売買回数

 今日から何回かにわけて、今までのバックテストから重要だと思うこと、疑問点などを自分なりにまとめてみたいと思います。
 今日は「売買回数」についてです。
 
 この「売買回数」、実はとても重要だと、バックテストを通じて思いはじめました。当ブログのバックテストでいう「売買回数」とは、単純に、「考えられた戦略に対して、参入サインが何度出るか」の回数です。
 簡単にまとめると、売買回数は次の点に関して、影響があるように思います。
 1.投資資金との関係(実現可能な回数なのか?)
 2.トレードスパンとの関係(短期的なのに回数が少ないケース。または長期的なのに回数が多いケース等。)
 3.トレードシステムの結果に関する信憑性(売買回数=検証データ が多いほど検証結果は信憑性が増すという理屈)
 4.総利益額、総損失額
 特に1.と2.に関しては、相互に要素が依存しあい、場合によっては大きな問題となります。また、そこからの二次的な要素として3.と4.の点が当然のように出てきます。

 例えば、初期資金が500万円として検証した結果、売買回数が年間4000回、保持日数が平均12日となったとします。このケースでは、年間で取引可能日数を約250日とした場合、単純に1日あたり約16回の売買サインが出たことになります(4000÷250=16)。
 しかし、初期資金が500万円であることを考えると、16回全てのサインに投資するには非常に無理があり、また保持日数が平均12日となると、理論上同時に192銘柄を保有する可能性も出てきます(12日目にも16回のサイン全てに参入した場合)。つまり初期資金500万円では、仮にバックテストでいくらいい成績が出たとしても、実現不可能ということになります。
 もし仮に、このケースでトレードを行うのであれば、なんらかの自己裁量的(感覚的に投資先を絞り込む等)なフィルターを用いて、無理やり投資機会を減らし(有望かもしれないサインをも捨て)、トレードするしかありません。しかしそうなると、テスト結果と同じパフォーマンスが出る保証(そもそも保証などないとは思うのですが・・・)はありません。
 また、結果的に実現不可能な売買回数では、総利益額、総損失額の数字はあまり意味がなくなります。
 つまり、売買回数が現実的でない=検証結果と現実の結果との乖離 が起こりやすくなり、結果的にバックテストの意味が薄くなるということになるのではないかと考えています。

 また一方で、バックテストで非常にいい成績が出たケースで、かつ実現可能な売買回数となった場合であれば、むしろ(実現可能な範囲という前提で)売買回数が多い方が利益が多く出るということになります。

 そういうわけで、当ブログもこの点を考慮して、今後は売買回数、平均保持日数から、最大保有銘柄数(理論値)を評価項目に加えることも検討しています(あくまでも検討中ということで・・・)。
 どこまで効果的な評価項目となるかわかりませんが、少なくともこの最大保有銘柄数から、実践的かどうかの目安はつくように思います。
 でも、現実的には実現不可能な数値になることの方が多いかも・・・・・

 あまり重要性を語られることのない売買回数ですが、評価項目として、実は隠れた実力派なのかもしれません。