「情報フロンティア研究会報告書(案)」を読む
はじめに
徳保隆夫さんへ。研究会の文章とトラックバックありがとうございました。拝読させてもらいましたので、△印を○印に変更してもらえれば幸いです。
改めて、http://d.hatena.ne.jp/Noki_Suukake/20050615#1118834002の研究会に関する文章を読み返してみた。
決して、教育的な意見ばかり言っていたわけではないのである。中心は商業的な意見だった。この辺はまず俺も金が儲かるから良いし、わざわざ政府の言う事でもない。ネット上では以前から知られていた事柄だから、むしろ“今頃気づいたの?”とも思いたくなった…ま、自由主義国家での経済施策は基本的に“レッセ・フェール(自由放任)”だから、仕方がないのかもしれないが。
さて、肝心の教育とブログに関する文章に話を移す。なるほど…現実世界と同様のサイバースペースにおいてのモラルという言葉に象徴されるように、“現実での考え方が通用するサイバースペース”が求められていたのだ。しかし、現実にはブログのサイバースペースとWinnyのサイバースペースと企業のデータベースのサイバースペースは、全く違った世界である。一概に“サイバースペース”という言葉で括れるような物ではないと思う。ブログをやったからといって、サイバースペースでのモラルが向上するとは思えない。
一方で個人がネット社会全体に貢献するために自主的・献身的にコンテンツを発信したりする部分、をうまく醸成できるような環境づくりというのは、良い考えだ。現在は“2ちゃんねるに書き込みしてるくらいで伝えた/語っただなんて満足するなよ*1”というような人々が多すぎる。昔々その昔*2三畳一間の殺伐としたちんけなホームページに自作の詩をせっせとアップロードしていた俺にはどうにもやるせない。だから、ブログの使用を通じて自主的・献身的にコンテンツを発信する楽しさを分かってもらえば良いかなと思う。
また、道路が高度成長期に全国に伸び自動車販売店舗が増えたから自動車が社会に普及したように、情報コミュニケーション能力*3も盛んに学校で教育すれば普及する…というのも疑問だ。
情報コミュニケーションはわざわざ深く教育するものではない。自主的・献身的にコンテンツを発信するための手段に過ぎないからだ。けれども、サイバースペース上で実名又は特定の仮名で他人と交流することを身につけさせるための教育の方は、自分の作ったコンテンツの配信のスムーズな展開のためには、必要だと思う。
現在、たくさんの人の賛否両論もあるし、また個人的には偏向というか傍観しただけのような視点の意見もあってどうにも疑問だらけの文章だったが、全体的には、やはり“BIE*4”は、新たな自己表現の方法として、歓迎したい。
おわりに
一度はサイバースペースで芸術家を目指した鈴掛だから、コンテンツの発信につい思い入れが厚く、偏向のある文章になってしまったかもしれません。すみません。
研究会の文章は、鈴掛による改変がいくらかあります。
趣味のWebデザイン:http://deztec.jp/design/index.html
情報フロンティア研究会:http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/info_frontier/
引用文献:
- 作者: 唐沢俊一,岡田斗司夫,日本オタク大賞実行委員会
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