「星取り評」の革命

メルマガ「映画の友よ」
http://yakan-hiko.com/risaku.html
先週末に第二号配信になりました!

創刊号に寄せられた声を、紹介したいと思います。

【まず気に入ったのは「見たまま感じたまま」の映画評。特に星取表の自由な度合い設定。例えばキネ旬今号の『かぐや姫の物語クロスレビューで3人とも★★★★★とか本当に非生産的な映画評が主流の中、メルマガの特性を活かした好き勝手な価値設定や試写室の生反応など読み応えアリ】(@eigadaysさん)

まさに僕の意図するところを受け止めて頂きました。

実はこの星取り評のアイデアが、本メルマガで実践してみたいことだったのです。

といっても、僕はキネ旬の星取りレビューを毎回楽しみにしていますし、非生産的だとは思っていません。

ただ、雑誌の星取り評欄というのは、複数の識者によってなされているのにも関わらず、@eigadaysさんもおっしゃるように、読んでいると、案外作品の評価というものはバラきませんよね。

ある程度以上質の高い映画はみんな★の数が多くなりますし、アクの強い個性的な作品は、たまたまどの識者のセンサーにも引っかからなかった場合、全員漏れなく★の数が少ない……ということになってしまいます。

たとえ僕が選者として入ったとしても、多分同じようにするしかないでしょう。

なぜならそれは、評者がみな、その映画の「総合評価」をくだそうとするからです。

従来の星取り評は、そういった総合評価が、複数のレビューによって保障されるという意味での目安にはなります。

しかし映画というものは、実は誰にとって必要とされているのかとか、あるいは同じ人間であっても、どんな気持ち、状況だと「いい出会い」になるのかということが、非常に重要なのではないでしょうか。

誰が、いつ、どこで、どういう風に出会おうが「傑作」だと思える確率の高さを指標にしてしまうと、その映画の需要が掬い取れきれなくなってしまうのはもちろん、自分自身の感情すら、無意識に切り詰めて平均的な幅のものを出さざるを得ないということになってしまう。

そこで『映画の友よ』の「新作日本映画ほぼ全批評」では、星取り評の度数の基準を変えて、しかも一本の映画に複数提示してみました。

たとえば『武士の献立』でいったら、以下のように。

【料理映画度】
★★★
【『釣りバカ日誌』度】

【『隠し剣 鬼の爪』度】
★★★
【未来人タイムスリップ度】
★★★★

そして、その意味合いを文章として書く……という風にしています。

【秀逸なアイデアだと思います。映画の評価にはいろんな尺度があって当然だし、そういう見方があるのか!ということに気づかされることが大切な気がします。タモリボキャ天で投稿作品を評するのに、バカパクなどの度合いでやっていたのを映画評でも実現されてるのが良かったです】(@eigadays)

僕自身、色んな映画と色んな出会い方をしたいし、同時に感じた、ことはすべて正直に出したい。

そんなやり方が出来ればと思っています。

まだまだこれから試行錯誤していく必要もあるでしょうが、同じ映画について、皆さんと意見交換もしていきたく思います。

よろしくおねがいいたします。