2007-03-09 どう考えても大きなお世話
■川内氏と森進一氏の「おふくろさん」騒動でJASRACがコメント

作詞家の川内氏が、森進一に歌わせるなとJASRACにねじ込んだ結果、マスコミの取材攻勢に対してJASRACがコメント、ということなのだけど。
えーと、どこから話そうかな。
まずこれまで僕が取材した限り、こういう著作権関係のもめ事に関してJASRACが仲裁に入るということはない。この人達は基本的に集金する能力しかないので、こういった訴訟ごとに関しては当事者間で解決してねー、というスタンスである。JASRACは、著作者の代わりに著作権を守ってはくれない。ただ、集金するだけの機関なのである。
だからそこに対して著作者の川内氏が特定の使用者に対して使わせるなとねじ込むこと自体に無理があるのだが、この方は政治方面にも相当明るいらしいので、それを知らずにやったとは思えない。たぶん事を大きくするために、知っててやったのではないかと思う。
そういうことならば、この期に騒がなければ勿体ないわけで。
例えば誰かに特定の歌を歌わせないというのは、ものすごい強制力である。ほとんど人権侵害と言ってもいい。これだけ強力な行為禁止命令が出せるのは、裁判所でも無理である。有罪判決で逮捕・拘留されても、歌を歌うなと強制することはできないだろう。
JASRACが持ち出した同一性保持権の侵害だが、確かに観察的に見ればそうかもしれない。だがJASRACが言うことではない。なぜならばJASRACが管理を委託されているのは、著作権のうち財産権に関することだけで、同一性保持権は管理委託ができない人格権に含まれるからである。はっきり言って、「オマエら関係ないじゃん」なのである。
だが彼らは、改変されたバージョンについての使用許可は出せないとしている。それならばまず同一性保持権の侵害で裁判して、侵害が認められてから使用許可を停止すべきだ。財産権の侵害ならともかく、人格権の侵害に関して疑わしくは出さないなどという判断をJASRACにする権利があるのか、これはきっちり問わなければならない。
さて、それはそれとして。
みんなはこの台詞ありの「おふくろさん」を聴いたことがあるだろうか。まあその辺はいろいろ探して貰えば見つかることと思うが、改めて聴いてみるとこれ、台詞とはいわないんじゃないか? 前奏の前に別の曲が付いた格好で、ちゃんとメロディになってる。つまり、元々の歌のイントロのさらにその前に、別の歌がくっついている格好なのである。
で、テロップも正規の「おふくろさん」の前奏が流れた後に、曲名・作詞・作曲者名が出ている。つまり演出としては、分離できる状態にあるのだ。
これは同一性保持権の侵害を問うのは、難しいのではないか。例えばメドレーなどを作ったら、同一性保持権の侵害で訴えられるか、という問題に近いような気がする。すなわち、舞台演出の一つとしてのアレンジであるということに落とし込めるのではないかと。
もちろん、カラオケなどで「おふくろさん」と入力したら、このバース部分から始まっちゃうのは問題だと思うけど、舞台やテレビ出演のほうは、判断が難しいよなぁ。





