簡単で解り易い情報操作記事があったので、紹介したい.

Noro153+EN2011-09-24


フェイスブックの知り合いが書き込んだサンケイの記事「光速超えるニュートリノ・・」は、私もこういうニュースは大好きなので即読んだ.そして勿論他のメディア(英仏語)の記事も読んで、ひとつ考えさせられた.それは、事実は「スイスのジュネーブ郊外に本部があるCERN・欧州原子核研究機構のオペラ(という)研究グループが、ニュートリノが光速を超えると発表した.それはアインシュタインの理論を覆すことに・・」.以下はサンケイの記事:

光速超えるニュートリノ 「タイムマシン可能に」 専門家ら驚き「検証を」
2011.9.24 00:24
名古屋大などの国際研究グループが23日発表した、ニュートリノが光よりも速いという実験結果。光よりも速い物体が存在することになれば、アインシュタイン相対性理論で実現不可能とされた“タイムマシン”も可能になるかもしれない。これまでの物理学の常識を超えた結果に、専門家からは驚きとともに、徹底した検証を求める声があがっている。
概念変わる?
 「現代の理論物理がよって立つアインシュタインの理論を覆す大変な結果だ。本当ならタイムマシンも可能になる」と東大の村山斉・数物連携宇宙研究機構長は驚きを隠さない。

 アインシュタイン特殊相対性理論によると、質量のある物体の速度が光の速度に近づくと、その物体の時間の進み方は遅くなり、光速に達すると時間は止まってしまう。

 光速で動く物体が時間が止まった状態だとすると、それよりも速いニュートリノは時間をさかのぼっているのかもしれない。すると、過去へのタイムトラベルも現実味を帯び、時間の概念すら変更を余儀なくされる可能性もある。
 それだけに、村山氏は「結果が正しいかどうか、別の検証実験が不可欠だ。実験は遠く離れた2地点の間でニュートリノを飛ばし、所要時間を計るというシンプルなアイデア。正確さを確保するには双方の時計をきちんと合わせる必要があるが、これはそれほど簡単ではない」と語る。
新たな一歩に
 スーパーカミオカンデ実験を率いる東大の鈴木洋一郎教授も「別の機関による検証実験で、結果の正しさを確かめることが大事だ」と慎重な姿勢だ。

 鈴木氏は、昭和62年に小柴昌俊氏がニュートリノを検出した実験で、超新星爆発で出た光とニュートリノがほぼ同時に観測されたことを指摘。「両者の速度に今回のような違いがあるとすると、ニュートリノは光よりも1年は早く地球に到達していなければおかしいことになる」と語る。

 実験に参加した名古屋大の小松雅宏准教授は「実験に間違いがないかと検証を繰り返したが、否定できない結果になった。公表することで他の研究者による検証や追試が進み、物理学の新たな一歩につながれば」と話している。

何ら間違いはないが、世界のメディアやブロガーの一大ニュース記事をみると、日本人は出てこない.その代わり発表者である「CERN欧州原子核研究所のオペラ研究グループ」の名は、すべての外国語の記事には出てくる.サンケイの記事には、この名前は全く出てこない.そして、このオペラグループを率いているのは、ベルン大学のAntonio Ereditato氏.世界の200名近くの科学者たちによって、このオペラ研究グループは組織されているという.この中のもう一人の重要科学者は、Dr. de Rujula.その200名近くの科学者たちの中に日本人科学者も数名入っているらしい.実験に参加したとされる小松雅宏准教授の名前も、日本のメディア以外では見当たらない(このニュースに関して).

サンケイの記事だけを読むとまるで「日本が・・日本人科学者が・・」という「日本が世界の中心であるという錯覚」に陥りそうだ.これが典型的な日本のマスメディアの情報操作であり、国民を洗脳している.すべての分野、すべてのマスメディアはこうやって何十年もの間、日本人を操作してきたので、情報操作の達人になっている.百害あって一利なし.

科学や芸術やその他の分野での活動に「国籍」がどんどん無くなっている.このオペラグループを率いているAntonio Ereditato氏やDr. de Rujula氏の名前は書かれているが、国籍はどのニュース記事にも書かれていないので全く解らない.要するに国籍などどうでも良いのだ.問題は「人類」が何を発見したか、そしてそれは人類に何をもたらすかしかない.

以下幾つかの外国メディアの記事:
New York Times
Le Figaro
swissinfo.ch
The Gurdian UK

追記:日本のマスメディアだけではなく、米国も同じように情報操作をする巨大メディアが多い.最近CNNが全く信じられなくなり、同じように24時間放送する「Euronews や Aljazeera」を見ることが多い.しかし、完全に信用している訳ではないので、興味のあるニュースは様々なメディアで確認する習慣がついた.