オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Nakagawa, H., Seki, S., Ishikawa, T., Watanabe, K. (2016) Genetic population structure of the Japanese torrent catfish Liobagrus reinii (Amblycipitidae) inferred from mitochondrial cytochrome b variations. Ichthyological Research: DOI: 10.1007/s10228-015-0503-6
みんな大好きアカザの系統地理論文が出ました。ずーっと前に学会で発表されていたもので、待ちに待ったという感じです。内容は非常に興味深いもので、大きく遺伝的に分化した2系統(それぞれクレード1と2)が発見されました。
大まかにクレード1は中国地方、四国東部から東北地方まで広く分布しており、一方でクレード2は関西、四国西部、九州に分布しています。これから見てもわかる通り、中国地方〜関西ではこの2系統が両方出ている水系があります。また、今回の研究により関東〜東北地方太平洋側のアカザは人為移入の可能性が高いことも指摘されています。
地理的な分布様式は他の純淡水魚類と一致しているところもあり、大きく異なるところもあり、日本の純淡水魚類相の成立過程を考察する上でとても興味深い内容です。ということでようするに時間がなくて読み込めてませんので、そのうち追記するやもしれません。。