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2017-09-30 『ユリイカ』臨時増刊「蓮實重彦」は事件か

[]『ユリイカ蓮實重彦特集 『ユリイカ』蓮實重彦特集を含むブックマーク 『ユリイカ』蓮實重彦特集のブックマークコメント


もはや御大しか呼びようがない蓮實重彦。氏の特集本が『ユリイカ』10月臨時増刊号として刊行された。



全体として蓮實重彦御大とりまき連中が、オマージュを捧げた書物である。それぞれ関心がある箇所を読めば良い。

巻末に置かれた「平成生まれの読者のための蓮實重彦ブックガイド」が面白かった。膨大な著作類の中から20点を選択しているわけだが、抜けている代表作があり選択問題があるけれど、書き手二人(三浦哲哉入江哲朗)による紹介文が読ませる。

まず20冊の著作リストを挙げよう。

1.批評あるいは仮死の祭典 せりか書房, 1974

2.反=日本語論 筑摩書房,1977

3.夏目漱石論 青土社,1978 

4.映画神話学 泰流社,1979

5.映像詩学 筑摩書房,1979

6.表層批評宣言 筑摩書房,1979

7.監督 小津安二郎 増補決定版 ちくま学芸文庫,2016(初版 1983年

8.映画はいかにして死ぬか フィルムアート社,1985

9.季刊 リュミエール 1〜14号 筑摩書房,1985〜1988

10.オールドファッション 江藤淳との対話 中央公論社,1985

11.映画千夜一夜 淀川長治山田宏一との対談 中央公論社,1988

12.凡庸芸術家肖像 青土社,1988

13.小説から遠く離れて 河出書房新社,1989

14.映画巡礼 山根貞男との往復書簡形式 マガジンハウス,1993

15.ハリウッド映画史講義 (リュミエール叢書筑摩書房,1993

16.スポーツ批評宣言あるいは運動擁護 青土社,2004

17.随想  新潮社,2010

18.映画時評2009-2011,2012-2014  講談社,2012,2015

19.「ボヴァリー夫人」論 筑摩書房,2014

20.伯爵夫人 新潮社,2016


さて以上の20点で、蓮實重彦理解できるだろうか?


随想

随想

「ボヴァリー夫人」論 (単行本)

「ボヴァリー夫人」論 (単行本)

伯爵夫人

伯爵夫人


本を読む前に、基本的映画書物を読んでおく必要があろう。蓮實重彦は、批評家である対象テキストとして、表層的に批評するのが独特のスタイルである

以上の20点に、10点を追加したい。

21.シネマの記憶装置 フィルムアート社,1979

22.大江健三郎論 青土社,1980

23.映画事典 エナジー小事典6 エッソ石油,1985

24.「私小説」を読む 講談社,1985

25.シネマの扇動装置 話の特集,1985

26.小津安二郎物語 厚田雄春インタビューリュミエール叢書) 筑摩書房,1989

27.成瀬巳喜男設計 中古インタビューリュミエール叢書) 筑摩書房,1990

28.光をめぐって インタビュー集(リュミエール叢書) 筑摩書房,1991 

29.傷だらけの映画史 山田宏一山根貞男との対話 中公文庫,2001

30.映画講義 東京大学出版会,2008

勿論しかしながら、リストを追加しても、蓮實重彦理解することは難しい。お経のように延々と続く長い文章、独特の文体に慣れることが求められる。


シネマの記憶装置

シネマの記憶装置

成瀬巳喜男の設計―美術監督は回想する (リュミエール叢書)

成瀬巳喜男の設計―美術監督は回想する (リュミエール叢書)

映画論講義

映画論講義


蓮實重彦古典カノン)となる時が果たしてやってくるだろうか?

その場合カノンにふさわしいのは、

1)監督 小津安二郎

2)凡庸芸術家肖像 マクシム・デュ・カン論

3)「ボヴァリー夫人」論

4)伯爵夫人小説

5)ジョン・フォード論(未刊)

となり、以上の5作品は、カノンたり得るだろう。そのために、『監督 ジョン・フォード 』の刊行が待たれる。



映画フィルムで撮られていた時代24コマすなわち画面として映画を見ることからデジタル化された映画はもはや画面ではなく、ショットを基本に据える見方へ変容する。

小津安二郎ジョン・フォードは、サイレント時代から撮っているフィルム映画監督である

この二人の作家論は「カノン」として記憶されるだろう。

批評家評論家は、記憶として残ることは希有なことに属する。日本近代批評家として「カノン」たり得ている物故者は、小林秀雄吉本隆明の二人しかいない。他の名前を挙げれば、亀井勝一郎中村光夫桶谷秀昭磯田光一等。批評一本の人は記憶から遠ざかる。磯田光一は、小沢書店から磯田光一著作集』を刊行し始め、全10巻の内、5冊まで刊行したところで、小沢書店倒産している。



皮肉にも、『磯田光一著作集』第2巻が、「戦後批評家論」と「吉本隆明論」だった。


論集 蓮實重彦

論集 蓮實重彦

「ボヴァリー夫人」拾遺

「ボヴァリー夫人」拾遺

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