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伊藤計劃:第弐位相

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09-19, 2004 イノセンス:コメンタリー注釈

なんとなくつくってみる なんとなくつくってみるを含むブックマーク

個人的には「濃い」コメンタリーが好きなのだ。内輪話とディテールの多い。とはいえ、それも程度問題で、予備知識のない映画はツラいし、一般の「オタクでない」ユーザのことも考えなきゃいかんだろう。

で。「さくや妖怪伝」のコメンタリはそういう意味で理想的だったのだ。というのも、これには「コメンタリ用解説字幕」がついていて、樋口真嗣とかが喋ったジャーゴンをいちいちリアルタイムに解説してくれる!これならそこそこディープな、しかしオタクでないひとにもやさしい、そんな楽しいコメンタリができるじゃありませんか。というわけで、これからコメンタリを制作するソフト会社のみなさんは、この方式を一般化してくれませんでしょうか。

と、イノセンスなのだが、このコメンタリも楽しい。んが、これはそれなりの予備知識を必要とするコメンタリでもある(押井の声が聞き取りにくいという人が多いが、私はなぜかはっきり聴こえる。これって特殊技能なのだろうか)。というわけで、連休でもあるし、コメンタリ用注釈を作成することにする。

アニメ初心者向けでもあるので、押井ファンやアニメファン、映画ファンには説明するまでもないことまで書かれていますが、そういうもんだと思ってくださいな。

イノセンス」コメンタリー注釈(作成:伊藤計劃/2004.09.19 訂正・御意見はコメントかメールにて) 「イノセンス」コメンタリー注釈(作成:伊藤計劃/2004.09.19 訂正・御意見はコメントかメールにて)を含むブックマーク

00:44【モーターライズ】(押井)
CG制作会社「Motor LieZ」。樋口真嗣平成ガメラシリーズ特技監督、「ローレライ」監督。押井作品では、ともに実現しなかった「NEXT」「G.R.M」に参加)さんが監督作品「飛ぶ(黒澤明の「夢」の未使用エピソード脚本を映像化したもの。一般未公開)」を映像化するために結成したVFXスタジオ。押井作品では「Avalon」のツィタデル戦車などを担当。
00:45【サトウくんとヤマちゃん】(押井)
Motor LieZの佐藤敦紀さんと山本健介さん。佐藤さんはMoter LieZのCGIディレクター。山本さんは「Avalon」でツィタデル戦車のモデリングを担当。
01:46【タケちゃん】(押井)
イノセンスメカデザイナー・竹内敦志さん。押井作品ではパトレイバー1、レイアウト・原画としてパトレイバー2、前作「攻殻機動隊」ではメカデザインおよびレイアウト、没企画「G.R.M」および「Avalon」ではメカデザインを担当。
01:55【サクラ大戦状態になっちゃった】(押井)
ゲーム「サクラ大戦」のムービーシーンを指す。3DCGと2Dセルキャラのハイレベルな融合としては先駆的作品。デモシーン及び劇場公開された映画「サクラ大戦 活動写真」はProduction I.Gが担当した。コンテおよびメカデザインには竹内さんも参加。
02:02【このへんのでもバトーはね、キセの、いかにも疲れた〜】(西久保)
黄瀬和哉さん。「イノセンス作画監督のひとり。押井作品ではオリジナル・ビデオ・アニメ「機動警察パトレイバー」から参加。劇場版パトレイバー1作目で作画監督。現在Production I.G 取締役員のひとり。
02:43【これは美術が〜いちばん最初に開発で作ったとこだよね】(押井)
アニメにかぎらず、ハリウッドの多くのVFX系大作映画では、既存技術のみではなく、あるカットに対し使用される手法・技術がうまくいくかどうか、という検証を行いながら制作される。というわけでこの場合の「開発」は「実験的な意味で」というニュアンスに置き換えても問題ない。
04:05【襟のところに小紋かなんか入れたかった】(押井)
常識的な話として、複雑な絵を動かすのは単純に大変なのだ。
04:46【結局モリモトにやってもらおうと〜】(押井)
森本晃司さん。アニメーション監督、アニメータ。Studio 4℃創設メンバーのひとり。大友克洋監督作品「AKIRA」で設定・作監補。ケン・イシイの「EXTRA」やGRAYの「サバイバル」などのミュージッククリップや、「音響生命体ノイズマン」などの作品が有名。「アニマトリックス」では街の中にある不思議な廃墟の話「BEYOND」のエピソードを担当した。「永久家族」など。最近、画集「O(オー)レンジ」を発表した。WEBアニメスタイルにインタビュー有
04:56【結果的には、でも、ハヤシさんのほうに】(西久保)
林弘幸さん。「イノセンス」デジタルエフェクトスーパーバイザー兼オープニングシークエンスCGIディレクター。海亀事務所代表取締役。没企画「G.R.M」でデジタル監督、「Avalon」でデジタル・アート・ディレクターをつとめるが、主に「Avalon」のセピア色の色彩を可能にしたデジタル上の調整システム「Domino」まわりをディレクション。「イノセンス」でもこのDominoは使用された。
05:00【ポリゴンさんに頼んで】(押井)
ポリゴン・ピクチュアズ。「イノセンス」オープニングCG制作。CG界ではその名を知らぬものはいない。ロッキー&ホッパーの岩飛びペンギンCGが有名。
05:12【アイジーでとかいったら】(西久保)
Production I.G。「イノセンス」制作スタジオ。
05:15【ベッパン作る余地なかったしさ】(押井)
I.G内にオープニング制作のための別班をたてる余力などとてもなかったということ。
05:42【ずっとトリさんがそういってたんだよね】(押井)
鳥海永行さん。タツノコ時代からの押井守の「師匠」。
06:41【ビョークのプロモーションビデオにそっくりだって言われて】(押井)
クリス・カニンガム監督、ビョーク「All is Full of Love」のPVのこと。
07:46【結局16ビットででなかったんだよね〜】)(押井)
色の階調のこと。デジタルは赤/緑/青にそれぞれXビットの階調を割り当てて色を表現している。一般的なユーザがPhotoshopで落書きをするときなどは8bit/チャンネルのモードで描いているのが普通(「Avalon」は8bit)だと思うが、この各色(チャンネル)あたり8ビット(これはそれぞれ256階調を意味する。全16万色)では、「イノセンス」の場合全然足りず、たとえば赤っぽく暗い場面では「マッハバンド」といって色が階段状にぱっきり境界線が見える現象が起きてしまったため、基本的に16bit(各色6万5千536階調、約281兆色)で作業が行われた。とうぜんながらこれは物凄いデータ量になり、マシンに多くの負荷をかける。ここでは、その16bit/チャンネルでも足りなかったということを押井さんは言っている。
08:40【マツモトくん】(西久保)
松本薫さん。「イノセンス」ディスプレイCGI担当。
09:13【ヒラタくん】(西久保)
平田秀一さん。「イノセンス美術監督。押井作品では美術として「パトレイバー1」「パトレイバー2」「攻殻機動隊」に参加。美術監督としては「劇場版X(CLAMP原作、りんたろう監督)」「メトロポリスりんたろう監督)」など。
10:56【プロデューサーのイシカワ】(西久保)
石川光久さん。「イノセンス」プロデューサー。Production I.G代表取締役。
11:14【ムラカミちゃん】(西久保)
村上正博さん。「イノセンス」特殊効果。
11:23【このモブがね〜残念だったよね〜】(押井)
群集のことをモブという。
11:42【ここは四ヶ国語かな〜ガヤどりが大変だった〜】(押井)
ガヤ(喧噪)の収録=ガヤ録り
12:25【パースが違うってみんなに言われてたね〜】(西久保)
パースペクティヴの略。「パースが狂ってる」など、絵書きの間で遠近法的な構図の正確さを指して使われる。
12:58【ランディがなんかすんげー古臭い〜】(押井)
ランディ・トム。「イノセンス」音響。スカイウォーカー・サウンド。「Avalon」にも参加。
13:21【ニシオくん】(西久保)
西尾鉄也さん。「イノセンス作画監督・サブキャラクターデザイン。「人狼作画監督・キャラクターデザイン。WEBアニメスタイルにインタビュー有
14:32【あのオバサンに会ったのがね】(押井)
イノセンス」制作にあたって取材で訪れた、イタリアはフィレンツェ大学動植物学科付属ラ・スペコラ博物館を案内してくれた、大学の先生。スペコラとは、死体から型をとった鑞人形(よく本物の死体を使ったプラスティネーションと間違える人がいるけど、スペコラはあくまで鑞による模造)。ハラウェイの外見的なモデル。
15:18【てっつん】(押井)
西尾鉄也さんのこと。
15:58【ワタベくん】(押井)
渡部隆さん。「イノセンス」美術設定・レイアウト設定。御術設定・メカ設定など幅広く活動。押井作品ではパトレイバー1&2にレイアウトで参加。以後、攻殻では美術設定およびレイアウト、「Avalon」では美術デザイン担当。
17:00【エヅラくんのところで】(押井)
江面久さん。「イノセンス」ビジュアルエフェクツ。
17:08【ディストーション】(押井)
distortion、ゆがみを意味する英語。ここではワイドまたは魚眼レンズのつくりだすレンズのゆがみのこと。
17:29【ビージー関係で】(西久保)
「BG関係」。バックグラウンド=BG。
19:14【ヨシコさん】(押井)
榊原良子さん。俳優。パトレイバー南雲しのぶ、ナウシカのクシャナ、Zガンダムハマーン・カーンなど、強い女性が多い。
20:51【パクがないとね〜】(押井)
口パク。喋っているシーンで描かれる口をパクパクする動画のこと。
21:11【こっからあれだね〜オキウラの粘着な〜】(西久保)
沖浦啓之さん。前作「攻殻」に引き続き「イノセンス作画監督・キャラクターデザイン。「人狼」監督。奥さんは「人狼」のヒロインを演じた武藤寿美さん。WEBアニメスタイルにインタビュー有
21:55【オグラさん】(西久保)
小倉宏昌さん。「イノセンス」には美術で参加。小倉工房主宰。「オネアミスの翼王立宇宙軍」で美術監督。「迷宮物件」から、以後「御先祖様万々歳!」「パトレイバー1&2」「攻殻」と押井作品の美術監督。画集に「光と影」。
22:00【トッコウとかで】(西久保)
特効=特殊効果。デジタル化される前は、そのままではフラットな質感しかだせないセルに、スプレーなどでシェーディングをつけ、質感を出す役割のことだった。
23:43【沖浦がリテイク厳しいからね〜】(西久保)
やり直し=リテイク。アニメの行程においては、監督、もしくは作画監督が書き直し指示を出すこと。
24:23【スコット】(押井)
Scott Guitteuさん。スカイウォーカーサウンド。サウンドエフェクトエディター。
25:20【ミズムラくん】(西久保)
水村良男さん。「イノセンス」原画。
25:31【パトツーのときの】(押井)
パト2=「機動警察パトレイバー2(1992)」押井守監督作品。
26:12【エンスー】(押井)
enthusiast(エンスージアスト=熱狂家)の略。一般的には、クラシックカー・バイク好きといった意味。クルマ好き。
27:06【イノウエさん】(西久保)
井上俊之さん。「イノセンス」原画。「GU‐GUガンモ」で注目を集め、「AKIRA」「魔女の宅急便」「攻殻」などに参加。「人狼」では副作監をつとめる。WEBアニメスタイルにインタビュー有
27:25【ガブはだけどそんなヨダレ多くないほうだよ】(押井)
押井さんの愛犬ガブリエル=ガブ。
29:29【ヤマちゃん】(押井)
山崎嘉雅さん。「イノセンス」ディスプレイCGI担当。
29:37【インフェルノ】(押井)
インフェルノ。HDデジタル合成システム。
30:36【オプチカル】(押井)
光学処理。オプチカルプリンターと呼ばれるマシンを用い、感光させる部分を制限するためのマスクによって(マスクによって隠された部分は感光しないので、あとから別の素材を焼きつけられる)、部分的に画像をフィルム上に焼きつけていくことで、複数の画像を合成する処理。デジタルになってこの手法による合成はほぼ消滅した。
31:02【フレア】(押井)
上から被っている光。太陽などを映したとき出る輪っか(マンガでは六角形などで模写されるアレ)のようなものは、レンズ内の反射像で「レンズフレア」と呼ばれる。
33:10【ミニミ】(押井)
FN社製分隊支援火器。「ブラックホーク・ダウン」でバイポッド(二脚)立ててレンジャーが伏せ撃ちしているアレ。
35:44【ワカがやったんじゃかたっけ】(押井)
若林和弘さん。「イノセンス音響監督パトレイバー1で録音演出助手として参加。以降、押井作品の常連に。「攻殻」では音響、ジブリの「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」では録音演出。テレビ「攻殻」でも音響監督をつとめる。
36:35【ガードレス】(西久保)
あかほりさとる原作「爆炎CAMPUSガードレス」。押井さんの言っている「女子高生が天秤棒持って〜」は主人公神野八純が持っている武器「正宗」のこと。
36:43【スチェッキン】(押井)
ロシア製マシンピストル。ピストルなのにフルオートで撃てる。
36:54【ノトミさん】(押井)
納富貴久男さん。「イノセンス」銃器監修。有限会社BIG SHOT 代表取締役。日本映画の銃器関係を数多く手掛ける。押井さんとは「赤い眼鏡」からのつきあい。前作「攻殻」でも銃器アドバイザーとして参加。押井作品では「ケルベロス〜地獄の番犬」「KILLERS」で納富さんのコメンタリーを聴くことができる。
37:01【スライドキャッチ】(押井)
弾を撃ちつくしたあと、銃のスライドを後退した状態で固定しておくための機構。
37:11【ストック】(押井)
肩に当てたり挟んだりして銃の狙いを固定するための一部またはアタッチメント。銃把。
37:59【バーチャ】(押井)
セガ格闘ゲームバーチャファイター」のこと。ちなみに、バーチャに限らず格闘ゲーム一般において相手のアクションを待つ「待ち」プレイは卑怯とされ嫌われる。
39:27【歌唄った彼女】(押井)
伊藤君子さん。「イノセンス」エンディングテーマ「Follow Me」の歌い手。
41:52【1期分】(西久保)
イノセンス」は大きく3期に分けて制作された(〆きりを3回設定したと思えばいい)。
42:47【レイアウトはヤマシタだったから】(押井)
山下将仁さん。「イノセンス」原画。押井さんとは「うる星やつら」で仕事して以来20年ぶり。「うる星やつら」の暴走気味なパワフルな作画や、黒部をベタな黒で潰したスタイリッシュな作画で有名。「とどのつまり・・・」「トーキング・ヘッド」などの押井作品にたびたびモデルとして登場。WEBアニメスタイルにインタビュー有
44:23【ダニやん】(押井)
押井さんの愛犬ダニー(ダニエル。ガブはガブリエルで、一応天使から拾っている)。ダニだらけの捨て犬だったのを押井さんが拾った。
47:40【レンダリング】(押井)
CGモデルを組み立て、テクスチャその他のマッピングを貼り込み、ライティングをし、とすべて終えたあとでコンピュータに計算させること。膨大なデータや複雑な処理になるほど時間がかかる。
47:55【ショゴウ】(押井)
初号。(とりあえず)完成して最初に行われる関係者の試写会のこと。大崎のイマジカで行われる場合が多い。
49:02【ミラノの大聖堂】(西久保)
イノセンス」スタッフがロケハンで訪れたドゥオモのこと。
49:31【エムラくん】(西久保)
江村豊秋さん。「イノセンス」鳥CGI担当。アニメータ。「AKIRA」「攻殻」などに参加。「パトレイバー2」ラストの埋め立て地のすさまじいカモメの群れは江村さんの仕事。「Avalon」でも塔の周囲を旋回する鳩の群れを担当した。
56:34【カワイくん】(押井)
川井憲次さん。押井作品といえばこの人、というコンポーザー。押井作品以外のアニメも多く手掛け、田中公平らと並ぶアニメスコアの大御所と言ってもいい存在だが、「リング」「仄暗い水の底から」といった中田秀夫作品など、実写も手掛ける。
58:47【リフレクションだけで】(押井)
イノセンス」の3DCGIオブジェクトは、基本的にモデルを「ある特定の視点から見た」うえで美術班の描いた精緻な絵を貼り込んでいくカメラマップ方式が使われ、その貼り込む「絵」はかなりの部分光を考慮済みで描いているため、あまり反射や影などの光の計算は比重が低いか、まったくない。たが、この場面では床や金属などの映り込みを作成せざるを得なかったため、光がどう反射してどのくらい映りこんで、といった膨大な物理計算をせざるを得ず、処理的に大変になった(「重く」なった)ということ。
60:38【ドミノ】(西久保)
イギリスのクォンテル社が開発したデジタル・オプチカル・ワークステーション・システム。フィルムをスキャンするフィルムスキャナー、そのレコーダー、処理システムを統合したもの。押井作品では「Avalon」で使用され、各種の合成作業の他、あのセピア色の画質調整を行った(「Avalon」の原フィルムは通常のカラー撮影だった)。
61:14【情景】(押井)
DVD「イノセンスの情景」。イノセンスの音楽に合わせて、キャラのいない「イノセンス」の風景が流れるミュージック・クリップ。
63:13【ドウポジ】(押井)
同じカメラポジション=同ポジ。同じ構図を使うこと。
64:07【フルは絶対やめて】(押井)
フルアニメーションのこと。劇場版においては、フィルムの1秒あたり24コマ、もしくはその半分の1秒あたり12コマを作画して動かすこと。ここでの押井さんは、1秒/24fpsフルに動くCGの背景に合わせるために、手描きのキャラも1秒24コマ作画しなければならなかったことを指して言っており、いわゆる1K動画、1K作画を意味して「フル」という言葉を使用している、と思われる。ディズニーはこれがスタンダードだが、日本のアニメは主に枚数を抑え、作業的にも制作費的にもコストダウンをはかる目的から、もしくは1秒/8枚(3K)以下で作画される場面が多く、フルアニメが使用されるモーションは、それが必要とされるごくごく限られた箇所に用いられてきた。
64:33【モエタ】(押井)
「萌えた」。「燃えた」ではない。オタク用語で、発生当初は「カワいい」に近い概念、と言えなくもない程度だったが、ネットで使用されるうちに複雑化し、その定義を説明するのはもはや困難といえる。
68:36【ガルム】(押井)
押井守監督で制作されるはずだった「G.R.M〜ガルム戦記」のこと。バンダイのデジタルエンジン構想第二弾として発表され(第一弾は「スチームボーイ」)、2000年に公開が予定されていた。天空から飛来する謎の存在「セル」のために、滅亡の淵に立たされた惑星アンヌーンの住民「ガルム」たち。数世代に渡る戦いの中で、マスクを被り、身体を機械化し、記憶はデータによって受け継ぎ、戦闘に特化した種へと変貌していた。情報呪術部族の士官ウィドは、「ドルイド」の末裔ナシャンとともに、「セル」の謎を探る旅に出るのだが・・・。
68:44【マップ使うしかない】(押井)
カメラマップのこと。3DCGモデルに対し、ライティングなどを想定したテクスチャーを張り付けるのではなく、「ある角度(カメラ)から見た」絵を貼付けることで、すべてを計算する必要のない、しかしよりフォトリアル(または手描き感のある)絵が得られる。カメラの動きが制限されるのが難点なので、あらかじめそのカットのレイアウトを確定してから作成されなければならない。カメラマップを使用せず、すべてを作りこめば、どの角度からでも撮影できるので、他のカットでも使い回しがきく(そのかわり精緻なモデルを作れば計算量が果てしなく膨大になるし、それを避けるとショボいものしかできない)が、カメラマップは1アングルきりの使いきりになる。
69:42【BGで描いて横引き】(西久保)
動画ではなく(つまり動かさず)、一枚絵でセルに描いたものをスライドさせる、昔ながらの手法。
69:51【ミヤさん】(押井)
宮崎駿さん。説明いる?
71:24【パトサンのオバサン】(押井)
パト3のおばさん。黄瀬さんが作画監督をつとめた高山文彦監督「WXIII(ウェイステッド・サーティーン)機動警察パトレイバー」の登場人物、岬冴子のこと。パトレイバーの劇場版3作目。初登場シーンの髪を拭く所作とうなじは必見。
74:04【あのオバサンに会えた】(押井)
Avalon」衣装デザイン、マグダレナ・テスワフスカのこと。「イノセンス」では祭りの場面でバトーとトグサが着ている衣装をデザイン・実物を作成した。ズラウスキー兄弟の「シルバー・グローブ〜銀の惑星」やアンジェイ・ワイダの「パン・タデウシュ物語」など、ポーランド映画の大作を手掛ける。
74:15【フジキじゃないと着れない】(押井)
藤木義勝さん。俳優。「ケルベロス〜地獄の番犬」で主人公・乾を演じた巨漢。すさまじい重さと暑さのプロテクトギアを着て、本来持って撃つものではないMG34を持ち、ハードなアクションをこなした。「人狼」では主人公・伏の声を演じた。
74:18【プロデューサーのミツモト】(西久保)
三本隆二さん。「イノセンス」ライン(現場)プロデューサー。三本さんの「イノセンス」現場日記はIGのサイトで。
75:35【いまテレビで黄瀬くんにやってもらってますよ】(西久保)
平安時代を舞台にした、Production I.Gのアニメ「お伽草子」のこと。
83:59【ウツノミヤ】(押井)
うつのみや理(さとる)さん。「イノセンス」原画。押井作品「御先祖様万々歳!」では日本のアニメータに大きな衝撃を与えた。なお、この「御先祖様〜」では登場人物の手がやたらブラブラしており、西久保さんの「くにゃくにゃ」はうつのみやさんに特徴的な作画を指している。「AKIRA」「THE 八犬伝」「スチームボーイ」などにも参加。
84:07【御先祖おもいだしたね】(押井)
押井守監督作品「御先祖様万々歳!」。うつのみやさとるさんが作画監督。「タイムマシンで未来から来た孫」と「自称」する少女の闖入によって、崩壊してゆくある家族を描いた舞台劇風コメディ・アニメ。傑作。
84:56【エマージェンシーの端末の表現って、「エイリアン」から〜】(押井)
リドリー・スコット監督作品「エイリアン」1作目の、ノストロモ号自爆用操作端末のこと。
87:01【さっさとシリーズなんか始めちゃうからさ〜】(押井)
西尾さんが作画監督を担当している「攻殻機動隊」テレビシリーズの2「攻殻機動隊 Stand Alone Complex:2nd GIG」のこと。
88:53【キフネさんとこ】(押井)
木船徳光さん率いるCG制作スタジオIKIF+(Ishida Kifune Image Factory)のこと。
90:17【誰かにそっくり】(押井)
おそらく沖浦さんの奥さん(前述)ではないか、と思われる。
91:34【レイバーんときで懲りてるから】(押井)
機動警察パトレイバー」のこと。劇場版1作目の箱舟のアクションシーンのこと?
92:39【アンドウくん】(押井)
安藤雅司さん。「イノセンス」原画。「On Your Mark」からジブリ作画監督。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」といったジブリ作品で作画監督今敏監督作品「東京ゴッドファーザーズ」で作画監督
94:29【ヤマデラ】(押井)
トグサ役、というまでもない「おっはー」でおなじみ山寺宏一さん。
97:16【オガワさん】(押井)
小川千恵子さん。「ドール・フォーラム・ジャパン」編集長。「イノセンス」の制作では人形関係のロケハン・取材をコーディネートした。

というわけで完成 というわけで完成を含むブックマーク

 こんなにサクっとできるとは思わなんだ。ほとんど資料を参照する必要がなかったからかな(だからひょっとしたら間違いデータが多いかも)。それなりに自分はオタなんだなあ、と思いますた(外見はどうしようもなくオタなんだけど)。

regulsreguls 2004/09/19 09:57 特典ディスクの鈴木プロデューサーとの対談では今まで通り、聞きづらかったです。私も音声解説の押井監督の声は普通に聞こえたので驚きました。スカイウォーカー・サウンドの技術力か(←違う)(^_^;)

サトウサトウ 2004/09/19 18:24 初めまして。
そしてお疲れさまでした。

通りすがりおやじ通りすがりおやじ 2004/09/19 19:42 わたくしもお初に。いや、感心いたしました。
こういうコメント残しなどはほとんどやった経験も無いし、それほどの
押井ファンともいえないのですが、うーんこりゃ労作ですな。
とは言い条「こんなにサクっと・・・」の感覚も判ったりして。
そうですなあ、自分の掌上にあるものって言いたいこと・・・いや、
言わねばならないことはどんどん積もってくるものなんですよねえ。

ProjectitohProjectitoh 2004/09/20 02:57 インフェルノ、ミヤさんの項目が早く出ていたことに気がついたので、修正を少し入れました(2004.09.20 0240)
お役に立てていただければ嬉しいです。上にも書きましたが、ほんとはこういうのをDVD字幕につけてほしいんですけどね(ナウシカの庵野&片山コメンタリーはこれやって欲しかったな〜。そのほうが絶対楽しいよ〜)。

都々目さとし都々目さとし 2004/09/20 09:05 14:32【あのオバサンに会ったのがね】のところが切れてしまっておりますが、押井氏らがイタリアのロケハンで会った、取材先の大学先の先生のことですね。

TOSHITOSHI 2004/09/21 10:28 労作ご苦労さまです。気になったところを少し。フルアニメーションという用語は、ご説明のように1コマ限定ではなく、1コマないし2コマ作画の場合に用いられるかと思います。セル分けをせず、全部描くから「フル」だ、という説もありますね。あと、ジブリは3コマも使っております(というか、海外のアニメーターからは、宮崎作品は素晴らしい。ただ、3コマだが……と言われます)。ちゃんと説明するともっとややこしいのですが、とりあえず、ご説明は誤解を招きやすいかと。

ProjectitohProjectitoh 2004/09/22 00:56 あらら、なんでか切れておりました。ああそうか、「創作ノート」が魔窟の奥に埋もれてたので、あとで引っぱり出して参照しようと思ったまま忘れてたんですな(汗)。部屋はきちんと片付けておくが吉。御指摘感謝です>教官
TOSHIさんの御指摘を受けまして、「フルアニメ」の項目を修正しました。感謝です。
というふうに、けっこう杜撰なものなので、御指摘いただけるとありがたいです。

suke-sdksuke-sdk 2004/09/23 02:19 素晴らしくわかりやすいです。お疲れ様でした。もう一度コメンタリを見直したくなっちゃいますね。最後の方の「誰かにそっくり」というのは、動きが「千尋」そっくりだと思っていました。なんとなく…。最後に「ジブリ走り」ってのもあったので(笑。あの子は沖浦さんの奥さんがモデルなんですね。うーむ、濃いなぁ。