【ゲームブック】若桜木虔氏作のゲームブックは無限ループから逃げられない

秘密謀報大作戦 (光文社文庫―ゲームブック)
 
 「冒険記録日誌」http://www.enpitu.ne.jp/usr7/79672/ というサイトは「山口プリン」さんが管理しておられて、定期的にゲームプックのリプレイが掲載されているため、いつも注目しているのですが……

冒険記録日誌 秘密諜報大作戦(若桜木虔光文社文庫) その2
http://www.enpitu.ne.jp/usr7/bin/day?id=79672&pg=20160320

 最新の話題が「秘密諜報大作戦」(若桜木虔光文社文庫)という聞いたことも無い作品。そして、この作品のリプレイが本当に面白い(笑)


 この本の作者の若桜木虔氏は、1980年代のゲームブックブームの時に多数の作品を手がけた人物で、ゲームブックにはまった人なら大抵一度は名前を聞いたことがあるだろう「有名人」ではあります。ただし、ろくでもない作品を量産した事で悪名が高い人で、私も以前に若桜木氏が関わった「それからの『イヴ』―THE X‐FILES」(1996年)という作品で酷い目に合いました。


 その時の体験談がこちら。

感想:ゲームブック「それからの『イヴ』―THE X‐FILES」(1996年)【プレイ中】
http://d.hatena.ne.jp/Perry-R/20151119/p1

 この「それからの『イヴ』」は、有名な海外ドラマ「X-ファイル」を舞台に、オリジナルストーリーを体験させてくれるという物なのですが、キャラクターの性格が原作ドラマ完全無視の為全く別の代物に仕上がっている上に、唐突に森の中が迷路になっていて、その中を延々さ迷う羽目になり(しかもマッピングしても脱出不可能)、「こんな物はX-ファイルじゃない!」と激怒したものでした。


 ところが今回の山口プリンさんのリプレイを読むと……、若桜木虔=むやみやたらと迷路(無限ループで抜けられない)を入れる、という作風だったようです。「秘密諜報大作戦」でも山口プリンさんが唐突かつ無意味に登場する迷路に苦しめられる様が克明に描かれていて、笑ってはいけないはずなのについ爆笑してしまいました。何せこんな感じですもん。

 島を歩き始めると、歩き始めたばかりなのに夏美が不吉なセリフを言った。
「さっきから同じ場所ばかり、グルグルと回っているような気がして……」

 Σヽ(゚Д゚○)ノ


 気のせいだと言いつつ、道なき道を切り開きながら歩くと、迷路のように道は入り組んでいくのがわかった。しばらく右往左往していると、また夏美が言った。
「さっきから同じ場所ばかり、グルグルと回っているような気がして……」

 ヾ(。 ̄□ ̄)ツ


 今度は違う道を進もうと、意識しながら先に進むと、触れると投網が落ちてくるトラップを回避。しばらく右往左往していると、また夏美が言った。
「さっきから同じ場所ばかり、グルグルと回っているような気がして……」

 ・゚・(゚`Д´゚)・゚・


 小さい島だから一周しただけさと、あらゆる脇道を探索しながら先に進むと、また触れると投網が落ちてくるトラップを発見。おろおろと右往左往していると、とどめの一言を夏美が言った。
「さっきから同じ場所ばかり、グルグルと回っているような気がして……」

 どうみても無限ループです。本当にありがとうございました。

 〆の台詞で爆笑しましたわ(笑)


秘密諜報大作戦

秘密諜報大作戦

  • 作者:若桜木 虔
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1986/05/20
  • メディア: 文庫
無限 (岩波科学ライブラリー)