哲学のバトル日記(はてな版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

    小説家志望の哲学さんがもがく様が見れる意地汚い日記。
   
  

2006-11-17 ライトノベル論ブーム?

私とライトノベル

 私がライトノベルに出会ったのは阪神大震災のあった1995年。

 その当時、私は明石市から、神戸市にある私立中学に通っていた。

 震災のあった二ヶ月後に中学受験をし、神戸の中学に受かったのだから、その時は確か中学一年生である。

 ああ、年齢がバレる。

 その頃の私は新潮文庫しか読まないぷち文学少年もどきだったが、書店で時々見かけるマンガタッチの文庫が妙に気になり、6月頃についに小遣いをはたいてスレイヤーズの既刊を全巻購入。

 更に、同じ黄色い背表紙の小説――魔術士オーフェンが気になり、夏休みのうちにこれも既刊を全巻購入した。

 中学二年の夏はまさにライトノベル開眼の時だった。

 新刊はまだかまだかと思っているうちにスレイヤーズの「ソラリアの謀略」が10月に発売。発売予定日に店に行ったら置いてなくて、何軒も回ったが見つからず、発売日が20日から25日に変更されたと知らされ愕然としたモノである。

 何にせよ、1995年は「スレイヤーズ」と「オーフェン」だけを買っていた。

 他にも富士見ファンタジア文庫の本が気になっていたが、買う金がなかったので、その時は手を出さなかった。

 そして、そのスレイヤーズとオーフェンが連載されているという雑誌がある事が文庫に挟んである広告に書いてあったので、小遣いを色々やりくりしつつ、ドラゴンマガジン1996年1月号を購入。以後、高校卒業するまで毎月ドラゴンマガジンを買い続ける事になる。

 その当時、ラノベのコーナーには富士見ファンタジア文庫とスニーカー文庫と電撃文庫が並んでおり、私は主に「ファンタジア文庫」と「スニーカー文庫」だけを買っていた。電撃はなんとなく毛色が違う感じがして手を出さなかった。が、「ブギーポップ」の登場によりついに電撃に手を出し、なんのかんので色んなライトノベルを読みあさるようになった。

 そして、ドラゴンマガジン経由でTRPGにはまり、そこからTCG「モンスターコレクション」にはまる。

 そこからしばらく私はTCG漬けな日々を送る事になる。

 その関係で、私は「メックウォーリア」の挿絵を描いてたり、「モンスターコレクション」のカードイラストを書いていた「るりあ046」先生の大ファンである。つっても、私が最後にるりあ先生の絵を見たのは富士見ファンタジア文庫の「進め!双角小隊」くらいだが。

 ……あれ、アマゾンにもるりあ046先生の名前が書いてないし、Wikipeidaのるりあ046先生の著作リストにもない。

 まあ、ぱっとしないシリーズだったからなぁ。

 それはそれとして、そんな「るりあ046」先生のはてなのページを見ていたらなにやらライトノベル論についてあーだこーだ言い合う展開に。

 なにやらオタクブームの主軸の変遷をみんなで探り合っているようである。

ライトノベルの歴史

 私は歴史とかを調べたり語るのは好きだ。

 とはいえ、オタクカルチャーについてアーダコーダと歴史を語るのは主軸が定まらないモノが多くて、どうにも言ってる事があってるちゃ、あってるが……どうにもなにか物足りない、みたいな文章が多いように思う。

 恐らくそれはオタクはオタクでも多岐に渡るカテゴリーに分岐しており、そのカテゴリーを誰も彼も行ったり来たりしてるからだろう。

 アニオタ、エロゲオタ、美少女ゲーオタ、マンガオタ、ラノベオタ、声優オタ、TRPGオタ、ガレキオタ、TCGオタ、etc……。

 そして、このカテゴリと共に大きく問題となってくるのが「世代差」である。

 「カテゴリ」「世代」「オタクとしての浅さ・深さ」この三つがまあ、色々絡み合ってこのジャンルを複雑化してると思う。

 オタクは基本的に守備範囲が跨る。

 メイン・サブがあると思う。

 たとえば、

メイン:アニメ

サブ:声優

 の人もいれば

メイン:アニメ・ゲーム

サブ:マンガ・プラモ・小説

 な人もいるし、

メイン:声優

サブ:アニメ

 とか

メイン:アニメ・小説・マンガ

サブ:上記のメディアミックス

 とか。

 で、今問題になってるのは、なんとなく私が読んでる限り、

○アニメの原作が今まで「マンガ」が多かったのに、「ラノベ」と「エロゲ」が増えたんじゃない?

○オタクのメインフィールドが美少女ゲームから「ラノベ」に移行したんじゃない?

 と言うもの。

 色々な記事を読んでいると……どーも、ハルヒのブームを過大解釈しているような気もする。

 ハルヒの勃興はこれまでにないもの……と言う意見は多いが、私からしたら、全盛期の「スレイヤーズ」と比べればそれ程でもないと思う。

 ただ、「スレイヤーズ」との大きな違いは、「インターネット」による情報の共有が格段に進んで短期的に莫大な数のユーザー(視聴者とかファンとか読者とか)を得た事だろうか。

 それは今までにないものと言えば、そうなんだけど、そのコミュニティの広がりは今まで美少女ゲーム・エロゲでやられていた手法に近い。

 そんなモンだから、ハルヒの実態は「スレイヤーズ」みたいなブームを「美少女ゲー・エロゲー」的な手法でファン層を獲得した、て感じに私は見える。

 それを受けて、「美少女ゲー・エロゲ」層の人達がそれまでオタクの中心文化が「アニメ・マンガ」「ゲーム」だったものに「ライトノベル」を付け加えよう!!てなムーブメントになってる様に思う。(参考リンク:http://d.hatena.ne.jp/genesis/20061115)

 だが、ラノベ側からすれば、「いや、ちょっとラノベの数作品が流行っただけでいきなり表舞台のスターになったようには見えない」と言う感じだろう。(参考リンク:http://d.hatena.ne.jp/kim-peace/20061115)

 まあ、さっき言ったメイン・サブの守備範囲で

メイン:ラノベ

サブ:ビジュアルノベル

 の人は居ても、

メイン:ビジュアルノベル

サブ:ラノベ

 の人はどうも少なそうだ、と言う意見には同意。

 まあ、メイン・サブなんて決めつけるのは中々難しいのだが。

 そもそも、あるストーリーを読み解くに対して、そのやりやすさは

アニメ≧マンガ>ゲーム>小説

 な様に私は思う。個人差は多いだろうが、やりやすさの面から言えば

アニメ:見るだけでよい。能動的な動作(ページをめくる、ゲームのボタンを押す等)はしなくていい。文字はほぼない。絵と音。前に戻れない。自分のペースで進まない。(録画除く)

マンガ:ページをめくらないといけない。文字が少ない。絵と文字。自分でページを戻したり、先の方だけ読んだり(飛ばし読み)出来る。

ゲーム:自分の意志で能動的に動かさないといけない。絵と文字と音。自由に前の展開に戻したり、しにくく、先の展開まで飛ばす事は既読以外はほぼ不可能。

小説:自分でページをめくらないといけない。大量の文字と僅かな絵。前のページを読み直したり、とばし読みが容易。

 また、下から順に、読解力(あるいは妄想力)が必要になると思う。つまりは、読者・視聴者・プレイヤーの負担の増減。

 疲れてへとへとになって会社から帰ってきても、ソファーに寝っ転がりながらアニメを見るのは楽だが、小説を読むのは少し労力が居る……そう思う。

 ここら辺の手間の差は意外に馬鹿に出来ない様に思う。無論、そこに主戦場を置くオタクならば疲れてへとへとになって帰ってきても平気で徹夜でエロゲしたり、MMOしたりする剛の者がわんさか居るが、ラノベが敬遠される所以はやはりその手間なんじゃないだろうか。

 少なくとも、コミック一冊読み切るのと小説一冊読み切るのとの時間を比べたら大多数の人間は小説を読む時間をとても喰うと思う。

 で、何が言いたいかというと、そんな手間が掛かる小説という分野に浅いオタク層は余り手を出してこなかった……が、最近は少しずつ増えてるみたいねー、てこと。

 まあ、文字が主戦場のWEBで沢山の文字を読むようになり、ビジュアルノベルで、更に文字を読むようになって……ついにライトノベルまで手が伸びた……人もいるだろう、て感じ。

 とはいえ、やはりカテゴリ事の断絶が昔より緩やかになった、てだけでそれで主戦場が移った訳じゃない。

 今も昔も、アニオタ、ゲーオタ、ラノベオタ、とかは自分の分野を守りつつ、他の分野に浮気しやすくなった……てくらいかなぁ。

 

そんな訳で

 適当に書いてたらまとまりのない文章になってしまいました。

 色々と見当外れの独りよがりな文章になってますが……用は、今も昔も大して変わってませんよ〜という感じです(笑)

 あえて言えば、「みんなが流行ってる」と言ってたら、みんなに取り残されるのは嫌だからと慌ててみんなと同じ事をしようとする日本人気質が問題をこじれさせている気もします。

 ほんとに戯れ言ですいません。

追記

 なんか、ライトノベルの揺籃とか言う記事を読んで何でこの人はそんなにも美少女ゲーム至上主義なんだろうか、と思った。

 まあ、私の守備範囲は狭く、また、これまで美少女ゲームをほぼやって来なかった流行を追わないタイプの人間だったので視点が全然違うのだろう。私がやったビジュアルノベルは月姫とFate/stay nightくらいか。ひぐらしはやったことない。

 今も昔も私はラノベ畑を中心に徘徊している。

 と、いうか、ラノベ畑でデビューしてぇぇぇぇ、と言い続けて十年近く。ああ、才能ないなぁ。

 文化とは融合によって起こるモノ。小説にアニメやマンガの要素を取り入れて、ラノベという新しい文化が出来た。

 そんな感じで既存のメディアに他のメディアの手法を取り入れる事によって新しいジャンルは開発されていた。

 あずまんが大王の「大阪」と言うキャラがなんで革新的だったかというとそれまで関西弁を喋るキャラはどいつもこいつも強気だったり、お喋りだったりと能動的なキャラだったのに、関西弁の天然ボケというキャラを作りだしたために新しかった……て説を聞いた事がある。情報ソースは思い出せない。

 それでもって、ビジュアルノベルがライトノベルを育てた……というのは凄い極論というか曲論に思える。

 スレイヤーズと前後する時代に出ていたノベル系ゲームといえば、「弟切草」とかの「サウンドノベル」それが「季節を抱いて」みたいなのがPSで出た。んで、ノベル系とは少し離れたポジションで少し前に「ときめきメモリアル」みたいなのがあった。

 それよりもずっと前にPCのエロゲなんてものはあった。

 でも、Win95以前のMS-DOS系のエロゲなんて世間一般からすればかなりのドマイナーだったと思う。

 それがWin95・98の興隆を受けてガスッと一般に流布した。気がする。

 VHSがエロビデオによって流布したのと似たようなことも起こってたんじゃないかねぇ。

 ここら辺で、色んなジャンルが混ざった気がする。

 TCG界でも、エロゲ原作のトレーディングカードゲームはバシバシ出たし、マンガ原作のTCG、アニメ原作のTCGもバンバン出た。世紀末はなんかなんでもカードにしてしまえの雰囲気も合ったと思う。

 まあ、それはともかくとして、ラノベとビジュアルノベルでこういう議論が起こってるのは別々の系譜からスタートしたのが、最終的に似た形式に落ち着き、その互換性の高い二つのジャンルを見比べて、ユーザーも作り手もあっちに行ったりこっちに行ったりしてる感じだろうか。

 あーあと、今唐突に思いついたけど、結局最近はビジュアル重視からストーリー重視の面が強くなったからライトノベルユーザーが増えたんじゃないだろうか。

 某大作アニメで「作画と世界観だけは凄い」作品が出て、でも、どんだけ作画と世界観が凄くても「ストーリー」がとてもがっかりだったりしたりした。

 そんな影響で、「見た目はともかく、中身がいいものをくれー」とストーリーに餓えた人達があの某大作アニメの前後に沢山出た気もする。

 とはいえ、やっぱりストーリーはよくても絵の汚いアニメとかマンガは支持されにくい。「ジョジョ」みたいに絵の強烈なモノは受け入れられにくい。

 じゃあどうするか。

○ビジュアル→ラノベの挿絵

○ストーリー→ラノベの内容

 で補完。になったんじゃないだろうか。ラノベの挿絵なら作画が崩れる事はアニメほどは多くない……様に思える。

 とはいえ、小説を一冊まるまる読む元気のない人はやっぱり、アニメ・マンガ・ゲームから出てこない。

 大体、小学校の頃に「アニメを見てました」「ゲームをやってました」「マンガを読んでました」と言う人は数多く居るけれど、「小学校の頃はバンバン小説読んでました!!」なんて言うヤツはとても少ないと思う。

 この辺の事象が小説が他のメディアと一線を画す所だと思う。

 例えば、小学生とかが、オタク向けの「アニメ」「ゲーム」「マンガ」とかを見る・遊ぶ・読む、などした時、「内容は良く分かんないけど、なにか感動した」なーんてことは起こることもちょっとはあると思う。

 でも、小学生がラノベを読んで「内容はよく分かんないけど、無性に感動した」……なんてことにはならないと思う。

 結局、小説は、本人の読解力、あるいは妄想力が必要とされるので、読み手にある一定水準以上の言語能力と知識が要求される。

 んで、ビジュアルノベルは、「ゲーム」と「小説」の中間。なんせ、「小説のゲーム」だもの。

 小説を読み解くだけの力はあるが、小説を読み切るだけの気力とかそんなものがない人達にとっては丁度いい条件。

 なわけで、「ラノベ」と「ビジュアルノベル」の親和性は高い。

 ラノベをビジュアルノベルに出来るし、ビジュアルノベルもラノベに出来る。

 私が今書いてる「Gaia Fragments」も知り合いから

「ネットで小説なんて流行らないからビジュアルノベルにしたらどう?」

 なんて言われる。

「で、ビジュアルノベルで売れたら小説として本を出せばいいじゃーん」

 みたいな事を言われた。

 私としては

「売れるビジュアルノベル作るだけの技量があればとっくにメジャーデビューしてるわぁぁぁ」

 と頭を抱えるところ。

 ま、それはいいとしてラノベユーザーにとって、ビジュアルノベルは

「手軽に読める小説」

 という認識が強い……気もする。

そんな訳で2

 結局、ビジュアルノベルもラノベも形式は似通っているが、互いに影響を受けていたかというと、それはみんなが思ってるほどじゃないと思います。

 ちなみに、確かどっかの雑誌で、奈須きのこ氏は小説を書いてたけど、長すぎる小説はどこの大賞の規格にも合わなかったので、コンパイル辞めた武内さんが「じゃ、一緒にゲーム作らないか」としたのがType-Moonの始まりだとか。

 それで売れたType-Moonの話を聞いて、小説家志望の人間達がゾクゾクとビジュアルノベルを作りだしてる気がします。

 なんていうか、「Nscripter」とか「吉里吉里」の解説本が次々と出てますもん。

 なわけで、ハルヒによってラノベに人が流れてる――という読者は確かに居るだろうけど、作り手の方は、「月姫」や「ひぐらし」の成功を受けて「俺も俺も」と今ビジュアルノベル作ってる最中だろー、って感じです。

 参考になった!、と思った方はWEB拍手よろしく。

 ついでに私が書いてる小説もよろしく。↓

Gaia Fragments

koutyalemonkoutyalemon 2006/11/17 03:18 突然失礼いたします。
はてなブックマーク経由でやってまいりましたー。
大変興味深く拝読しましたので足跡を残したいと思います。
ぺたぺた。スレイヤーズは良いですねー。
私もTRPG世代なので懐かしいです。
http://d.hatena.ne.jp/koutyalemon/

PhilosPhilos 2006/11/17 05:04  私の文章なんかがブックマークに登録されていたとは……。
 なんにせよ、コメントありがとうございます。
 私達の世代はスレイヤーズがラノベへの扉を開いてくれたと思います。
 今じゃ、古典に位置するんでしょうけど、やっぱり好きですねぇ。

一読者一読者 2006/12/14 09:53 興味深く拝読いたしました。ただ、リンク先のエントリ「ライトノベルの揺籃」も読んだのですが、先方の「筆者から強調しておきたいのは,今日見られる「ライトノベル」は美少女ゲームが育てたものである,ということだ。」という文章中にある“今日見られる「ライトノベル」”が指示しているのは、“2004年以降のライトノベル作品”なのではないでしょうか? ですから、「スレイヤーズ」等のライトノベルを育てたのが美少女ゲームだと主張しているわけではない、と思われます。
 とはいうものの、リンク先記事が推定している「クリエイターの移動」、つまり現在(2004年以降)のライトノベル界の主流は美少女ゲームのシナリオライターが流入したことによって支えられている、という仮説の真偽は不詳です。