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2009-12-30 今年の回顧:書物

[]本の収穫2009 本の収穫2009を含むブックマーク 本の収穫2009のブックマークコメント

今年の収穫、書籍の部。

村上春樹の新作は、話題が先行しながら、文学作品として異例の大ベストセラーになった。

村上春樹1Q84』(新潮社、2009)

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2


水村美苗日本語で読むということ』(筑摩書房、2009)

水村美苗日本語で書くということ』(筑摩書房、2009)

日本語で読むということ

日本語で読むということ

日本語で書くということ

日本語で書くということ

高山宏『かたち三昧』(羽鳥書店、2009)

かたち三昧

かたち三昧

柄谷行人柄谷行人政治を語る』(図書新聞、2009)

山田宏一和田誠共著『ヒッチコックに進路を取れ』(草思社、2009)

ヒッチコックに進路を取れ

ヒッチコックに進路を取れ

鷲津力編『加藤周一が書いた加藤周一』(平凡社、2009)

加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社、2009)

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』(朝日新聞出版、2009)

13日間で「名文」を書けるようになる方法

13日間で「名文」を書けるようになる方法

内田樹日本辺境論』(新潮新書、2009)

日本辺境論 (新潮新書)

日本辺境論 (新潮新書)


チダ日本論「辺境」の設定は、中心と周縁に寄せて、いわゆる中華思想のなかで、歴史的に日本外来思想の輸入とその日本化という丸山眞男の「執拗低音」に依拠しながら、学問(師と弟子)、言葉真名仮名)に触れることで、内田的「阿吽世界」へ読者を誘導する。

中国から漢字を輸入し「真名」と、日本固有のことばを漢字から作成した「仮名」としたことが、まさしく辺境を象徴する事実であろう。このような思考法は、明治以後の近代社会においても、西洋近代知を漢字二文字に置き換えたこと、しかも西洋哲学の輸入は、常に新しい思想に価値があるとして、思想が流行化して上書きされていくこと。外来思想の取り込み方は「執拗低音」というスタイルで一貫している。


川上未映子ヘヴン』(講談社、2009)

ヘヴン

ヘヴン

◎ジョン・グレイわらの犬 地球にに君臨する人間』(みすず書房、2009)

わらの犬――地球に君臨する人間

わらの犬――地球に君臨する人間

古山敏幸映画伝説ジャン=ピエ−ル・メルヴィル』(フィルムアート社、2009)

映画伝説 ジャン=ピエール・メルヴィル

映画伝説 ジャン=ピエール・メルヴィル

荒川洋治文学の門』(みすず書房、2009)

文学の門

文学の門

文学実学である」と主張する著者の、エッセイ集。

加藤秀俊メディア誕生』(中央公論新社、2009)

メディアの発生―聖と俗をむすぶもの

メディアの発生―聖と俗をむすぶもの

高橋正雄『漱石文学物語るもの』(みすず書房、2009)

漱石文学が物語るもの――神経衰弱者への畏敬と癒し

漱石文学が物語るもの――神経衰弱者への畏敬と癒し


漱石について、精神分析的視点から「神経衰弱」だの「統合失調症」だの、その症例が様々に語られるなかで、本書は出色の「漱石論」になっている。


サイモン・シャーマ、高山宏訳『レンブラントの目』(河出書房新社、2009)

レンブラントの目

レンブラントの目


12月初旬に出版されたばかりで未読ではあるが、出版予告が出てから何年も待った。大著である。自画像が異常に多いレンブラントに迫る書物であり、少しづつ読むつもりだ。

古井由吉人生の色気』(新潮社、2009)

人生の色気

人生の色気

古井氏の小説は難解であると言われている。本書の古井氏の考え方の基本がわかる。

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今年9月政権交代が実現し、流行語大賞まで受賞してしまったが、今、この人ならどう発言するだろうか、という「大知識人」が不在なのは如何ともし難い。たとえば、丸山眞男なら、あるいは加藤周一なら、この状況についてどう語るだろうか。

知識人の不在について、論壇の拡散化や情報メディアの多様化など言われるが、もっと根本的にグランドデザインを描ける知識人がいなくなって久しい。丸山眞男が『日本の思想』で指摘した「ササラ型」と「タコツボ型」という文化の在り方が、今なお、いやより一層「タコツボ型」になっているのでないだろうか。

学者が専門領域にとどまり、一般人に語りかけることがなくなってしまった。新聞メディアの衰退に象徴されるようにネット情報への依存度の高まりによるためとは言えないだろう。

本について根本的に考え方を変えないといけない。新刊を追うこと自体の意味は「いま・ここ」へのこだわりであり、遡及的な読書、換言すれば古典への回帰である。


◎熊田敦美『三大編纂物 群書類従・古事類苑・国書総目録出版文化史』(勉誠出版、2009)

三大編纂物 群書類従・古事類苑・国書総目録 の出版文化史

三大編纂物 群書類従・古事類苑・国書総目録 の出版文化史

今年は『国書総目録』にお世話になった。

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ここまで書いてきて前田塁の本に出会う。奥付けは2010年1月になっているが、年末ぎりぎりで入手した。

前田塁『紙の本が亡びるとき?』(青土社、2010)

紙の本が亡びるとき?

紙の本が亡びるとき?

Google提唱し進捗しつつある「ライブラリープロジェクト」や「ブック検索」は、本の形をドラスティックに変えてしまう。1)データベースの会員制閲覧、2)端末からのオンデマンド出版、3)書籍の一部分割販売、4)PDFでのデータ販売、の四つの商用使用が可能となるという。前田氏によれば、フーコーのいう「言説を所有する」欲求に従い、人々は無数の書籍の断片を所有することになる。さて・・・。

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2009-12-29 今年の回顧:映画ベストテン

[]映画ベストテン2009年 映画ベストテン2009年を含むブックマーク 映画ベストテン2009年のブックマークコメント

今年の収穫、映画の部。

今年映画館で観た映画は91本。100本には届かないが、目標を80本に下げたのでクリアしたことになる。邦画の人気が高いといわれているが、やはり今年も外国映画に圧倒された。映画の3D化は、本質的な解決にはならない。歴史証明するとおり、TV時代への対応としてシネラマによる大スクリーンの試みも自然消滅し、かつて3D映画が時を経ず消えていった。

映画の基本は、マキノ雅弘のいう「1 スジ、2 ヌケ、3 ドウサ」が基本であることに変わりない。つまり「スジ」、まず良い脚本が第一、「ヌケ」とは画面の良さであり、「ドウサ」は「動作」つまり動きである。3Dでも脚本が良ければそれなりに展望が開けるだろう。しかしながら、予算ばかりが増大するいまの仕組みでは、良質なフィルムは期待できない。ゲームが次々に新しくなり、ゲームの面白さに対抗できるのが3Dだという考えでは、映画産業の回復は難しいだろう。


外国映画

1.母なる証明ポン・ジュノ

2.グラン・トリノクリント・イーストウッド

グラン・トリノ [DVD]

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3.レスラーダーレン・アロノフスキー

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

4.チェ・29歳の革命/39歳別れの手紙(スティーヴン・ソダバーグ)

チェ 28歳の革命 [DVD]

チェ 28歳の革命 [DVD]

チェ 39歳 別れの手紙 [DVD]

チェ 39歳 別れの手紙 [DVD]

5.スラムドッグ$ミリオネアダニー・ボイル

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

6.ロルナの祈り(ジャン=ピエールリュックダルニデンヌ)

ロルナの祈り [DVD]

ロルナの祈り [DVD]

7.マイケル・ジャクソンThis is it(ケニー・オルテガ

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(1枚組通常盤)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(1枚組通常盤)

8.3時10分、決断のときジェームズ・マンゴールド

3時10分、決断のとき [DVD]

3時10分、決断のとき [DVD]

9.ベンジャミンバトン 数奇な人生デヴィッド・フィンチャー

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]

10.イングロリアス・バスターズクエンティン・タランティーノ

次点:湖のほとりで(アンドレア・モライヨーリ)

湖のほとりで [DVD]

湖のほとりで [DVD]

次点愛を読むひとスティーヴン・ダルドリー


かつて『殺人の追憶』(2003)に衝撃を受けたホン・ジュノ、『母なる証明』の迫力の凄さには言葉も出ない。もちろん、ベストワン。クリント・イーストウッドグラン・トリノ』以下、タランティーノイングロリアス・バスターズ』まで、いや、次点にあげた作品もそれぞれスクリーンを輝かせていた。


日本映画

1.精神想田和弘

精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)

精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)

2.ディア・ドクター西川美和

ディア・ドクター [DVD]

ディア・ドクター [DVD]

3.サマーウォーズ細田守

サマーウォーズ [DVD]

サマーウォーズ [DVD]


4.嗚呼 満蒙開拓団羽田澄子


5.なくもんか水田伸生


6.パンドラの匣冨永昌敬


7.ウルトラミラクルラブストーリー横浜聡子

ウルトラミラクルラブストーリー [DVD]

ウルトラミラクルラブストーリー [DVD]


8.空気人形是枝裕和


9.ヴィヨンの妻根岸吉太郎

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]


10.剱岳 点の記(木村大作

劔岳 点の記 メモリアル・エディション [DVD]

劔岳 点の記 メモリアル・エディション [DVD]

次点ゼロの焦点犬童一心


日本映画は上位4本までが素晴らしく、他の作品引き話している。日本映画復活という状況ではない。撮影所システムの崩壊から既に30年近く過ぎたけれど、制度的な再構築ができていない。ベテラン監督より若手監督に優れたフィルムが多い。実際、森田芳光わたし出すわ』など、映画を撮る目的意識が見えなくなっており、オリジナル作品だっただけに残念な思いがある。次回作に期待したい。


今年はスクリーン以外に、DVDで旧作を数多く観た。ジャン=ピエ−ル・メルヴィル賭博師ボブ』『影の軍隊』『いぬ』『マンハッタンの二人の男』などを見て、ストイック映像に引き寄せられた。

クシシュトフ・キェシロフスキの初期作品が年末に再発売され、『傷跡』『アマチュア』『偶然』『終わりなし』が大収穫だった。

ジャック・ベッケルの『偽れる装い』『アリババと四十人の盗賊』は、初DVD化作品であり嬉しい出会い。

偽れる装い [DVD]

偽れる装い [DVD]

tatartatar 2009/12/30 23:15 ご無沙汰してをります。
洋画、4、5、7、10.
邦画、1、7.
どうにか、スクリーンで観ることができました。
都合がつかず、観られなかった作品もいくつか。
邦画に関して、貴殿の感性に改めて感服と敬意を感じます。
特に、述べたいは、7の「ウルトラ〜」について。
『熊から王へ』を読んで観るから、観てから読むか。
そこで、大きな違いが絶対にある!と思っています。
ハイ、カットっ!!!
(貴殿にとり、来年が良き年であり、多くなくとも、いつもそうであるように、良質なエントリを、常に鼈が首を長くした状態であるかのごとく、お待ちしております。
それでは、マイケルのマイベスト、「Human Nature」を聴いて、書物とともに、床に就きたいと思います。良いお年を!)

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