開幕したチェコロック祭の見どころ解説(アンダーグラウンド界の鬼才集合なので、誰が誰やらわからない、という人のために)

初日から充実のKBBとMCH Bandの放つダークな熱気につつまれたMusic Arts [Czech - Japan] 2008、本日は3度目の来日となるユニークな高速変態ハイテンション音楽のUz Jsme Domaと、久々に活動を再開した鬼才・鬼怒無月が率いるBondage Fruitが激突。生憎の天気ですが、混雑が予想されるので当日券はお早めにどうぞ。期間中特別に会場で提供されるチェコビールとチェコ料理もぜひお楽しみに!
 
明日15日には、オープニングアクトとして、新世代のジャズロックのスタイルを切り開く新進気鋭のFresh!が登場。続いて、アンダーグラウンド音楽界の怪物・清水一登が「いま一番やりたいこと」と言うハルキゲニアがいよいよデビュー、その全貌が明らかになる。アレポス、キリングタイム、ヒカシュー、真○月、梅津数時、真○月、あるいは川上未映子ゴンチチなどで多彩な活動を続けている清水一登だが、鬼怒無月芳垣安洋とのトリオ=オパビニアに次いで先カンブリア期の古代生物の名前を冠したこのユニットは、アマチュア時代のガラパゴスから脈々と続く、清水一登のライフワークとも言えるメインラインの作品系列の最新の成果と言えるもので、このユニットのための新曲の他、おU、オパビニアの曲も、生ピアノをフィーチャーした新たなアレンジで演奏される。天然自然でありながら究極の異形異彩を放つ清水一登の音楽は、まさにオルタナティヴ・ネイチャーを体感する、音楽を聴く上でも最高にエキサイティングな経験だろう。今回のステージでは、非妥協的な表現活動で注目を集めるヴォイス・パフォーマーの山崎阿弥がゲストとして参加し、またメンバーとパヴェルとのコラボレーションも予定されている。
 
チェコ音楽界の至宝と言われ、アーチストの間でもっともリスペクトされるドラマー、パヴェル・ファイトの貴重なステージは絶対に見逃せないだろう。近年取り組んで来ていまや完成の域に達したエレクトロニクスを駆使した圧巻のソロ・パフォーマンスは、チェコ音楽特有の豊かなイマジネーションが生み出す深い幻想性の源泉に触れる思いがする。音楽だけではなく様々なアーティスティクな表現の領域で造詣の深いパヴェルだが、舞踏家の田中泯とも交友があるなど日本の舞踏にも深い共感を持っており、今回のステージでは彼の希望から、ゲストとして大野一雄門下の第三世代舞踏家・岡佐和香を迎えてのコラボレーションを試みる。