Polyhedronの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2015-09-03

距離が2種類になる平面上の4点の配置

23:41 | 距離が2種類になる平面上の4点の配置を含むブックマーク 距離が2種類になる平面上の4点の配置のブックマークコメント

久々の更新になります。見ておられる方いるかどうか…。

まあそれはともかく,今回は平面幾何のパズルです。

問題はタイトルの通りなのですが,ちょっと簡略化した「平面上で,距離が1種類になる3点の配置は?」という問いなら簡単ですね。

答えはただひとつ。そう,正三角形の頂点の配置しかありません。

本題は「平面上で,距離が2になる4個の点の配置は?」というものですが,これはぐっと難しくなります。いくつかはすぐに思いつくと思いますが,全部で6パターンあります。

答えは下のリンク先にまとめてありますので,できた方,ギブアップの方は御覧ください。次元を上げたバージョンについても考察しています。

互いの距離が2種類であるような平面上及び空間内の点配置について - Togetterまとめ http://togetter.com/li/868781

2013-10-02 ラウスの定理から このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

久々の更新。メモ程度だけど。

入試問題とかで有名な話。

三角形の各辺の三等分点と,それぞれに向かい合う頂点を,向きを揃えて結ぶと,もとの三角形の1/7の面積の三角形ができる。

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これはラウスの定理の一例になっている。

http://en.wikipedia.org/wiki/Routh’s_theorem

三等分点は各辺に対して二つあるけど,向きを揃えて結べば,もとの三角形の1/7の面積の三角形ができるのは同じ。これは当たり前。

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五等分点にすると,小三角形の面積は3倍になる。

三角形の各辺の五等分点(頂点に近い方)と,それぞれに向かい合う頂点を,向きを揃えて結ぶと,もとの三角形の3/7の面積の三角形ができる。

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五等分点には,頂点から遠いものもある。

三角形の各辺の五等分点(頂点から遠いもの)と,それぞれに向かい合う頂点を,向きを揃えて結ぶと,もとの三角形の1/19の面積の三角形ができる。

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向きを揃えなければ,また面積が変わってくる。

三角形の各辺の三等分点と,それぞれに向かい合う頂点を,向きを揃えずに結ぶと,もとの三角形の1/70の面積の三角形ができる。向きを揃えたときの1/10の面積に。

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五等分点になると,だいぶ数字が汚くなってくる。

三角形の各辺の五等分点(頂点に近いもの)と,それぞれに向かい合う頂点を,向きを揃えずに結ぶと,もとの三角形の2/63の面積の三角形ができる。向きを揃えたときの2/27の面積。

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とりあえず最後。

三角形の各辺の五等分点(頂点から遠いもの)と,それぞれに向かい合う頂点を,向きを揃えずに結ぶと,もとの三角形の3/532の面積の三角形ができる。向きを揃えたときの3/28の面積。

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2011-10-06 準結晶と菱形多面体 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 今年のノーベル化学賞は,準結晶の発見者,ダニエル・シェヒトマン氏だそうです。

 準結晶については,佐藤郁郎さんの「今月のコラム」で聞きかじっていて,なんとなく知ってはいたのですが,偉大な業績だったんですね。

 佐藤さんの,5回対称性と準周期的結晶によれば,シェヒトマン氏の発見した合金の準結晶は,ペンローズタイルを3次元空間に一般化したものだそうです。ペンローズタイルは,黄金菱形六面体による非周期的な空間充填を,二次元平面に投影したもの。非周期的な平面充填形として有名です。今回のノーベル賞は,化学だけでなく,物理や幾何学とも密接なかかわりをもつ研究成果に与えられたのですね。

 菱形多面体は,高次元の立方体三次元空間への投影になっています。菱形多面体について,いくつか記事を書いているので,そのリンクを貼っておきます。

・菱形多面体と正多面体

・菱形十二面体のCG

・菱形三十面体のCG

・菱形充填

・黄金菱形多面体

・黄金菱形六面体を積み上げる

・黄金菱形六面体を積み上げる(その2)

・菱形六十面体と大きな菱形三十面体

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↑左が菱形六十面体,右が菱形三十面体

 最後の「菱形六十面体と大きな菱形三十面体」では,黄金菱形六面体を積み上げて,菱形三十面体を作っていますが,これを平面に投影するとペンローズタイルの一部が得られます。この菱形三十面体からさらに外側に黄金菱形六面体を積み上げていくことができて,しまいには空間が充填できます。これを二次元投影すれば,完全なペンローズタイルが得られます。

 ペンローズタイルは二次元準結晶三次元準結晶は,より高次元の結晶の三次元への投影になっているというわけです。

流閃流閃 2011/10/08 02:59 こんばんは。お久しぶりの更新ですね。改めて過去記事などを読ませていただきまたが、1つの多面体とその背景にあるいくつもの多面体の多面体の関係がきちんと整理されていて勉強になります。CGもとても綺麗なので、多面体を天体に喩えれば、宇宙旅行しているような感じです。
今回の記事のペンローズタイルという名や非周期充填という言葉も表面的には知っていましたが、有限の広がりのなかの非周期というのは想像できるものの、それを無限の範囲に拡大しても一切周期性が表れないというものなのでしょうか? 想像できないほど不思議です。今後の更新も楽しみにしています。

PolyhedronPolyhedron 2011/10/10 17:58 流閃さん,めったに更新しないのに御覧いただいてありがとうございます。最近CG多面体からも遠ざかっていてもうやり方を忘れてしまった感じもありますが,時間ができたら再挑戦してみたいと思います。流閃さんのようなCGもやってみたいなぁ。
ペンローズタイルは無限に広げても一切周期性が現れないのです。確か,谷岡一郎さんの『エッシャーとペンローズ・タイル』(PHPサイエンス・ワールド新書)にわかりやすい説明があったと思います。

のりさんのりさん 2011/10/15 01:02 お久しぶりですね。
今までいろいろと参考にさせて頂きました。
正十二面体から菱形三十面体とか、立方体から正十二面体とかCGを見て作ってみました。
たまには記事を書いてくださいね。

ちょっと難しいのでなかなかうまいコメントは書けませんが、また宜しくお願いします。

PolyhedronPolyhedron 2011/10/16 22:18 のりさん,ほんとお久しぶりです。
参考になったら幸いです。舌足らずなところもあると思うので,わかりにくい記事あったら,昔のやつでもぜひ聞いてくださいね。

2011-04-19

立方体の爆縮

| 23:54 | 立方体の爆縮を含むブックマーク 立方体の爆縮のブックマークコメント

立方体の爆発

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 立方体は,各面を底面とする6個の合同な正四角錐に分割することができる。これらの正四角錐は,頭頂点がすべて立方体の中心に集まっている。この状態から,正四角錐をまっすぐ外へ移動させていくと,立方体が6個の破片になって飛んでゆくように見える。いわば立方体の爆発である。

爆発6.gif 直動画はこちら

 立方体八面体対称である。そして立方体を上のように6の破片に分割した図形も八面体対称である。この対称性は,破片が移動しても損なわれることはないから,爆発の全過程を通じて八面体対称は保たれている。

・空間充填八面体

 6個の正四角錐は,底面が互いに垂直な3つの方向を向いている。正八面体を,断面が正方形になるように二等分した形をしている。これを2つ集めると,正八面体を1つの点心軸方向に潰した形の八面体(双正四角錐)ができる。8つの面はすべて合同な二等辺三角形である。

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 この八面体は,これ一種類だけで空間を充填する。平行移動のみでは充填できないが,3つの直交する方向に向けて並べてやればよい。立方体による空間充填において,各立方体を6つの正四角錐に分割し,底面を共有する2つをくっつけて双正四角錐にすれば,この八面体による空間充填が得られる。

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 この空間充填から八面体をうまく6個取り出すと,菱形十二面体になっている。もちろん,菱形十二面体は平行移動によって空間を充填する立体である。菱形十二面体の平行移動による空間充填を,さらに細かくしたものが,上の八面体による空間充填と一致する。

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立方体の爆縮

 爆発とは逆に,破片が内側に飛んでいくとすると,どのような図形が得られるだろうか?破片同士は干渉せずに互いにすり抜けるとする。内側に爆発するのでこれを爆縮と呼ぼう。

 初めのうちは,各角錐の頭頂点は,図形の内側に隠れていて表に現れてこない。角錐の底面付近が隣接する角錐底面と重なり合って縁取りのようになり,その縁取りがどんどん太くなっていく。

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 あるところで,菱形十二面体の星型が現れる(上右図)。「星型」とは,多面体の面を多面体の外へずっと広げていって,他の面と交叉したところを稜とした多面体である*1。これは先ほどの空間充填八面体3つの複合多面体と見ることもでき,3つの八面体の共通部分が芯の菱形十二面体になっている。

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 さらに移動が進むと,角錐の底面(正三角形)が内側,側面(直角二等辺三角形)が外側に来て,内部にまるっきり立方体の空洞ができる。この状況がしばらく続いて,角錐相互の重なりが解消すると,角錐底面が立方体の面の位置に来る。これは菱形十二面体そのものである。菱形十二面体は立方八面体の双対であり,実は爆縮の過程を通して一貫して見えている。中央の一点から始まって,爆縮が進むにつれてどんどん大きくなる。

 以上の過程を動画にしてみた→爆縮6.gif 直

 動画をじっくり見ていると,内部の菱形十二面体がだんだん大きくなっていく様子がわかるはずだ。

 爆縮の場合も爆発の場合と同様に,全過程を通じて図形は八面体対称である。

立方体のひねり爆縮

 この爆縮にひねりを加えてみよう。角錐を少しづつ回転させながら飛ばすのだ。ライフルの弾丸のように。このひねり爆縮の間,図形は八面体対称であるが,鏡映対称とは限らず,一般にキラルな図形になる。

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 回転角度をうまく調節して,最終的に角錐の底面が,立方八面体の正方形の面の位置に来るようにしてみよう。これで立方八面体にツノをつけた形が得られる。爆縮が始まってからずっと失われていた鏡映対称性が,この時点で再び回復している。外観は,正八面体を膨らましたような形だ。正八面体の紙風船があったら,こんな形だろうか。

 動画はこちら→ひねり爆縮6.gif 直

*1:多くの場合,どの面とどの面の交叉を稜とし,どの稜とどの稜の交叉点を頂点とするかによって,一つの多面体から複数種の星型多面体が得られる。菱形十二面体の場合は自身を含めて5種の星型がある。

のりさんのりさん 2011/04/24 11:23 今日は感激です!
私が2年もこの形にこだわってブログを続けてきたことが思い出されます。
あ〜これは私が星形多面体と言っている、私を虜にした立体です。
菱形十二面体の星形と言いきっていいんですね。
そして空間充填八面体3個の複合多面体なんですね。
小さい八面体はいろいろ組み合わせて遊んでいました。
こういう風に説明ができたらいいですね。
この説明からいうと当たり前かもしれませんが、菱形十二面体の星形も空間充填立体ですね。
勉強になりました。また宜しくね。

PolyhedronPolyhedron 2011/04/27 23:41 のりさん,お久しぶりです。おなじみの立体だったのですね。
空間充填八面体3個の複合多面体としてとらえるなら,空間充填多面体と考えてよいのかもしれませんね。空間を三回充填するわけですが。
ただ,これを菱形十二面体にツノを付けた非凸多面体ととらえると,空間充填は,しないのではないかと思います。平行移動のみでは無理ですし,向きを変えてもうまくいかなそうです。
最近はtwitterをしててあんまり更新してませんが,またよろしくお願いします。

流閃流閃 2011/05/03 01:21 お久しぶりです。
立方体、裏返せば白銀菱形十二面体、みたいなのを透明樹脂で作れるかなあなどと考えていたのでびっくりです。
立方体の爆縮であの空間充填多面体が出現してまたびっくりでした。
ぼくは自分自身で星型化の概念を正しく理解していないような気がしますが、白銀菱形十二面体の星型とエッシャーの立体は同一である一方、空間充填八面体×3とはひょっとして違う物なのでしょうか?
海外のサイトですが、別々に取り上げられて、どこか何かが数値上異なっていた記憶があって気になっているのです。

流閃流閃 2011/05/04 23:24 上のコメントはあやふやな記憶を元にして書いてしまったので、書き直します。
下記のエッシャーの立体に関するデータになぜ白銀比が出てこないのでしょう?
このデータは正しいのでしょうか?
気になってしまって。
http://www.wolframalpha.com/input/?i=Escher%27s+solid

PolyhedronPolyhedron 2011/05/06 05:08 流閃さん,お久しぶりです。
Escher's solidと言うのですね,初めて知りました。
リンクを見ましたが,非自己交叉の非凸多面体としてとらえたsolidということのようですね。空間充填立体とも記載されていて,のりさんへの私のコメントは間違いかもしれません。
白銀比出てこないのは不思議ですね。稜の長さが三種類あるのですか…。二種類で,2:√3のような気がしますが,どうなんでしょう?

2011-02-28

正八面体の爆縮

| 23:02 | 正八面体の爆縮を含むブックマーク 正八面体の爆縮のブックマークコメント

・正八面体の爆発

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 正八面体は,各面を底面とする8個の合同な正三角錐に分割することができる。これらの正三角錐は,頭頂点がすべて正八面体の中心に集まっている。この状態から,正三角錐をまっすぐ外へ移動させていくと,正八面体が8個の破片になって飛んでゆくように見える。いわば正八面体の爆発である。

爆発8.gif 直動画はこちら

 正八面体は八面体対称である。そして正八面体を上のように8の破片に分割した図形も八面体対称である。この対称性は,破片が移動しても損なわれることはないから,爆発の全過程を通じて八面体対称は保たれている。

・正多面体による空間充填

 8個の正三角錐は,3つの側面が互いに垂直。立方体の1つの頂点を,断面が正三角形になるように切り取った形をしている。これを4つ集めると,中に正四面体の空洞がある立方体ができる。正四面体の稜は立方体の各面の対角線と一致していて,正四面体は立方体に内接している。

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 ということは,稜長1の正八面体1つと,同じく稜長1の正四面体2つから,稜長√2の立方体が2つ作れるということだ。これは空間充填と関係がある。

 たくさんの正八面体を,互いに稜が一致するように平行移動しながらつなげていく。そのとき,隣接正八面体の面同士は重ならず,間に隙間ができる。この隙間は,4つの正八面体の面で囲まれているので,正四面体である。

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 上右図で,正四面体の窪みができているのがわかるだろう。だから正八面体間の隙間を埋めると,正八面体と正四面体による空間充填になる。この空間充填において,正四面体は,周りの4つの正八面体から正三角錐を1つづつもらって立方体になれる。正八面体の周りには8つの正四面体があるから,この操作によって正三角錐は余らずに,立方体による空間充填が得られる。目を凝らして上右図を見れば,個々の正八面体の内部に隠れている稜線がその立方体の稜になっているのがわかる。

 正多面体のみによる空間充填は,この二種類しか存在しない。その二種類が,このように相互に変換可能なのである。

・正八面体の爆縮

 爆発とは逆に,破片が内側に飛んでいくとすると,どのような図形が得られるだろうか?破片同士は干渉せずに互いにすり抜けるとする。内側に爆発するのでこれを爆縮と呼ぼう。

 初めのうちは,各角錐の頭頂点は,図形の内側に隠れていて表に現れてこない。角錐の底面付近が隣接する角錐底面と重なり合って縁取りのようになり,その縁取りがどんどん太くなっていく。

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 あるところで,一様多面体の星型切頂六面体が現れる(上右図)。一様多面体とは,正多角形のみでできていて,どの頂点も区別のつかない多面体である*1。正多面体や半正多面体は凸な一様多面体であり,星型正多面体は非凸な一様多面体である。

 星型切頂六面体も非凸な一様多面体で,星型正八角形(正8/3角形)6枚と,正三角形8枚でできている。正八面体の破片は,正三角形を底面とし,底角45°の二等辺三角形*2を側面とする正三角錐なので,これ8個で,正三角形は8枚。二等辺三角形は24枚で,4枚づつ重なって星型正八角形を形づくる

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f:id:Polyhedron:20101009001547g:image:right さらに移動が進むと,角錐の底面(正三角形)が内側,側面(直角二等辺三角形)が外側に来て,外形がまるっきり立方体になる。この状況がしばらく続いて,角錐相互の重なりが解消すると,角錐底面が立方八面体の正三角形の面の位置に来る。これは立方八面体にツノをつけた形になっている。立方八面体は,立方体を稜の中点まで切頂した形であって*3ツノがまさに切られた頂点に該当する。

 立方八面体の正三角形の面の位置は正八面体と共通だが,角度は60°ずれている。正八面体では,対向する平行な面がちょうど60°回転した関係にある(面心図参照)ので,正八面体の爆縮で立方八面体ができるのだ。

 以上の過程を動画にしてみた→爆縮8.gif 直

 爆縮の場合も爆発の場合と同様に,全過程を通じて図形は八面体対称である。

・正八面体のひねり爆縮

 この爆縮にひねりを加えてみよう。角錐を少しづつ回転させながら飛ばすのだ。ライフルの弾丸のように。このひねり爆縮の間,図形は八面体対称であるが,鏡映対称とは限らず,一般にキラルな図形になる。

f:id:Polyhedron:20110222224459g:imagef:id:Polyhedron:20110224001948g:image

 回転角度をうまく調節して,角錐が自分の高さの2倍の距離移動したときに60°回っているようにしてみる。このとき角錐の底面は,もとの正八面体の面と一致しているので,これは正八面体にツノをつけた形になっている。爆縮が始まってからずっと失われていた鏡映対称性が,この時点で再び回復している。

 動画はこちら→ひねり爆縮8.gif 直

f:id:Polyhedron:20110224001953g:image:right 爆縮とひねり爆縮のいづれにおいても,その過程では,正三角錐8個からなる複合多面体*4が現れている。ひねり爆縮の場合,途中で角錐の底面が2個づつ一致して,双三角錐4個からなる複合多面体になる瞬間がある。右図に示したものが,その三角錐4個の複合多面体である。もちろん正複合多面体*5ではない。

 双三角錐ごとに色分けして表示したものも掲げておこう。

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*1:これに対して,正多角形のみでできていて,どの頂点の区別がつく凸多面体がジョンソン立体である。

*2:もちろんこれは直角二等辺三角形

*3:もちろん立方八面体は,正八面体を稜の中点まで切頂した形でもある。

*4:互いに交叉する複数の多面体を,その位置関係を含めて一括してとらえた三次元図形。多面体の複合体。

*5:すべての面,すべての稜,すべての頂点がそれぞれ区別できない複合多面体で,5種類ある。

のりさんのりさん 2011/03/03 23:22 あ〜これだ!納得しながら読ませていただきました。
私も今このあたりをやっていて、正八面体、星形八面体、立方体、立方八面体をひとつの立体にしたものを作っているところです。
大変興味深く見せて頂きました。
きちんと説明がされていますね。

oodzunadairaoodzunadaira 2011/03/05 19:34 爆縮シリーズ興味深いですね。特に星型切頂六面体が現れるのは驚きでした。
まだまだ多面体には面白い操作があることを感じさせられますね。
自分でも色々考えてみたくなりました。

PolyhedronPolyhedron 2011/03/05 20:13 のりさんの形が変わる立体も楽しいですね。正八面体、星形八面体、立方体、立方八面体をひとつの立体にするってどんな感じなのかな?ちょっと想像つきません。
星型切頂六面体は私も意外でした。八面体対称な一様多面体で似たのがあるかなーと眺めていたら,ぴったり一致するのを発見しました。