「第二・第三成人の日」制定へ

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政府が設置している「人生100年時代構想会議」が、2019年度の施策として「第二・第三成人の日」制定を提言し、政府もこれを受け入れる見通しであることが20日、明らかとなった。

人生100年時代構想会議」は、今後、寿命100歳を超える人生がごく普通に見られる「超長寿社会」を迎えるわが国において、人生をより充実したものとしていくために必要な「人生の再設計」等の在り方について議論する場として、昨年9月に設置されたものだ。
安倍首相が議長を務め、関係閣僚のほか多様な有識者が参加する形で議論が続けられてきている。

そうした議論のなかで焦点となってきたのが「長い人生の節目をどう作り、どう生かすか」という点だ。
現在、人生の節目を飾る行事としては、20歳の「成人式」と60歳の「還暦」の2種類が代表的なものとなっている。ただ、これらは平均寿命が70歳程度であった時代の名残であり、人生100年という長さを考えれば、人生を見つめ直し、心機一転再スタートできる、新たな節目がもっとあるべき、という議論だ。


そしてその具体案として出てきたのが「第二成人の日」「第三成人の日」という国民の祝日の新設だ。
「第二成人の日」は、その年に満40歳を迎える国民を祝い、「第三成人の日」は同じく満60歳を迎える国民を祝うためのものとして設けられる。
また、従来から存在する「敬老の日」は、名称を「第四成人の日」に変更のうえ、高齢者全般に対して、これまでの努力に対する敬意を表すとともに、満80歳を迎える国民を特に祝うための日として新たに位置付けるという案になっている。


「第二成人の日」では、社会人として20年前後の経験を積んできた国民に、これまでの経験を振り返り、自身として頑張った点・足らざる点を自ら考えてもらい、今後の人生をさらに有意義なものにするためのきっかけにしてもらうのが主眼。
20歳の成人式同様、同級生が一堂に会する「第二成人式」を各自治体で開催し、お互いの成長ぶりを確認し、刺激を与え合う場とすることも想定している。
近年、20歳の新成人が式場周辺で飲酒や暴走、式場内で騒ぐ「荒れる成人式」が問題となっているが、「第二成人式」が、大人らしい落ち着いたものになるのか、あるいは「若者に負けてられるか」と、「40歳の乱痴気騒ぎ」を見せることになるのかはやや見通し難いようだ。
第二成人式に着ていく服装としてどのようなものを想定すべきか等、詰めるべき論点は多数ある、というのが会議出席者の共通した見方だ。


「第三成人の日」は、還暦を迎えた国民について、「まだまだ人生折り返し点に来たばかり」であることを認識させ、これまでの経験を今後の長い人生においてどう活かすか、真剣に考えてもらう契機とするための祝日として設置する。
還暦のトレードマークであった「赤いちゃんちゃんこ」は老人色が強いことから廃止し、男性は赤色のスーツ、女性は赤色のドレスで「第三成人式」に参列してもらうことを想定。
綾小路きみまろのような、赤い衣装に身を包んだ出席者だらけの会場は、かなり壮観なものになることが予想される。

残された論点のうち、大きなものが「それぞれの祝日をいつにするか」という問題。
全く祝日がない6月に、第三成人の日を配置することは全員の了解を得ているが、第二成人の日をどうするかで議論が紛糾している模様だ。

多くの閣僚が推しているのが「5月1日」とする案。
現在の祝日法では、祝日と祝日に挟まれた日は「休日」になるとされている。もし5月1日が「第二成人の日」となれば、4月29日のみどりの日、5月3日の憲法記念日があるため、5月5日のこどもの日も勘案すれば、毎年確実に、4月29日から5月5日まで祝休日が連続することとなる。
土日の並びによっては、最大で10連休が誕生することになるため、「レジャー消費増加を通じた経済成長への効果が大きい」と、閣僚らは乗り気だ。
一方、有識者メンバーは慎重姿勢を崩さない。
仮に5月1日となった場合、第二成人の日は超大型連休のど真ん中に配置されることになり、「第二成人式」への出席率が極めて悪くなる可能性が高いからだ。「第二成人の日により生じた大型連休のせいで、第二成人式自体が盛り上がらない」というのは本末転倒だ、というのが有識者らの言い分だ。
最終的な決着は、来年5月1日の新天皇即位を控える宮内庁幹部等も交えて議論される見通しだという。

なお、政府は、「第二成人・第三成人に該当する国民は極力式典に出席し、これまでの人生・これからの人生を真剣に考える有意義な契機としてもらいたい」としており、出席したくなるインセンティブを付与する方向で検討を進める模様だ。
費用をかけないインセンティブ、ということで現在有力となっているのは「第二・第三成人式に出るごとに、選挙権を追加でプレゼントする」というもの。
つまり、40歳で第二成人式に出席すれば、以降の選挙では2票分の投票が出来、さらに第三成人式にも出席すると、3票分の投票が可能になるという案だ。
1票の格差をめぐる議論があるなかで、世代間格差まで助長することになるこの案については、学者を中心に強い反対意見が出ており、最終的にどう決着するかは不透明だ。

以上のとおり具体的な施行イメージは決まっていないものの、近いうちに「第二成人式」「第三成人式」の対象者になりそうな方は、これまでとこれからの人生を考えるなど、早めに心構えをしておいた方がよさそうだ。