架空の杜

The journey is the reward.

123話感想 畑健二郎というクリエイターを侮っていました

122話は個人的には否定的な印象で一杯だったのですが、123話を見て驚愕しました。続けて読むと見事なまでに話が美しく纏まっています。やっぱり敬愛する作品に関しては細切れで評価するのではなくてちゃんとオチまで読まないと安易に批評するのは創作者に失礼だなあと強く思いました。それにしても、畑先生が「ちゃんと最後はうまく纏めるよ」的なことをBSで仰っていたのが本当にそうだったなぁと己の読みの浅さを恥じ入るばかりです(汗)

メタの埒外にいるのはマリアの方でしたね・・・


思い起こせば、ナギはダンジョンでもメタの世界に遭遇していますしね。過去の逸話も絡めて宇宙人が登場したことに関する違和感をここまで綺麗にお話的にまとめ上げるとは、ただただ凄いとしかいいようがないです。

そういえば作品の基本は「世界名作劇場」でした。


親のいない主人公が健気に生きていくというのが、だいたい基本ですから。今回のエピソードでナギのキャラがグッと深くなりました。最初にこの物語を読んだとき「この作品の根底は母性の物語」かなと思ったのですが、ずっと忘れていました。最初の直感は正しかったわけです。

お金では買えないもの

めぞん一刻のオマージュ

やはりこの作品の創作のモチーフもエヴァンゲリオンでした。


久々に登場の三千院帝ですが、一人娘を復活させようと不可能を可能にさせるようなことを考えている描写ですね。これは明らかに碇ゲンドウが妻のユイをサードインパクトを起こしてまで取り戻そうとしたことと通底しています。長らく放置されていた帝がハヤテに託したペンダント・・・

それにしても・・・

執事コメディという触れ込みで認知されている作品ですが、作品世界の奥の深さには類例がないですな。きっと多くの読者が想定している以上の結末が用意されているのでしょう。いやいや、参った参った。