ピンセット・プローブ(test lead tweezer)作ってみた


SMD (表面実装部品)のチェックや基板に実装してしまったあとの部品計測・LED チェックなどに力を発揮する、ピンセット型のテストリード。商品として売っているところもあるし(aitendo とかね)SMDテスターなる商品もある*1。 ただしこれらはそもそもが所謂アレゲなナニなので、世界が変わるほどの使い勝手を期待してはいけないようだ。


…だったら自分で作ってしまっても、いいのかな?


問題は色々あって、絶縁とか短絡対策とか強度・耐久性とか接触抵抗とか、etc. etc. etc. 結局はどう頑張っても作るより買ったほうが安上がりだったりなんかもするわけだ。それでも敢えて、という向きのニーズも考慮しつつ、簡単で信頼性もいくらかあって使い易い「ピンセット・プローブ」を考案してみた。


今回は 2作目。Twitter のほうでは 4ヶ月ほど前に 前作公開済みだったわけだがこっちには書いてなかったことに今更気付く。
そんなわけで、画像だけは(同じものを) UP し直しておいてみる。

製作に関しては今回(第2弾)とほぼ同様なので割愛。以下を御参照ください。

折角だから俺は赤い方のケーブルを先に抜くぜ。

このように、ブレッドボードに突き立てて電圧・電流測定(あるいは電源供給)なんていう荒業もあり。


写真を見ていただければ判るとおり、前作は何故か逆作用ピンセットをベースに製作されている。これはこれでなかなか便利ではあるのだけれども*2、敢えて逆作用であるメリットは、あまり無かった。
そこで今回(Ver.2)は「つまんだ際に閉じる普通のピンセット」で作る。

では、作ってみましょう

まずは材料から。ピンセットは、何処の御家庭にも(略)…性能がイマイチで使わなくなったピンセットがあればそれを流用で全然構わないし、新たに購入するなら百均のでもいい。さもなくば、マツキヨとか(スギ薬局でもいいですけど)に行って「毛抜き」をゲットしてきてください。ただし、毛抜きの場合は先端の噛みあわせが「平たい」、こういうタイプ↓↓↓を選ぶとよい。

これが¥100で買えてしまうこんな世の中じゃ…いや、いいんですけどね


何故、毛抜きがいいかというと、安いピンセットは往々にして「ふにゃふにゃしている」が、毛抜きではそういうことが無いので、結局使いやすい。それから、コンパクトである。先が細くないので接着がしやすい。などなど。
これと、今回の工作のもうひとつの要である先端部(端子部)であるが、ここは、これを使用する。

これを 2ピン分使用し、1ピンずつピンセットの先端に貼りつける。貼りつけるので、接着剤が必要。瞬間接着剤で止めてエポキシで補強、がベストではないかと思うが、ゲル状の瞬間接着剤だけでもいけるとは思うし、テープ的なものを巻きつけても補強にはなると思う。(前作では熱収縮チューブを被せた。)
あとは、線材。お好みに応じてみの虫クリップとか。ブレッドボード用のジャンパピンケーブルはあるといい。あと、テスターケーブルには、私は赤黒のスピーカーケーブル(極細)を愛用している。赤黒が平行コードとして連結しているので、収納等に非常に便利。

材料費は数百円。私の場合は全て手許にあるものでまかなえた。接着剤等も含めていちから揃えると¥1000は超えてしまうかもしれないが、工夫すれば市販品よりも安くあげることは可能かと思われる。ただし、「長脚の ICソケット」だけは「肝」であるので持ってなければ是非入手を。秋葉原では、マルツパーツの他、ヒロセテクニカル、山長通商などで入手可能。※全般にあまり安いものではない。




組み立て、という程でもないので、いきなり完成品。こんなです
(※ 接着剤を付ける箇所は汚れ等をとりましょう。できればアルコールなどで脱脂を。)

例によってケーブルは着脱式。使用したのが「ICソケット」だったので結果的に着脱できるようになった、というだけであって、メリットがあるのかどうかは知らない。というか、使ってて挿抜したことが無い(えへへ)。別に、剥いたケーブルを直挿ししてしまっても構わないし、なんだったら半田を流し込んで固定してしまってもよい。  考えてみたら、「ケーブルが着脱可能」よりも「先端が交換可能」なほうが遥かにメリットあることに気付いた orz 。(…ただし、その場合どういう機構方式にするのがよいかまでは思いつかなかった orz orz orz )
この、ICソケットを使用することの真価は「ケーブルの着脱」にあるのではなく、

根元の黒いプラスチック部分が絶縁を容易にしてくれるほか、安定した接着台座の役割を果たしてくれ、なおかつ、閉じた際に両端子が接触(ショート)することを防いでくれる、というところにある(ここ重要)


因みに先端部はペンチ等で若干の曲げをつけた上で、ヤスリ等で整形するとよい。あんまりやりすぎると強度が落ちるので、慎重に。 あと先端部の着色(赤黒)は油性サインペンでちょいちょいと塗っただけ。結構綺麗に見えるけど、すぐ剥離する。それでも、こうして着色しておくと作業性が格段に良くなる。
まあ、頑張ってはみたけれどもやはり、aitendo のやつに勝ててる気はしないのだけど、あまり細かいことは気にしない。Pincet Probe での作業は超細かいけどな!


というわけで、

このピンセットプローブと簡易定電流式 LED チェッカの組み合わせが、なかなかの活躍をみせている次第。

*1:これは小型 LED の点灯チェックに使える。(Vftyp > 3V な LED やパワー系 LED には使えないけど。)

*2:通常ピンセットよりも開き幅を確保できるであるとか、その開き幅にリミットがあるとか、基本ホールド時に力をかけていなくてよいので安定する、とか。