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性分化疾患:PracticaDSD このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-12-28

先天性副腎皮質過形成(CAH)とは何ですか?この状態は性分化疾患なのですか?

f:id:PracticaDSD:20130514183046j:image:w360:right 副腎は、ホルモンを生成する器官で、男性も女性も持っています。副腎は、背中側、腎臓の上に位置します。副腎が重要な器官なのは、ひとつにはこの器官が私たちの体をストレスから守ってくれる役割をするからです。

 先天性副腎皮質過形成(CAH)とは、副腎が普通に働いてくれない、生まれつきの状態のことを言います。CAHを持つ人は、副腎がちゃんと働いてくれるための酵素を持っていないのです。CAHにはいくつかの種類がありますが、その中には大変深刻なものもあり、しっかりとした医療マネージメントが必要になります。それほど深刻ではないものもありますが、やはり医学的な観察が必要になります。CAHは大変重い疾患ですので、現在日本では新生児全員に対してスクリーニング検査(全員検査)が行われています。

 副腎は、「男性ホルモン」とも呼ばれるアンドロゲンを生成します。ですが、アンドロゲンを生成するのは副腎だけではありません。たとえば精巣もテストステロン(アンドロゲンホルモンのひとつです)を生成しています。子宮の中での高レベルのアンドロゲンは、男性に典型的な発達を促進し、低レベルのアンドロゲンは通常、女性に典型的な発達につながります。 

(46,XX染色体を持つ)女性が、ある種のCAHを持っている場合、CAHは、その女性が、男性特有の方向への発達をさせる原因になることがあります。程度は様々ですが、男性器のような形をした外性器を持って生まれてくることがあるのです。つまり、クリトリスが通常より大きく、陰唇が陰嚢のようにくっついた状態になっており、ヴァギナが完全には形成されず、尿道口とくっついたような状態になっているなどです。一方、(46,XY染色体を持つ)男性の胎児の場合は、性器の発達はCAHの影響を受けません。

 では、CAHは性分化疾患なのでしょうか?性分化疾患の定義を思い出してください。性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」を指す医学用語です。CAHは常に他の人とは少し違った性器の発達を促すとは限りませんので、CAHそれ自体は性分化疾患ではありません。ですが、CAHは、ある種のCAHを持つ女性の外性器の変異の場合、性分化疾患であるとも言えるでしょう。(性分化疾患とは、「男でも女でもない性」「第3の性」「中性」を指すものではありません)。

 実際のところ、外性器形成不全の状態で生まれる赤ちゃんのほとんどが、(46,XX染色体を持つ)女の子であり、この場合、まず生命の危険の可能性が大きいため、早急な医学的検査が必要になります。

 CAHの種類には、21水酸化酵素欠損症、3βヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症、17βヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症などがあります。

 また、CAHには、「後期発症」、つまり、思春期やそのあとまで判明せずに、後に発症するものもあります。

(性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」のことで、「男でも女でもない」「中性」「第3の性」のことや、性同一性障害トランスジェンダーの人々、性自認のことではありません。)

(画像は、先天性副腎皮質過形成を持って生まれた女性ジャネットさん(右)です)。

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