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伊藤計劃:第弐位相

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01-30, 2005 俺の腹がインクレディブルだ

冷戦抜きのヒーロー 冷戦抜きのヒーローを含むブックマーク

メタルギアソリッド3:スネークイーター」「エースコンバット5:ジ・アンサングウォー」と去年は冷戦が懐古的にフィクション舞台として使用されはじめた年だった。

というわけで攻殻の2ndを見てみると、一見難民問題がメインに見えなくもないけれど、これもやっぱり最終的な落とし所は冷戦だったりする。デ・ニーロが監督作として準備を進めている「グッド・シェパード」はCIAのスパイハンター、ジムアングルトンをモデルにした主人公の半生を描くものだそうだ。アングルトンの布いた、魔女狩りかマッカーシズムかというくらい苛烈で行き過ぎた防諜体制は70年代CIAの弱体化を招き、その弱体化は後にエイムズ事件を招く遠因となる。

というわけで、ここにきてフィクションネタとして冷戦がホットなものとなりつつある。現在映画化が進行中の「ウォッチメン」はこの流れに乗るものなのだろうか。ニクソン体制下の80年代、という架空世界はしかし、あきらかに右傾化したレーガン体制の映し絵だった。ニクソン云々は抜きにしても、あれは明らかに冷戦という背景を抜きにしてはあり得ない結末だった。いま「ウォッチメン」のあの結末が成立すると思える人間は少なかろう。テロリズムが新たな戦争の形態と化し、暴力が遍在化し、国家が戦争行為を掌握できなくなりつつある現在では、あの「世界平和」は絶対に信じられない。しかし、ふたつの国が軍事行動を掌握していた(かのようにみえた)あの時代には、そういう物語はじゅうぶん信じられたのだ。

たぶん「ウォッチメン」から冷戦を抜き去ったものが「Mr.インクレディブル」なのだろう、と思った。今日。

というか今日やっと観たから。インクレ。インクレディブル夫人がエロいと思いました。

 2005/01/31 22:13 伊藤さんて政治や歴史に関する話が多いのに
日本の政治や歴史に関する話は少ないですよね。
どうしてですか?

ProjectitohProjectitoh 2005/01/31 23:29 それは私が安手のスパイ小説やアメリカ製の戦争アクション映画で思春期を過ごしたからです。私は歴史そのもの、政治そのものを扱いたいというよりは、関心のあるフィクション群を相互にリンクさせその関係性を説明するツール、としての世界や歴史に関心があるんだと思います(だから「いま」の話はほとんどしてないでしょ)。もっといえば「世界が」とか「地球が」とかいう大状況主義から逃れられないんですよね、時代遅れなことに。核戦争の危機とか日本が沈没とかそういうスケールのカタストロフにたまらなく惹かれつづけているんです、いまだに。セカイ系ってそういうわけで苦手なんです。

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