太陽系の惑星の数が9だったことは偶然だった

ちょっと前の論理学や言語哲学の本を読むと、様相論理に関して、「太陽系の惑星の数が9であることは必然である」というような例文が出てくることがある。(注1) 9であることは偶然に過ぎないわけであるから、この命題はもちろん偽の例である。実際、2006年に冥王星準惑星とされ、惑星のうちから外されたので、太陽系の惑星の数は8になった。9であったことは偶然に過ぎなかったことが実証されたわけである。今後、同様の例文が作られる時には、太陽系の惑星の数は8とされることになるだろう。


(注1)
たとえば、野本和幸『現代の論理的意味論』(1988年)に出てくる次のような例文。(p.170) 

(1) 9が9と同一なのは必然的である。
(2) 太陽系の惑星の数は9と同一である。
(3) 太陽系の惑星の数が9と同一なのは必然的である。


(追記)
最近読んだ哲学の本、三浦俊彦『思考実験リアルゲーム』(2014年)では太陽系の惑星の数が8になっていた。(p.142)