オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

調査でした。これで今年度の野外調査はおしまい。

秘密の楽園の様子も確認。茶色い方がドブガイモドキで、黒い方がイシガイです。まだ安泰でした。

別件で魚道の画像。この魚道は絶妙な堰操作によりあえて魚道に水を流さないスタイルなのでしょうか。謎です。

こちらの魚道は恐るべきことに魚道の入り口の下流側にもっとも大きな段があり、魚道に到達できません。謎です。
魚道はまだまだ改善の余地があり、もう少しなんとかしたいなと思う反面、筑後川水系では魚道がない堰のおかげで本流から外来種ギギが侵入せずアリアケギバチの楽園が維持されていると思われるケースもあります。ああいうところに良い魚道をつけてしまうと、外来種ギギの分布が拡大するなどの問題も大きいでしょう。目的が生物多様性保全であるならば、一律に良い魚道をつければ良いというものではありません。一つずつ丁寧に専門家と協議して適切な手段をとっていくべきでしょう。それが持続可能な社会をつくるということです。
あ、余談ですが九州では日本海側の遠賀川水系、紫川水系そして瀬戸内側の諸水系ではギギは在来種です。しかもかなり減っているので希少種です。一方で、筑後川水系ではおそらくオイカワあるいはアユの放流に混入した本州産のギギが外来種として定着しています。すなわち九州東部のギギは在来種で保全対象、九州西部のギギは外来種で駆除対象です。ややわかりにくい事態ですが、わかりにくいと投げ出してしまっては、いけません。そこで投げ出してしまってきたのがこれまでの日本。21世紀のこれからは持続可能な社会をつくっていくために、わかりにくいことも丁寧に理解して、最適な方法で問題を解決していかなくてはなりません。