2011-07-14
6月の読書メモ(科学)
Mad Science ―炎と煙と轟音の科学実験54 (Make:PROJECTS)
- 作者: Theodore Gray,高橋信夫
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/05/24
- メディア: 大型本
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全カラーで,いろんな科学実験54のレシピを紹介。ただし危険。しょぱなが,ナトリウムにボンベの塩素を混ぜる製塩法。反応容器の上に吊り下げたポップコーンに塩味をつけようという寸法。ポップコーンを入れてた網は熱で溶け,反応容器に落ちたコーンが弾けて,燃え盛る金属ナトリウムがまき散らされる。危ない…。
ほかにも,水銀を使ったファラデーモーター,液体窒素を使ってアイスクリーム作り,水素のシャボン玉に火をつけて爆発,などなど危険な実験が満載。さすがに自分でやってみようとは思わなかった…。
写真が多くてビジュアルが良いので,子供たちと眺めたりも。低融点合金でできた,湯で熔けるスプーンとか,重水で作った水に沈む氷とか,なかなか興味深いらしく良く見てた。
図解・感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上へ (ブルーバックス)
- 作者: 岩堀修明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/21
- メディア: 新書
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動物の感覚器はどのように作られてきたのか。視覚,味覚,嗅覚,平衡・聴覚,体性感覚の五感について,無脊椎動物から哺乳類まで,くわしく見ていく。
動物にとって感覚器は,外界の様子をキャッチして,適切な行動をとるために不可欠の器官だ。視覚器は周囲の状況を光で感知し,味覚器は摂取する物体が安全か危険かを判断するなど。ただ人間の味覚など,毒見というよりは美味を堪能する文化的な機能のウェイトが大きくなっていることも興味深い。
感覚器からの情報が脳に伝わると「感覚」が起き,それに強さや時間的経過が加味されて「知覚」になり,さらにそれが経験に基づいて解釈されて「認知」となる。
刺戟と感覚器のどちらが欠けても「感覚」はありえない。またどんな感覚が起こるかは,刺戟の種類でなく感覚器の種類で決まる。例えば視細胞は光だけでなく機械刺戟にも反応するが,その機械刺戟で生ずる感覚は光を見た感覚になる。視細胞からの信号は視覚中枢に送られるからだ。
進化の過程で感覚器がどう変化してきたかというのも大変面白い。視覚器ははじめ体表に分布した明暗を識別する程度のものだったが,それが次第に集まり,凹みをつくるようになって,光の来る方向を識別できるようになる。そして入口が狭くなって,ピンホールカメラのようになり,それでは光量が不足するのでレンズができて,さらに明暗に対応するため絞り(虹彩)ができた。無脊椎動物の視覚器は皮膚由来,脊椎動物では脳由来だが,両者の進化が結局は似たような構造に落ち着いている(収斂)のも興味深い。哺乳類の視覚器など,カメラとそっくりで,収斂現象は生物の進化の範疇にとどまらないかのよう。すごい。また,進化の過程で使われなくなった感覚器は退化する。典型的なのは,光の届かない地中や深海,洞窟で暮らす生物が視覚器を失っていること。
ただ,どんな動物にも共通する感覚器がある。それは平衡覚器で,重力の方向を感知し,体の傾きを知る。面白かったのが,ザリガニの平衡覚器。平衡覚器の中央には小さな石があり,その偏りによって重力を感知している。普通はその石は体内で自前で作るのだがザリガニは違う。ザリガニは水底の砂を自分で平衡覚器に入れて,その偏りで重力の方向を感知する。脱皮のたびに砂は排出されるので,ザリガニを砂のない水槽で飼うと,脱皮後に平衡感覚を失って転げてしまうという。さらにザリガニを砂鉄を敷いた水槽で飼うと,脱皮の後に砂鉄を平衡覚器に入れてしまい,磁石を近付けると,そちらが下の方向と勘違いして奇妙な動きをするそうだ。へえ,初耳だ。
体性感覚とは,皮膚や筋肉で感じる感覚。皮膚の方は触覚,温覚・冷覚,痛覚とおなじみだが,筋肉で感じる「固有感覚」は知らなかった。腕がどのくらい曲がっているか,とか,どれだけ力を出しているか,というのを無意識に自覚して動作をしているが,それが固有感覚。
最後の章は,まとめとしてクジラの感覚器について。「進化は後戻りできない」の例として,陸へ上がった後再び水中へ帰ったクジラの感覚器を見ていく。結構盛りだくさんで楽しめる本だった。
みんなが知りたい化石の疑問50 一部の化石からどうして全体がわかるの?映画のようにDNAから恐竜を再生できる? (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 北村雄一
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2011/03/18
- メディア: 新書
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化石には地球生命の歴史が詰まってる。古生代,中生代とか,三畳紀,ジュラ紀,白亜紀とか地質年代は出てくる化石の種類で分けられてるから,実は生物を指標にした年代区分。
地球の生命は,何回か大量絶滅を経てきていて,地質年代の境目がちょうどその時期に当たる。例えば白亜紀末期の6500万年前,ユカタン半島に落下した大隕石によって恐竜が滅んだ,とか。隕石に含まれていたイリジウムがこの時期の地層で大量に検出されていて,すでに定説。
化石と言うと恐竜だけど,もっと重要なのは三葉虫とかアンモナイト。これらは往時の地球上に広く分布し,時代的にも長く反映して様々に進化したので,示準化石として有名。地層からどんな三葉虫が出たかで,その時代が特定でき,その地層の積み重なり方で上下の層の年代も分かる。
カラー写真が多数。豆知識もいろいろとあって,なかなか楽しめた。娘たちも興味深そうに眺めていた。恐竜図鑑が欲しくなったなあ。
- 作者: クリス・インピー,Chris Impey,小野木明恵
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/01/21
- メディア: 単行本
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「終り」についての本。天文学者の著者が,個体としての人の死から,宇宙の最後までを描く。「終り」を語ることは未来を語ることで,とても魅力的。
個体の終り,人生の終り,文明の終り,生命の終り,地球の終り,太陽系の終り,銀河系の終り,宇宙の終りが語られて,マルチバースまで。実に壮大な話。
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2011/03/02
- メディア: 単行本
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シリーズ第4作。高校生の「僕」が同級下級の少女たちと数学する物語。ストーリーはかなりこっぱずかしい(萌える?)のだが,数学の内容は確か。確率・統計とアルゴリズムについてしっかり学べる。
思えば著者と同姓ということで読みはじめたのだった。そしたら,新登場の少女が何とうちの長女と同名だった。
「乱択アルゴリズム」は「randomized argorithms」の訳だけど,「ランダムに選択する」んだから日本語の名の方が体をよくあらわしてるな。
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