高田馬場の甘栗屋さん

高田馬場駅壁際の狭い間口で、商売していた甘栗屋さんファンの方々に朗報です。なんと巣鴨駅近くで営業中です。
といっても、誰も興味ないでしょう。露天の甘栗なんてと思うでしょうが、違うのです。
先日、高田馬場に用事があって、訪問先に「甘栗を土産に」なんて思い、当てにしてた駅にへばりつくように営業していた間口の狭い甘栗屋さんを探したものの、見当たりません。ガード沿いはすっかり綺麗になって、露天の痕跡はなく、周囲を見渡してもそれらしい店はありません。
諦めきれず、構内の新聞売りのおばさまに、その旨尋ねると、「あのおじさん、巣鴨でやってるよ」とのこと。「巣鴨駅前をお地蔵さんと反対方向に少し行った道路の反対側」だそうです。「おばさんに聞いて来たって言えば、おじさん喜ぶよ」とおばさんの弁。
確かに、逆の立場なら嬉しいでしょうね。私がその甘栗やを贔屓にしていた旨を言うと、おばさまは「そう言っちゃ、もとも子も無いけど、甘栗は煎り立てで温かいうちに食べれば、みんな美味しいんだけどね」なんて。つまんない事をおしゃっておりました。確かに、おばさんの言う通りかもしれません。
でも、そのおじさんの甘栗の売り方が、いいんです。予め袋詰めしたものを売らずに、客の前で、釜の中から勿体ぶりながら、大粒の美味しそうな栗をひとつづつ選びながら、袋に入れてくれるんです。だから、おいしい(感じがしてくる)のだと思います。
その商売の旨さに、ほだされて、買いたくなるわけです。商売の極意です。