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OjohmbonX

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2006-01-07 Sat

はじめてのおつかい

 4歳になって初めて一人で近所のスーパーマーケットへ買い物に行かせたまま行方不明となっていた娘が,20年経って帰ってきた.

 警察の捜査によっても,「奇跡の扉 TVのチカラ」によっても,「徳光&安住の感動再会“逢いたい!”スペシャル」によっても消息を明らかにされなかった娘が,行方不明となってすぐに夫が交通事故で死んで以来ずっと一人で呆然と生きてきた私の目の前に,いる.

「お母さん,ようやく約束を果たせます」

「私ガ,王子デス」

 娘の横にいた背の高い金髪碧眼の青年が涼やかに言った.娘によるとヨーロッパの某国の王子だったこの青年を婿入りさせるのだそうだ.婿入り? わけがわからない.

「お母さんが頼んだんでしょう」

 娘は目を吊り上げながら私に擦り切れて黄ばんだ紙片を渡した.「王子 Lサイズ」と私の字で書かれてあるその紙片は,紛れもなく,20年前私が娘に手渡した買い物のメモだった.

「本当に,大変だったんだから」

 世界で最大の(Lサイズの)王子を万策尽くして心を奪いプロポーズさせ,婿入りを結婚の条件として突きつけ,結局王位継承権を放棄させ,王族を離れさせて日本に連れてきた……という娘の苦労話(?)を聴いて私は激して叫んだ.

「王族離れちゃったら,もう王子じゃないじゃないの!」

「腐っても王子よ!」

「ミカコ,私全然腐ッテナイヨ,腐ッテナイヨー」


 今では腐った孫も生まれ,おだやかで暖かな日々を過ごしています.

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