ゲームショウ

メタルギアファン向け情報。てかもうネットで出回ってる情報しかないわけですが(それ以外は書けないし)。

http://www.konami.jp/kojima_pro/tgs_2006/

MGS4の音楽はハリー(=グレッグソン・ウィリアムズ)さん続投ということで、今回の予告編の音楽は……わかりますね、「マイ・ボディガード」風味です。ギターの調べがすごい燃える男な感じです。ハリーさんはジマー組(リモート・コントロール)の中でも地味にジマーとは違う路線を歩いている、単なるジマークローンではないコンポーザーであります(ジマー組であとはマーク・マンシナとか、ジョン・パウエルとかもいいですね。クラウス・バデルトとかはいまいち)。

今日のイベントステージで言ってたから書いていいと思うけれど、最初はもっと大物の「ウィリアムズさん」に頼もうとしてたらしいですが・・・うーん、メタルギアには合わないと思うけどなあ。最近はあの人、ちょっと仕事粗い気がします。「宇宙戦争」の伊福部エコーは悪い気がしませんでしたけど・・・。

どちらかというと、実はMPOメタルギアソリッド・ポータブルオプス)のほうが期待だったりします。MGS1のわくわくみたいなものを感じるトレイラーですねえ。シリーズレギュラの大塚兄貴、銀河万丈さんなどに加えて、若本規夫御大、屋良さん、郷里さん、さらに古川登志夫さん、とにかく暑苦しい声優陣が暑苦しい台詞を吐く様が、おっさん声優ファンにはたまりません。

ていうか、若キャンベルが古川さんかよ・・・なんかごついイケメンなんですけど。この人は昔、コードネームでチキン呼ばわりされてたような人のはずなのですが。

どうでもいいけど、MPOの歌がセリーヌ・ディオン風味ちうか、タイタニックな(007とはまた違った意味で)アメ演歌ですな。「スネークイーター」の「ゴールッフィンガアアア」みたいなシャーリー・バッシーな感じはスタイルとして消費されうると思うのですが、今回の歌はどうなんでしょう。80年代文化を呪いとさえ感じる70年代生まれにはちょっと判別つきません。

「4th MEDIA(フォースメディア)対応の大型液晶テレビ欲しい!」早川文庫

「パパの原発」のマーク・レイドローの書いたシンギュラリティもの。うーん、でもシンギュラリティなスペオペってワンパな気がしませんか。いや、まだ「シンギュラリティ・スカイ」と「ニュートンズ・ウェイク」しか読んでませんけれど。「ニュートンズ・ウェイク」はちょっとアレな感じだったし、ストロスのシンギュラリティが受けたのもハッカーカルチャーへの目配せみたいなものがけっこうあったりするような気がして、果たして得意点突破世界というのはどれくらい魅力があるのかというと、私としてはちょっと疑問符がついております。

とはいえ、サイバーパンクを茶化した「ニュートリマンサー」を書いたレイドローのこと、これも一種の「シンギュラリティもののパロディと言えないこともない。フォースメディア、というのは、FTLネットワークちゅうかハイペの「真空の絆」ちゅうか、まあシンギュラリティ後に神AIが生み出した相対論無視ネットワークの名前。ファーストメディアからサードメディアがなんだったのかは作中で一切フォローなし(まあ、作中に「デッドメディア・アーカイヴス」と呼ばれる旧世紀のメディア墓場が出てくるんですけど)。

この時代ですから、当然液晶テレビはおろか平面状に画面表示するということそのものが消滅しているわけです。主人公は元情報軍特殊部隊員にして退役後は趣味のデッドメディア研究にどっぷりつかっているスターリング大佐。このスターリング大佐がグーテンベルグの聖書から液晶テレビに至るまで、さまざまな「死んだメディア」を探索して銀河系を渡り歩くという、それだけの話なのですが、作中でこの大佐が事あるごとに「4th MEDIA(フォースメディア)対応の大型液晶テレビ欲しい!」とかほざく様はなかなか笑えます。ぺらぺらでくにゃくにゃであることがクレジット価値に直結する「ぺらぺら国家」ことユニオン・オブ・5.25インチ・ピープル(U5.25IPs)で窃盗の罪で裁判にかけられる場面では、「4th MEDIA(フォースメディア)対応の大型液晶テレビ欲しい!」「4th MEDIA(フォースメディア)対応の大型液晶テレビ欲しい!」と被告人陳述で某教祖のごとく錯乱状態になり、「4th MEDIA(フォースメディア)対応の大型液晶テレビ欲しい!」を計52回絶叫、作中最もシュールなシーンになっております。

最近のシンギュラリティ物に疲れた人には、息抜きにちょうどいい軽さの一冊ではないでしょうか。