Hatena::ブログ(Diary)

伊藤計劃:第弐位相

2004 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |

11-30, 2005 クレクレタコラ

喰えるのか?それ。 喰えるのか?それ。を含むブックマーク

「アップルのiMac G5欲しい!」(監督:デイビッド・フィンチャー

序盤からiMacの周囲をぐるぐるまわるオープニングに痺れる。これはNINPVonly」で試みた映像の実践だけれど、さすがフィンチャー、映画でもクールである。

3たび組んだブラッド・ピット演じる主人公は「アップルのiMac G5欲しい!」とiMacを追い求めるハーレムの住人。要するにまあ、聖杯探求譚である。追い求めるのがポップカルチャーの権化であるG5であるあたり、「ベッカムに恋して」に似ている、と言えなくもない。鈴木清順は「東京流れ者」の中で何回あの「東京流れ者」を歌えるか、という実験を試みたけれど、さしずめこの映画は劇中で主人公に(いかに自然に)「アップルのiMac G5欲しい!」と言わせる実験、と言えるかもしれない。2回見て数えてみたけれど、ぼくがわかったかぎりこの映画でブラピは「アップルのiMac G5欲しい!」と38回叫んでいる。友人のラスタファリアンラスタの言葉でG5うんたら言っていたような気もするし、この映画にはロシア人の武器商人や人民解放軍のスパイやらが出てきて、それぞれがそれぞれの国の言葉で「アップルのiMac G5欲しい!」と言っている、というお遊びも入っているので、劇中で何回「アップルのiMac G5欲しい!」と言われたかを計測するには、そうとうな根気と知識が必要になるだろうなあ。ぼくには無理ですけど。

ところで、題名が「アップルのiMac G5欲しい!」なので、この映画の悪役は当然・・・「ミクロソフト」である。この映画は、サイコドクター風野さん命名するところの「ゲイツ映画」でもあるのです。ゲイツ映画、とは、ビル・ゲイツみたいな人が悪役の映画、を総称する映画の一ジャンルで(笑)、「シックス・デイ」「タイムライン」「ザ・インターネット」「サベイランス〜監視」などといった映画がこれにあたる。この映画でビル相当の人間を演じているのがティルダ・スウィントンというのが新しいところ。タートルネックのセーターを着た、ゲイツそのもののカジュアルファッションなCEOが、あの髪型で中性的な魅力を放っている、というのは、なかなかに悪い冗談のような映像ではある。

とまあ、あまり中身のない映画ではありますが、フィンチャーらしくエンディングでは、びっくりのオチが待っています。やっと手に入れたiMacCPUが、実はインテルだったなんて、実にフィンチャーらしい悪意に満ちたジョークではありませんか。

上のエントリについて 上のエントリについてを含むブックマーク

なにを書いてるのかわかりません、と言われたので、いちおうフォローしておく。

アップルのiMac G5欲しい!キャンペーン

都賀都賀 2005/12/02 23:37 頭から本気であるものだと思ってしまいました。ティルダのCEOなんか目に浮かぶようです。
ウンベルト・エコがまっくとMSを宗教戦争に例えてた面白い文章がありましたが、もしかして私はこちらで紹介されていたのを見たのでしょうか。
あと冬参加されるそうで、楽しみにしております!

高橋弘志高橋弘志 2005/12/03 19:12 聞きたいですけど、コミケに初めて行くんですけど。
フォックスの葬送おいてあるんですか。
それが知りたくてすいません。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051130

11-24, 2005 え?

御大どうした。 御大どうした。を含むブックマーク

「炎のゴブレット」ってジョン・ウィリアムズじゃないの?パトリック・ドイルだって?じゃあ、あのテーマライン鳴らないの?マジ?

SS 2005/11/26 20:06 はじめまして。そうなんです今回はジョン・ウィリアムズ
はお休みなんです。他の映画の為の作曲で忙しいからでしょう。

ProjectitohProjectitoh 2005/11/30 20:40 なんだかあのテーマが鳴らないと、こう、もうひとつ足らん感じが・・・。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051124

11-21, 2005 認めたく無いものだな

コミケ情報 コミケ情報を含むブックマーク

メタルギア/小島ファン向けお知らせ:伊藤的コミケ情報

木曜日:東J 48b「軍事探偵局」

間に合えば新刊「UNOZANZ-2」が出るかも。出ないかも。ポストカードがつくかも。つかないかも。

夏に出したCD-rom「フォックスの葬送」を買いに行くので作っておけゴラ、という人は、このページの下にあるhotmailまで「とっとけやオラ、確実に行くから」とメールくだされば焼いときますです。

以上、業務連絡でした。

認めたく無いものだな、若さゆえの過ちというものを 認めたく無いものだな、若さゆえの過ちというものをを含むブックマーク

喉が痛い。鼻水が凄い。熱が出る。つまり風邪。 時あたかも21世紀初頭。つまり今。

癌以外の病気

新鮮だ。

まるで大作映画ばかりみたあとに、久しぶりにゴダール映画を見て「映画ってこうだよな」と、襟を正すような。

癌にかかずらっていたら、それ以外の病気をすっかりわすれていた。癌にかかると免疫力が増すというから、ひょっとしたら快報に向かっているというサインなのかもしれん。

たぶん昨日の、新宿はネイキッドロフトでの「NINを5.1で聴こう」ナイトでもらったものだろう。聴きに来ていたのはかわいい女性ゴスっぽい女の子と若い(かっこいい)男の子たちがほとんどで、私のようなスキンヘッドの眉無しのコンスタンティンファッション(えー、最近の私のデフォルトは黒ジャケ、白シャツ、黒ズボン、黒に白い縦ストライプが入ったネクタイでございます)の親爺変態には、ちょっとばかり精気が溢れ過ぎてなかなか肩身が狭かったです。

しかし、「Down in it」や「wish」、「head like a hole」といった、デビューしたてのころのPVは、予算の無さはともかくとして、その垢抜けてない具合がほとんど犯罪である。爆笑させてもらいましたことよ。

それがメジャーになった証なのか、あの人肉ミンチで有名な「Happiness in Slavery」のPVから俄然、映像クオリティが上がる。というか、いきなり凄くなる。

在りし日のボブ・フラナガンが、ちんちんをむき出しにしながら、体にいろいろなものを刺されたりして苦痛によがりまくっている。知らないヒトノために書いておくと、彼は生前、SMアーティストとして有名だったお方で、自分の体にいろいろ凄いことをするパフォーマンスを表現にしていた。肉体が彼のメディアだったわけだけれど、それはふつーの意味での「表現」なんつー生易しいものを越えていた。なにせ、ちんちんに釘を刺したりしていたのである。ステラークもびっくりだ。

かれは、膵嚢胞性繊維症という、肺に膿が溜まる不治の病に侵され、医者には20までは生きないと言われた(で、40まで生きたが、同じ病を患っていた彼の妹さんは21で亡くなっている)。ジル・ドゥルーズ自殺したことからもわかるように、呼吸器系の病は本当にものすごい苦痛で(ぼくも喘息だからすこしだけわかる)、実存を模索する人生に行きやすいと言われるけれど、この人も「生=苦痛」という病の中で、自分の体を痛めつけることを表現にするという、誰も考え付かなかったことをやった。

というわけで、「happiness in slavery」という大傑作の次が、ロマネクの傑作「Closer」であるわけで(これ、最近出たロマネクのDVDに入っているらしいですけれど、女性器とかちんちんとかに修正入ってました?持ってる人教えてプリーズ)、NINPVクオリティはいきなり上がるわけですが、それ以前のはかなり微笑ましいというか、恥ずかしいと言うか。

しかし、ロマネクさん、「Closer」はいいのだけれど、「Perfect Drug」は明らかにイケてない。何といっても、ビデオ撮りしたかのように画質がぱっきりしてて安いし、トレントのゴスというのは、ほんまもんのゲイでないレイザーラモンのような、笑いすら誘うヘボいコスプレに見える。剣を持ってるところなど、冷静に見れる人がいるとは思えないくらい板についていない。

いやー、NINゴスって相性悪いね(笑)

そして、これもはじめて聴いた、「Purest Feeling」というbootからの「Maybe Just Once」。

これわすごい。

なんつーか。「With Teeth」が暗黒脱出どころの騒ぎでは無い。80年代アイドルポップである。ほとんどCCBである(DEVOみたいだ、と書いている人もいた)。

なにせデビュー前。「プリティ・ヘイト・マシーン」の前に作ったデモテープだ。「ポップなのも入れとかねばならんべえ」と作ったのか、壮烈にイケてない無理くりポップ感が、NINにとっての悪夢というか、いやなんか倒錯しているんだけど無気味な明るさというか、80年代的ヘボさを纏っていて、腹を抱えて笑える。若かったんだネ、トレントも。ほとんど坂本龍一の作った演歌である。

さて、アーティストデビューしたての時期のPVというのは、かなりツラい。いつか、いま一線で活躍し、80年代後期〜90年代初頭にデビューしたアーティストPVを集めて観賞会をしてみたいと思うのだが、いかがでしょうか。けっこう和む催しになると思いますが。

teskereteskere 2005/11/21 17:26 >修正
今、ほっぽらかしていたDVDをやっと確認したところ、修正は特にない模様です。「Closer」「Perfect Drug」共に、トレントのコメンタリー付きで「Perfect〜」では、後悔というか反省の弁が語られております(笑)

ZANNINZANNIN 2005/11/21 23:20 Perfect Drug、駄目だったんですか…w
メタリカのボッス実写化と並んで好きだったのになぁ…

satoesatoe 2005/11/22 00:20 あらら…伺う以前の問題でお隣でしたね(汗)
という訳ですが当日は宜しくお願い致します。
新刊楽しみにしていますが、無理はなさいませんように…

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051121

11-18, 2005 月は地獄だ!

ロード・オブ・ウォー ロード・オブ・ウォーを含むブックマーク

オフィシャルができてた。

トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーンを含むブックマーク

 というわけで、ピーター・ブラッティの「トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン」を、新宿TSUTAYAで借りた。

 名作「エクソシスト3」のこともあるし、タイトルタイトルだし、向こうのパッケージものすごいいい感じに狂っているので(バラードの小説かと思ったぞ)、てっきりホラーサイコサスペンスだとばかり思っていましたが、

 なんていうか、分類不能の怪作でした。

 霧にむせぶ古城があり、そこには精神を病んだ者たちが収容されている。という設定はそれだけならば充分怪奇、ゴシックな感じだ。ラストには死体お姫様だっこして階段をおりてくる、なんて悲劇映画の王道みたいなカットもあって、ブラッティの怪奇映画へのリスペクトはかなりのものがあるように見える。

 しかし、ここに収容されているのは、ベトナム戦争で精神を壊された兵士だったり、打ち上げ寸前に発狂した宇宙飛行士だったりする(オープニングの「月」はすばらしく狂ったイメージで、そういうところからもホラーだとばかり思ったのだけれど)。ここでは、軍による精神治療実験が行われているようなのだ。

 古城とベトナム戦争。

 こうして、背景となる映画っぽい世界(ゴシック趣味サイコパス)と、狂気に関する哲学的かつ宗教的な問答が、たがいに交わらぬまま、映画はそのことを気にするふうでもなく、淡々と進行していく。たしかに主人公である精神科医(ステイシー・キーチ)は、穏やかさの中にどこかヤバい雰囲気を耐えずまとっており、殺人の一つや二つ起きてもおかしくない雰囲気を醸し出しているのだけれど、誰も死なない。

 ただし、この物語をブラッティの監督作品と考えた場合、これは「エクソシスト2」である、ということは確かにできる。ホラーでないにも関わらず。

 ここで問われるのは、善とは何か、悪とは何か、信仰とは何か、という形而上的な主題だったりするのだが、それを問答でなくイメージとしてきっちり見せてくれるあたり、さすがブラッティだというしかない。これをもうひとつの「エクソシスト2」として、フリードキンの最初のやつと、ブラッティ自身による「3」でサンドイッチすると、かなりすっきりとしたラインが一本通る(とはいっても、ブアマンによる混沌を極めた「2」も好きなんだけどね)。

エクソシスト」と「エクソシスト3」をつなぐミッシングリンクとして、この映画を見るのもなかなか楽しいかもしれない。なかなかに泣かせる、地味にいい映画です。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051118

11-13, 2005 政治の行われる場所

標的は11人:モサド暗殺チームの記録 標的は11人:モサド暗殺チームの記録を含むブックマーク

目録にあったので問い合わせていた「パルチザン理論」は既に売れてしまっていた。ので、入手できたのは赤瀬川原平さんの「ぱくぱく辞典」と、恐らくスピの映画公開のあかつきには再版がかかるだろう「ミュンヘン」原作こと「標的は11人」だけだった。

ぼくには食事や間食の時に好んですることがある。躾がなってない話だが、家であろうと外であろうと、一人で食事するときには必ず本を読みながら食うのだ。しかも、それは大体の場合、アンソニー・ボーデインの「キッチン・コンフィデンシャル」だったり、「死んでいる」のジムクレイスが書いた「食糧棚」だったり、単純に「美味しんぼ」や「味っ子」「大使閣下の料理人」といった料理マンガだったり、悪趣味に「ハンニバル」の最後の晩餐シーンだったり、まあ要するに食事に関する本を読みながら、昼飯だったり夕飯だったりを食べるのだ。

この「明解 ぱくぱく辞典」はその「食事のお供」としてかなり頻繁に召喚されてきた愛着のある本だったのだけど、数年前に電車の中で無くして、以来、さみしい思いをしてきたのだった。これで食事の量が増えるのも困るけど、やっとこの本が「食事のお供」の本棚に戻ってきて嬉しい。

スピルバーグミュンヘン」原作「標的は11人〜モサド暗殺チームの記録(新潮文庫)」は、いずれ映画の公開時に再版されるだろうけれど、我慢できずに古本で購入。まあ、文庫で貴重な本でもないので安いし。

まだ読みはじめたばかりなのだけれど、冒頭近く、首相ゴルダ・メイア女史が自宅の質素なアパートで、主人公と、当時陸軍少将だったシャロン(あのシャロンですよ)たちに作戦の決行を伝える、という凄まじい場面が登場し、えらく興奮する。予告編の中に出てきた老婆って、ゴルダ・メイアなのかしら。彼女自らお茶をいれて持ってくるあたりなど、ほとんど「マトリックス」のオラクルのアパートみたいで、そこで下される「イスラエルの歴史を変える」決断を考えると、この「老婆とお茶アパートシャロン」という組み合わせは、なかなかに壮絶な場面である。

ゴルダ・メイアって人間にちょっと興味が湧いてきた。この本で登場するのここだけだけど。というか、イスラエルの建国について自分がほとんど知らないことに今気がついた。

老いた女性が冷酷に政治的決断を下す、ってビジュアル、萌えません(笑)

音楽の生理学音楽の生理学 2005/11/14 17:24 6年ぶりにウルティマオンラインを導入しました。銀狐時代を彷彿とさせる暗澹とした時代に突入してるのでしょうか。かつて夢だった「家を持つということ」がプレイ10日目にして実現。経済成長率の爆発的発展が私にも起こるということは、今は高度成長期なんでしょうか。でも経済の根幹はGMが握っているわけです。篠房君の本も面白いんですが、プレイヤーはリアル世界の問題とオンライン世界の距離を確認しつつプレイしてるわけじゃない。誰だってドラゴン倒したいわけです。私だって毎日オーク倒してるのは飽きるわけです。要はダイナミズム。「経済成長率ではなく経済効率が上がった」のは、あくまでゲームバランスの問題ですが、経済に関してのゲームバランスをリアルな世界で左右する一部の人間がホワイトナイトだのスティーブジョブズだのサムソンだのを名乗るわけですから、構造はそっくりなわけです。経済という世界をフィクションで成立させてやろうという試みは色川武大の「ひとり相撲」からはじまってます。あとはロバート・クーヴァー「ユニヴァーサル野球協会」。
政治・経済なんか知るか! という義憤(というか勉強嫌い)から大学を美大にした人のはずなのに、そこにどっぷり漬かった人より客観性があるように見えてならないのは私だけではないはず。伊藤君のさらなる政治談議をお待ちしています。特にフジモリ元大統領の立候補・チリ監禁問題とか。文学もある南米の政局混迷は、汚職の一言では語りつくせないと思います。ここでひとつ、伊藤君の「百年の孤独」論をぜひ伺いたい!
私はあれは民話とか駄話を整理したらとてつもなく笑える本になった、と思ってるんですが・・・。
また丸長に食べに行きましょう。ではでは。
UOの話はまたそこで・・・。

ProjectitohProjectitoh 2005/11/14 18:51 かなり前にあなたとお話ししたとき

「文学がいまだ有効な国の政治はロクなものではない」

と共通見解を出した記憶がありますが。なんか酒が入ってたときの暴言でしたけど。音楽氏はいつ暇になるんですか。

11-12, 2005 韓国リベンジまつり

金曜日渋谷東急 金曜日、渋谷東急を含むブックマーク

Kさんの御好意にあずかり、「親切なクムジャさん」「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」のオールナイト。なぜか宮台さんが来ていて、あたりさわりのないことを言ってました(その頃マックス眠かったからなあ)。

さて、感想は後日書くとして、今回の「クムジャさん」、他の2本にくらべ、重大な欠落があります。

おっぱいがないのです。

オールド・ボーイ」であれだけたくさん出てきたおっぱいが、「復讐者〜」でペ・ドゥナたんが吹替え無しで露出してくれた(ありがとうありがとう五体投地おっぱいが、今回の「クムジャさん」にはないのです。私は、パク・チャヌクならばイ・ヨンエ様を脱がしてくれるに違いない、と淡い期待をかけていたのですが、今回はヨンエ様どころか、いかなる女性おっぱいも登場することはないのです。

ただ、ヨンエさんは、かわいいモードのときはすごく可愛く撮れていたので、良しとしましょう。

親切なクムジャさん 親切なクムジャさんを含むブックマーク

わりかし真面目に笑わそうとしているので、逆にスベったときキツい、というのがこの映画なのかも知れない。

この人のギャグというのはわりかしワンパターンで、長いワンカットの背景で何かひどいことが起こっていて面白い、というやつだ。言ってはなんだが、基本的にこれ、ズッカ精神、裸の銃イズムである。「復讐者〜」で言えば姉さんを埋める聾唖の主人公の後ろで少女が溺れる、とか、「クムジャさん」で言えば背景で人がすっころぶ、とかそういうことだ。この構図だけとはいわないまでも、その悪趣味を抜いてみれば、これらの映画ギャグはわりかし引いた構図とワンカット、という古典的な範疇に属するものであり(刑務所の『毒殺』カットなどは普通にドリフだ)、大きいスクリーンで人をちっぽけに引いて映せば、それは大体面白くなるに決まっているので、パク・チャヌクギャグセンスというのは、パターンがわかると結構退屈なものになってしまう。

ただ、「復讐者〜」では映画自体がギリギリ、わりかし生々しい世界の範疇に収まっていたので、ギャグがいささか突出した印象を与えていた。「ドアノブ電気ギャグ」とかそういうのが、なにやら深刻にどうしようもない世界の中で突発的に展開するので、妙な感じで面白かったのだ。が、この「クムジャさん」は最初からリアイティのレベル(抽象度)を低く設定する、と宣言して始まるので、これらのギャグが完全に構図に依存したものであることがバレてしまい、そうなると中途半端ドラマツルギーに支配されたこの映画よりは、「裸の銃」のほうが面白い、ということになってしまう。

そういう意味で、「オールド・ボーイ」はギャグを構図任せにしていなかった、というかスベりそうなギャグをやっていなかったので、そういう意味では人が言うようなぶっとんだ映画と言うよりも、技巧を適切な範囲で適正に使用した、端正な映画だったと言うことができる。同じ真横カットでも、「オールド・ボーイ」の横スクロールアクションがスベらず、「クムジャさん」の順番待ち家族がズベってしまっているのは、やはり構図「だけ」に頼っているかいないか、という違いにあるのかもしれない。「オールド・ボーイ」は人物がアクションすることによってギャグを張っていたが、「クムジャさん」はシチュエーションによって笑わそうとしているのだ。それは映画の笑いというよりは漫画の笑いに近く、映画においてこれはよっぽどうまくやらないとスベってしまう。

要するに、パク・チャヌクズッカーに追いつける日はまだ遠い、ということだ・・・あれ、なんか間違ってるか?

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051112

11-10, 2005 コミケ、受かりました

宇宙戦争を買う 宇宙戦争を買うを含むブックマーク

宇宙戦争」が最悪、というひとは、たぶん現実に打ちのめされたことがないひとなんじゃないか、と思えてきた。世の中がデタラメで圧倒的で辻褄が会わない場所だ、とはあまり思っていなくて、戦えばなんとかなるんだ、むしろ戦うべきなんだ、とか、物事には理屈があるんだ、とか、思いもよらないことなんて起こらないんだ、とものすごい安心しながら生きているんだろう。たぶん、ヒトが無力であることに耐えられないんだろう。わけのわからないことが嫌いなんだろう。

そういう大人にならないためにも、SFは若いうちに読んでおいたほうがいい、と最近真剣に思うようになってきた。情操教育SF冗談のような話だけれども。

この世の中がまったく理不尽な場所であること。それについてぼくは、あなたは、どうしようもないこと。それを知ること。

本田美奈子の死と、宇宙戦争という映画は、ぼくのからだに起きた理不尽なできごとを経由して繋がっている。あなたは、体と心中するしかない。叙事的な映画というのは、そういうことを嫌でも感じさせてくれる。

あれは、容赦ない。あれは、人を選ばない。あれは、突然やってくる。できごとというのは、そういうものだ。

死んだことのある人はいない、と誰かが言っていた。

喰いタン 喰いタンを含むブックマーク

ドラマ化ですか。味っ子ファンとしては嬉しいことである(「味っ子II」より「喰いタン」のほうが面白い、という人もいるからなあ)。しかも日本テレビ。大食いつながりということで言えば、ここは以前、野島伸司が発狂するとどれだけ凄いか(「俺の胃袋は宇宙だ」は凄すぎる。スーツネクタイ孤独だがアホすぎるデスマッチに挑む草なぎ君がカッコよすぎる)、を見せつけた「フードファイト」という大傑作をモノにしているので、期待したいところではある。しかしなぜDVDにならんのだ、「フードファイト」。とくに特別編は列車ごとのステージという設定の燃えもさることながら、ラスボスに萩本欽一を配し、しかもその欽ちゃんが冷酷かつ圧倒的で大笑いできた。あんなアホで面白いドラマそうないと思うのだが。

レクサスCMレクサスのCMでを含むブックマーク

クラナドの「ハリーズ・ゲーム」がかかってますね。

正直、エンヤ単体より好きだ。

古本さがし 古本さがしを含むブックマーク

今日は業務がヒマだったので、仕事中に(爆)、ネットで本探し。シュミットの「パルチザン理論」を手に入れる見通しがついたので、ちょっと嬉しい。古書あさりついでに、かなり前になくしてすごく悲しかった赤瀬川ゲンペさんの「ぱくぱく辞典」(これを読みながらメシを喰うのが好きだったのだ)と、ミーハー丸出しで「ミュンヘン」の原作「標的は11人:モサド暗殺チームの記録」を注文する。

バクスターの「ゼムリャー」が読めるSFマガジンを探しているんですが、バックナンバーに強い古本屋さん、ないですかねえ。

コミケ、受かりました コミケ、受かりましたを含むブックマーク

メタルギアで本描こうと思いますが、相変わらずメタルギアの島に参加する男性サークルは私ともおう一軒さんだけなのでせうか。コミケで見る限りは、メタルギア同人はいまや8割女子が描いているということになるのですが。

IDAIDA 2005/11/12 00:09 コミケ当選おめでとうございます。自分はたぶん仕事でいけませんが。ああ、夏コミの悪夢がふたたび……ガッデム(血涙)。
またもや私信ですが、メール送りましたんでご確認願います。なんかはてなの利用法がどう考えても間違っているのですが申し訳ない……。

AthlixilAthlixil 2005/11/12 22:07 はじめまして。私は今年こそ買いに行かせて頂きます。
ところでバックナンバーも取り扱うのですか?

11-08, 2005 007

ミュンヘン「ミュンヘン」を含むブックマーク

http://www.munichmovie.com/

この題材でこれを言うのは非常に不謹慎だとわかってはいる。だけれども、この男はかつて「007」を撮りたくてたまらない、と公言していた(そのかわり、これはどうだ?とルーカスに提案されたのがレイダースだった)のではなかったか。スピルバーグモサド暗殺チームを主人公にした物語を撮る。これだけで、実は期待値マックス

スピルバーグと「ブラックサンデー」の出会い、になることを期待して。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051108

11-06, 2005 歌を忘れた中年オタ

「奴は、歩くルイセンコ主義だ」 「奴は、歩くルイセンコ主義だ」を含むブックマーク

という台詞をいま思いついたんですが。意味分からんけど、なんか強そうじゃないですか。

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=29974

復刊ドットコムで、こういうリクエストを見つけたんですが、なんだかすごそうだ。すごく読みたいのだけれども、ぐぐってもこの復刊ドットコムのページしか出てこない。

学閥ルイセンコが、とんでもない大偉人として描かれている評伝。

これだけでかなりクるものがあるんだけど。なにが凄いって、「当時の視点」というやつ。骨相学、優性学とならぶ近代疑似科学大惨禍のひとつを、ビリーバー側から眺めてみるとどうなるのか、というのがすごく知りたいわけです。

ナチと優性学やオカルト、ヴィクトリア朝と骨相学、は出尽くした感があるので、冷戦や軍産/軍学複合体と疑似科学、というのがこれからはフィクションとしていいネタになるんではないか、と最近考えているんですが(冷戦版「インディ・ジョーンズ」みたいな)、それはともかく、この本はちょっとネタとして気になるなあ。

あ、題名が素晴らしいですね、この本。「大地の支配者」って、ヒーマン(フラッシュ・ゴードンみたいなやつ。"He-Man : master of the universe"。ドルフ・ラングレン主演で映画にもなってましたね。)か、あんたは。

歌えない 歌えないを含むブックマーク

退院早々、自分でもどうかと思うが、大学時代のサークルの先輩・同級生と、新宿で徹夜アニソン大会と相成った。まあ、体調的に問題ないから参加したんですが。

しかし、最近のアニメとか特撮の歌全然知らなくて落ち込む。まあ観ていないんだから当然ですけど、皆がアクエリオンサムライ7やステルヴィアや響鬼や555やらをガンガン歌っていくのを聴いていると、やはり自分は最近のアニメ特撮シーンからすっかり脱落していることを感じざるを得ない。アクエリオンは時々観てたのになあ。いや・・・でも単純に歌覚えながら聴くっていう技能自体を失いつつあるなあ。

まあ、SNAKE EATERを歌ったらちゃんとMGS3の映像が出てきたのでそれだけでいいや。

友人が歌ったときの画面ではじめて気がついたんだけど、「月詠」の主題歌って、菊地成孔+サエキけんぞう+小川範子っていうものすごい組み合わせだったのね。菊地さんって、前の声優アルバムの曲とか、けっこうアニメ周辺の仕事してるんだなあ。

攻殻SACの「inner universe」のロシア語部分を、タモリハナモゲラロシア語モードで乗り切ろうとして派手に挫折しました。

ステルス」要約選手権 「ステルス」要約選手権を含むブックマーク

mixiのほうに書いた話題ですが、

ウディ・アレンジョークに、速読術を使って「戦争と平和」を二時間で読んだ(笑)あと、要約を述べて「ロシア人の話だ」というオチのがあるんですが、たぶん「ステルス」って映画を最短に要約したら、

アメリカ人の話だ」

で済んじゃうような。映画をみた人なら、意味がわかると思いますが。

ちなみに、前も書きましたが「世界の中心で愛を叫ぶ」に関しては、私と友人で協議した結果、

「散骨する話」

というこれ以上ない要約があるので、内容を聞かれたら大いに使うように。

パイソンのギャグに「プルースト要約選手権」つーのがありましたが、「失われた時を求めて」を通読できた人っているのかな。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051106

11-05, 2005 娑婆に出てみれば

肉布団 肉布団を含むブックマーク

 というわけで、昨日退院してすっかり一日一食がサイクルになってしまいました。

「日帰り抗癌剤」というのがはじまるので、これからもスキンヘッド生活は続きそうです。オタクであるというだけでもおなごには冷たい目で見られるというのに、びっこ引きで、しかもスキンヘッドときては、まるでヘレン・ケラーです。7月に66あった体重は、いま59.8まできました。のに、ベルトの穴はまるで移動する気配がありません。理不尽です。これが「嫉妬する神」の仕打ちってやつです。ようするに、一見普通の体重の俺の肉体のほとんどは脂肪でできているというわけです。筋肉など皆無なのに、この容積なのですから。

入院しているといいこともあるもので、ピンカー「言語を生み出す本能」とフーコーの「異常者たち」がやっと読み終わった。よかったよかった。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20051105