感想:アニメ「無彩限のファントム・ワールド」第9話:演劇部の部長の名前だけはウケた


無彩限のファントム・ワールド 1 [Blu-ray]

TVアニメ「無彩限のファントム・ワールド」公式サイト http://phantom-world.com/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】

第9話 幕末ファントム異聞

あらすじ

 晴彦たちは、演劇部部長「北島亜弓」(小清水亜美)から、役者として劇に参加するように頼まれる。演劇部は過去10年間コンクールに出場経験が無く、今年も亜弓一人しか部員がいないので、助けてくれという。舞たちは先日の猿ファントム騒ぎの際、演劇部から衣装を借りたこともあり断れず、頼みを聞くことに。ついでに参加した小糸は演劇部にファントムの気配を感じる。一同は、亜弓の書いた「幕末を舞台に新撰組とファントムが戦う」という芝居の練習に没頭する。

 そして地区大会の日。芝居の途中で晴彦たちはファントム役を演じる亜弓が本当にファントムだと知ってしまう。亜弓は、過去コンクールに出られなかった生徒たちの念から生まれたファントムだった。晴彦たちは亜弓の願いをかなえようと、色々なトラブルを乗り越え劇を演じきる。そして劇は大成功で幕を閉じ、見事金賞をもらう。欲が出た亜弓は全国大会も付き合ってもらうと言い出し、晴彦たちがトホホ〜、とか言っている場面で締め。

脚本:志茂文彦

感想

 ドタバタ回。正直ストーリーには全く面白さを感じず。

 どうせならもっとはっちゃけて、「劇中劇」ではなく、「パタリロ」でよくやるみたいに、主要キャラがそのまま時代物を演じる番外編という作りにしたほうが、まだマシだったのではと思います。

 今回唯一ウケたのが演劇部部長の「北島亜弓」という名前ですな。なぜですか、ですって? それは、この名前が、演劇漫画の超有名作「ガラスの仮面」の登場キャラ、主人公「北島マヤ」とそのライバル「姫川亜弓」を混ぜ合わせたものと丸分かりだからです。


おまけ

ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)

 作者存命中に完結できるのか……

【雑談】『帝国』というものについての認識が歪んでいる

「出オチ」のテンションの息切れが残念 伊藤ヒロ『ラスボスちゃんとの終末的な恋愛事情』|おたぽる
http://otapol.jp/2016/03/post-5886.html

ちなみに、ヴォネガット1世の銀河帝国は、「銀河宇宙の三割」を支配しているという。少ない! 「帝国」と名乗っているのに、まったく圧倒的な雰囲気を感じさせない。それどころか、帝国は黄昏の時代に入っているような印象を抱いているのではなかろうか。でも、世界史上でも、まったく権力もないのに「帝国」を自称した国家は存在したこともある。この銀河帝国もその類いなんじゃないかと、疑ってしまう。


 ふーん、すると「最盛期でも世界のたった25パーセントしか支配していなかったモンゴル帝国」も、この人からすると全然圧倒的感なんて無いんでしょうねぇ。25パーセントですから、権力もない黄昏国家に見えてしまっているのか。

 ついでにいうと、SF-TRPG「トラベラー」や、漫画「超人ロック」にも、皇帝が支配する「銀河帝国」が出てきますが、銀河系全体からすると小指の先ほどもない領土しか支配していません。多分両作品の帝国についても「そんな規模で銀河帝国かよ」とか文句が出てくるんでしょうねぇ。


 まあ、適当に行数を稼ぐために上記の様な文章を突っ込んだのだと思いますけど、他人から見ると「この人って、帝国=とにかく全てを征服していないと名乗れない」みたいな歪んだ認識の人間にみたいに見えて、なんだかなぁと思えてしまう。


おまけ

ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

名作です。