熾火研究所*電子工作室

2010-06-20

100円USB電源を解体してみた

いろんな意味で解体してみた。

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結論からいうと、USB 給電できる小型ガジェットのデモ用電源としては充分使えるレベルなので、見つけたら買っとけ、買って、適当にカスタマイズして使っとけ、って感じでしょうか。


Twitter 上で(また例によって Twitter ばっかりなんですけども!)「100円ショップ電池式(単3 × 2本)の USB 電源を売っているらしい」という情報が流れてきた。既に だいぶ以前からブログ等々によってネット上には情報があったらしいが、寡聞にして知らず。

(「100円 USB シルク」などの検索ワードでググると大量の記事がヒットするようです。)

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こんな感じで売っている。

要は、最近の小型ガジェットは充電に際して USB からの給電を想定しているので、「USBコネクタ装備5V電池ボックス」と「USB充電ケーブル」を用意しておけば、それぞれを¥100で販売することにより売上も確保、店頭もスッキリするという一挙両得、ということなのではないかと。

で、無闇に 5V 給電を必要としたりする Make: クラスタはこれに便乗できてちょっと嬉しい。

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因みに百均では「シルク」という「知る人ぞ知る」クラスのショップで扱っているのが確認されているわけだが、近所にシルクがなくてもそれだけで落ち込む必要はなく、意外にいろんな店舗で扱っていることが確認されているようだ。扱いメーカーの「エービット」は(チープな)携帯電話用周辺機器や電子機器用ケーブルなどではちょっと知られている会社のようである。(製造はたぶんすべて海外。)


【後日追記】 2011年に入ってから(特に某3月11日以降)、秋葉原の複数ショップにおいてこの「エービット」の USB電源がちらほらみられるようになった。価格はまちまちで、¥150〜¥500。正直言って、¥105 で購入できるものを ¥200 以上出して購入することは到底おすすめできるものではないが、交通費と時間を考えればこれも一概にはいえないのかもしれない。

e.g.

モノはまったく同じである(と思われる)。


とりあえずパッケージ全体。

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最大出力など、定格に関する記載は見当たらない…(アタリマエか)




まあともかく、このガジェットはしっかりレビュウしておかねばなるまい。


……とか思って、改めて調べてみたところ、

カナーリ微に入り細に渡る、痒いところまで充分到達しているレポートがあったので(回路図まである)、もうそれでいいや、という気になったので、急遽終了のお知らせ。





強いて追記事項があるとすれば、

  • 単純に 5V 電源としてみた場合、出力電圧の安定性にはやや不安があります(オシロ等で調べたわけではないので正確ではありませんが、テスタでも確認できる程度のふらつきがありました)。後段で安定化をかけるか、さもなくば、多少ふらつく電源でも構わない用途に限られます。…もっとも、シビアな電源を百均で調達しようという時点でなにか間違っているので、そこは杞憂というものでしょう。
    • 因みに電圧のふらつきを確認したのは↓この改造前なので、コンデンサの容量不足に起因するものではなさそうですよ*1。)
  • 分解の際にはパーツを破損しないように気をつけたほうがいいと思います!
    私はコンデンサのどてっぱらにガッツり穴をあけました。コイルじゃなくてよかった。(チョークコイルも持ってるには持ってるけど定数わからないから。)
    • 部品はともかく(私の今回のはさすがに乱暴すぎるわけですが)、ケース(ガワ)も含めて非破壊的に分解するのは残念ながら不可能なようです。

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哀れな姿

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220μF 10V なんて持っていないので、100μF 16V で代用を試みる。「隊長!容量が足りません!!」



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まるで元からそこにいたかのように収まりかえるコンデンサ。因みに動作は特に問題ないようです。

  • ヒューズが付いているべき F1 、 F2 の箇所は、ポリスイッチ(PTCサーミスタ)がつく予定だったと思われます。パーツの自由度を考慮して、SMD タイプの場合は「F2」のところに、ラジアルリードタイプの場合は「F1」に実装される設計なのでしょう。実際の基板では F2 が未実装(NC)、 F1単線で短絡してありました。
    コンデンサ付け替えたついでにポリスイッチ実装してみようかなとも思ったけど、正直、短絡対策にしかならないし、勿体無いのでやめておきました。
  • あと、基本的に、半田付けは汚い。分解した際のこねくり回しで断線を早める可能性があるので、電源リードは付け直した方がいいかもしれません。(分解作業中は外しておいたほうがいいかも、ということ)
  • 無接続時の消費電流は実測値で 0.35mA 程度でした。

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μA レンジで計測するともう少し高い値(0.5mA ぐらい)になりましたが、オーダーとしてはこんな程度のようです。

因みに、内部に電源スイッチを仕込む余裕は充分ありそうです。今回は手持ちが不足していたのでやめておきました。

  • 基板の写真も折角撮ったので、一応上げておいてみたりなど

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【追記】4つのチップ抵抗による分圧で、USB 2番 pin (DATA-;白)には 約 +2.7V 、3番 pin (DATA+;緑)には 約+2V が印加される*3。これは、iPod など一部のガジェットで DATA 端子に電圧が来ていないと充電が開始されない仕様になっていることへの対策のようだ。


因みに iPod への充電は上記仕様により可能なようだが(実験はしていない)、できたにしても取り出せる電流がせいぜい 200mA 程度までなので、緊急充電用としては およそ実用的とはいえない。



要するに、5V クラスタ(?)は、買いだよという話。

以前、コンビニやスーパー、携帯ショップのグッズコーナなどにおいて数百円で販売されている「電池式携帯充電器」のコネクタを無理矢理 USB(A)-A に換装して USB機器やマイコンなどの電源として使用する試みをいくらか実施した。

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秋葉原が「圏内」の人ならいいけど、こういう改造を企てる限り、USB コネクタ(生)が必要だ。秋月で 1個 ¥50 。勿論、「所謂USB延長ケーブル」を改造してもいいけど、手持ちがなければ最低でも ¥105 。だったら、細かいことを気にしなければほぼそのままで使用可能な「¥100」電源を使ったほうが、諸々メリットが大きい。

あと、存外重要視されていないことであるが、UP型のコンバータというのは、電池の残圧を限界まで吸い出してくれるという点で、mottainai 感も緩和してくれる。それ故一部の充電池では過放電状態がもたらされてしまう危険がないわけではないのだが、まあ、単3型 NiMH を使いこなすレベルの人にそういう心配は恐らく無用。(ただまあ、Vth = 0.9V 程度のシャットダウン回路がほしい気はする。チップタイプのリセットIC で 1.0V 前後の低電圧のものってあんまり市販してないんですよね…。)1次電池の場合はきっちり使いきってくれるので罪悪感も軽減される。


勿論、「電源としての質」は、流石に ¥100 のものは 数百円クラスのものと比較した場合、若干心許ない気がしなくもない。でも、¥100 にしては信じ難いほどの性能であることは間違いないし、回路もまっとうなもよう。電池を直に接続するよりは遥かに「適合性の高い」電源を供給できるわけだし、ケーブル次第では極めてすっきりとした電源周りを実現してくれる。

¥100 ならば導入コストもさほど気にならない。





もう少し追記するかもしれませんが、ひとまず、このへんで。というかこのエントリ意味ないよなー。


ところでこのエントリ内では「¥100」「¥100」と記しているが、「シルク」は外税表記なので実際の購入(販売)価格は ¥105 。御注意。



因みに、追記。

上掲エントリを上げてから 1週間後ぐらいに気付いたのですが、ばんとさん(@bant62)も大体同じタイミングでこの USB 電源の話を書かれていたようです。

パクッたわけではありません、たぶんたまたまです。悪しからず御諒承ください。 というか、内容的に似通ってしまうのは仕方のないことだと思います。…思います!


ただし、とかなんとか言いつつ、こと 私の記事に関しては「ジャンク宿」(By @tokoya さん)のフォロアー記事であることは正直に告白しておかねばならない。(パクリとまでは言わないにしても)

そもそもの発端が @tokoya さんの Twitter 情報だし。

*1コンデンサの「性能」不足は考えられるけど。いやこれほんとに。中国製電解コンデンサを侮ってはいけません、勿論、逆の意味で。実測したわけではないのであれですが、真面目に作られた製品でも容量不足など「おてのもの」らしいです。

*2:つまり USB機器において定格 500mA ということは、ほぼ短絡対策以上の意味は無いということです。
cf.http://www.nahitech.com/nahitafu/trg78k/poliswitch.html
ただし、ポリスイッチは熱デバイスでもありますので、主電源の過電流以外を原因とした機器の過熱でも動作してくれます。

*3:DATA- = 5.0 * 49.9k / (49.9k + 43.2k ) ≒ 2.6799
DATA+ = 5.0 * 49.9k / (49.9k + 75.0k ) ≒ 1.9976