKです、その方が事前に準備要らないですからね。*2


しかしなんというか、ここまでするなら、tarも使わずsendfile(2)とかsplice(2)等を使ってユーザ空間でのコピーも避けられるようなさらに効率的な転送コマンドを用意する方がいい気がしてきた。


あと、tar vcf - ... の部分に任意のコマンドを指定できるようにした方が利用シーンが広がって有用かもしれない(効率のいいncとして使う)。

*1:参考: http://d.hatena.ne.jp/rx7/20101025/p1

*2:どちらから接続するかを入れ替えれば、"受信側は上記関数の準備不要"とするということもできるはず。

2016-05-06 近接センサでRaspberryPi LCDのバックライトを点灯

近接センサでRaspberryPi LCDのバックライトを点灯

Raspberry Pi 2に7インチタッチディスプレイをつけて、パッと見たい情報天気予報とか時計とかバス時刻表とか)を表示するのに使っているのですが、常時つけっぱなしになっているのが気になっていました。周囲に人がいるときだけオンになったらいいなと思い、近接センサで一定範囲内(だいたい1.5m以内)に反応があった場合にバックライト点灯→しばらく反応がないと消灯するようにしました。

D

バックライト制御コマンド

発売当初はバックライトON/OFFが制御できませんでしたが、最近のカーネルなら/sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power に0/1をwriteすることで ON/OFFができるようになっています(輝度変更は効きませんが)。また、XのDPMS (Energy Star)とも連動してON/OFFされます。今回は一定時間で消灯したいのと、タッチしたらONになって欲しいので、DPMSを使います。

Xが起動している状態で、

$ xset dpms force on
$ xset dpms force off

バックライトのON/OFFが可能です。また、

$ xset dpms 120 120 120

とすると120秒間操作しないと自動でOFFになります。現在の状態確認はxset qを使います。

$ xset q
...
DPMS (Energy Star):
  Standby: 120    Suspend: 120    Off: 120
  DPMS is Enabled
  Monitor is Off

近接センサの接続

近接時の検出は以下の測距センサを使いました。距離に応じた電圧アナログ出力されるものです。

シャープ測距モジュール GP2Y0A02YK: センサ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販

Raspberry Piには直接アナログ入力することができないため、一旦Arduino Pro Miniを通して一定距離内に入った時にデジタル信号を出力するようにしています。動画のRasPiの後ろで近接時にLEDが点灯しているのがArduino Pro Miniです。(別にデジタル変換はArduinoである必要は全くなく、ただのコンパレータでいいのですが、手持ちがなかったので。。)

f:id:NeoCat:20160507052313p:image


上記のように接続してGPIOの17を読めば、近接検出ができます。GPIOへのアクセス

# echo 17 > /sys/class/gpio/export

を実行しておき、

# cat /sys/class/gpio/gpio17/value

のようにすれば0または1として値を読み出すことができます。

近接センサでバックライト制御

以下のスクリプトでGPIOを定期的に監視し、近接時にxsetでバックライトの点灯させます。なお、点灯中にforce onしても無操作タイマー更新されず、すぐに自動消灯してしまったりするので、近接中は定期的に時間を再設定することでタイマーリスタートしておきます。

#!/usr/bin/perl
use Time::HiRes "sleep";
open my $in, "/sys/class/gpio/gpio17/value";
while (true) {
    seek $in, 0, 0;
    my $val = <$in>;
    if ($val == 1) {
        `xset dpms force on`;
        `xset dpms 120 120 120`;
        print "ON\n";
        sleep 60;
    } else {
        sleep 0.1;
    }
}

2016-01-17 スマートメーターの瞬時電力や履歴をWebブラウザで見る

スマートメーターの瞬時電力や履歴をWebブラウザで見る

前の記事の続き。

スマートメーターからリアルタイムに消費電力を取得する - Okiraku Programming


前回の記事ではArduinoで電力を取れるようにしたわけですが、ログを取って統計処理したり、Webリアルタイムに見れるようにしようとすると、やっぱりLinuxの方が便利なので、Linuxマシン(今回はPCduino3を使いましたが、RaspberryPiでも全く同様にできるはず)に移植しました。


前回の記事スケッチ移植・改造した電力取得・ログ記録プログラム(C++) → WebSocketサーバ(Node.js) → ブラウザ上で動的にグラフ描画(Highcharts) という構成です。こんな感じのメーターがリアルタイム(5秒ごとくらい)にピコピコ動きます。

f:id:NeoCat:20160117175159p:image

履歴も秒オーダー/分オーダー/時〜日オーダーで変化が見れたりします。

f:id:NeoCat:20160117175158p:image:w480


PCduino3に接続

接続は、電源(3.3V, GND)とUART(これも3.3Vレベル)ピンの計4本をBP35A1に繋ぎます。誤って5Vに繋ぐとBP35A1が壊れると思われますので注意。

f:id:NeoCat:20160117181701j:image:w360

ソース

https://gist.github.com/NeoCat/73f8ed86db468dd005a2

実行

## smart_meter.cpp内にID、パスワードを設定
% g++ -Os smart_meter.cpp -o smart_meter -pthread
## ttyS1(シリアル)を有効化
% sudo sh -c 'echo 3 > /sys/devices/virtual/misc/gpio/mode/gpio0'
% sudo sh -c 'echo 3 > /sys/devices/virtual/misc/gpio/mode/gpio1'
% ./smart_meter &
## https://nodejs.org/en/download/ から node.js 4.2.4 ARMv7 バイナリをダウンロードして/usr/local/以下にインストール。
% npm install websocket.io
% node power_ws.js &

あとはpower.htmlIPアドレス指定して、Webブラウザで開けばOKです。

2016-01-10 Arduinoでスマートメーターからリアルタイムに消費電力を取得する

スマートメーターからリアルタイムに消費電力を取得する

少し前からスマートメーターの導入が始まっています。東電2020年度末までに一般家庭などへの導入を完了させるそう。

http://www.tepco.co.jp/smartmeter/index-j.html


東電の場合、電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)を申し込むと、優先的にスマートメーターに交換してくれます。特に費用はかかりません。スマートメーターが設置されるとでんき家計簿から30分毎の電力使用状況グラフ(0.1kWh単位)を見ることができるようになりますが、加えて上記サービスに申し込むと、スマートメーター家庭内HEMS機器との間(これをBルートと言います)で通信を行うことが可能になり、リアルタイムで詳細な電力使用状況(瞬時電力値(W)、瞬時電流値(A)など)が取得できるようになります。


利用にあたってHEMS機器サービスの導入に費用がかかるのがネックですが、HEMSに使われている無線通信方式(Wi-SUN)やプロトコル(ECHONET Lite)はオープンな規格であり対応する通信モジュール一般販売されているため、自作の機器でもBルート通信を行って電力使用状況の取得ができるはずです。


というわけで瞬時電力値の取得に挑戦してみました。


作ったのは、7セグリアルタイムに瞬時電力(W)が表示されるというもの。シリアルPCからも値を読み取れます。

f:id:NeoCat:20160110145512j:image:w450


まずはBルートサービスに申し込み

自宅の場合、スマートメーターへの交換は申し込んで1週間ほど(週末を指定したので)でやってくれました。要立会い、作業は15分くらい、そのうち5分くらい停電しました。交換後、翌々週くらいにBルート接続用のIDパスワードが送られてきました。トータル3週間ほど。


使用した機器

その間にWi-SUN関係の通信機器をこちらなどで購入しました。→ https://www.zaikostore.com/zaikostore/itstoreWireless?cid=3#c2


 (DT101EACV101の方が簡単に使えますが、購入できない場合は BP35A7A でもOKと思います。)


BP35A1は電圧が3.3Vで、5Vには対応していませんので、USBシリアルArduinoも3.3Vに合わせる必要があります(または適切に分圧やレベル変換が必要です)。


シリアル対応7セグは手持ちの古い版なので、真似する場合は適当に別のものに置き換えた方がいいでしょう。(その場合、下記のスケッチの dig というキーワードが出てくる部分の書き換えも必要でしょう。)


なおPCで使う場合は、WSR35A1-00 というUSBシリアルとBP35A1を一体化したUSBデバイスも売られているので、これが一番簡単でしょう。


Wi-SUN通信モジュールBP35A1のデータシート等は以下にあります。

http://micro.rohm.com/jp/download_support/wi-sun/


追記

Arduinoではなく、RaspberryPiなどのLinuxボードを使う場合はこちらの記事もみてください。

スマートメーターの瞬時電力や履歴をWebブラウザで見る - Okiraku Programming

事前準備

BP35A1はDT101EACV101を噛ませ、さらに XBeeの載る「C基板」上に乗せました。

C基盤にはArduino Pro MiniUSBシリアル接続と同配置になるようピンヘッダに配線し、PCと簡単につなげるようになっています。

f:id:NeoCat:20151220172503j:image:w300


BP35A1とArduinoは直接シリアル通信で利用できます。ただ、Arduino Pro Miniは一系統しかハードウェアシリアル(UART)を持っていないので、ここにBP35A1を繋いでしまうとPCシリアル通信ができなくなり、デバッグ等が困難になってしまいます。そこで、BP35A1はArduinoソフトウェアシリアルを使って接続することにします。*1

ソフトウェアシリアル欠点として、半二重なので送信と受信が同時にできない、通信速度が高速だと不安定になりやすいという問題があります。BP35A1のデフォルト設定は115200bpsなのですが、3.3V/8MHzのArduinoでは文字が化けたりして正常に動作しませんでした。そこで,事前に通信速度の設定を9600bpsにし、さらに文字間にウェイト400μsを入れるように変更しておきます。


これは、BP35A1をPCUSBシリアルの3.3V, GND, TX<->RXの4本で接続して、ターミナルソフトを115200bps設定で起動します。

Arduino IDEシリアルモニターでも改行コードCRにすれば通信できますので、これが手っ取り早いでしょう。

WUART 43

というコマンドを実行すればシリアル設定はOKです。一度設定すると内蔵のフラッシュに保存され、電源を再投入すると以後は9600bpsでの通信になります。


PCに直接繋いで利用する場合はこのシリアル設定は不要です。また、設定変更後にデフォルトの設定に戻したい時は WUART 00 を実行すればOKです。

配線

こんな感じでブレッドボード上に配線しました。

スケッチ

ArduinoスケッチGist上に置いてあります。

https://gist.github.com/NeoCat/72390f357d3ee2ce339d

Bルート用のIDパスワードスケッチの先頭のID, PASSWORDに設定し、Arduino書き込みます。

//#define DEBUG

と書かれた部分のコメントアウトを外すと、詳細な通信状況がシリアルに出力されるようになります。


概ね以下の処理を行っています。


ちなみに自宅のスマートメーターは最初なぜか異常状態になっており、セッション確立は出来るものの、EPC 0x88 = 0x41 (異常あり)を返し、かつ瞬時電力や累積電力なども取得しようとすると"非対応"のエラーを返してきていました。電力会社スマートメーター推進室ということろに問い合わせてEPC等の状態を伝えたところ、遠隔でスマートメーター通信機能のログ確認やリブートを行ってくれ、その結果無事に瞬時電力等が取れるようになりました。言ってみるものですね。


参考資料

スケッチ

*1Arduino LeonardoであればUSB用とハードウェアシリアルが分かれているので簡単だったかも。