2011-02-10
パリ・ノートルダム大聖堂とランス大聖堂の切り落とされた自分の首を持つ人物像
パリ・ノートルダム大聖堂にはゴシック様式の引き伸ばされたような人物像の彫刻があちこちに施されている。その一つに奇妙なものがあった。首のない人物が切断された自分の首とおぼしきものを持っている。これと同じモチーフの人物像はパリ北東の街ランスのランス大聖堂の彫刻にも見かけた。何かの説話か伝説に基づく像であろうと思って調べたら、これは、ローマ時代(3世紀頃)に今のパリの地の付近で斬首された殉教者で、切り落とされた自分の首を持って歩いたという伝説があり、後に聖ドニとして聖人に祀られた人物をかたどった像であった。
パリ・ノートルダム大聖堂の聖ドニ像
ランス大聖堂の同様の像
(追記)
ランス大聖堂の像は、聖ドニではなく、似たようなエピソードを持つ聖ニケーズだそうだ。
2010-09-21
1990年代初期頃の田亀源五郎の漫画のキャラ

- 作者: 田亀源五郎
- 出版社/メーカー: ポット出版
- 発売日: 2007/03/27
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『田亀源五郎【禁断】作品集』を読んで気付いたのは、収録作の「衣川異聞」に出てくる武蔵坊弁慶が、インターネット上で見かける「熊先生」(同じく田亀源五郎の「俺の先生」の登場人物。「布団を敷こう、な!」というセリフで有名なキャラ)と、そっくり同じタイプだったこと。
「衣川異聞」は1992年発表作品で、「俺の先生」も同じころの作品らしい。『田亀源五郎【禁断】作品集』の他の作品は大体2000年前後のものなので、それらとは少し絵柄が変わっている。
とにかく田亀源五郎先生の熊っぽい男への愛情がよく伝わってきた。
「衣川異聞」の武蔵坊弁慶
「俺の先生」の熊先生
2010-06-12
植芝理一の漫画に出てくる家が、「ベーレンス自邸」に似ていること
植芝理一のファンタジー漫画『夢使い』4巻(講談社)に出てくる主人公の家が、「ベーレンス自邸」に似ていることに気付きました。
P・ベーレンスとは、今世紀初頭の、アールヌーボーから表現主義にわたるドイツの建築家です。初期の作品に「自邸」があります。
これがこの漫画の家の元になっていると思われます。
ベーレンス自邸
植芝理一『夢使い』に出てくる家
比較してみると一目瞭然です。

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2010-04-10
立体画像が箱庭的であること 北極圏の地形の立体写真
以前、ヨーロッパに旅行した時、帰りの飛行機がカナダ北極圏上空を飛んだので、窓から下の雄大な景色を撮影しました。何枚も撮ったので、図らずも立体写真として見れるものができました。これは航空機の写真測量と同じ原理で、二点から撮った同じ対象の微妙に異なった画像を片目ずつで見ると立体的に見えるというものです。
しかし、立体写真では地形の凹凸はよく分っても、かえってミニチュア・箱庭感が感じられて、雄大な景色という感じはまるでしません。人間の認識能力はそうなっているのです。
これこそが、3D画像の問題点なのです。
平行法(右目で右画像を、左目で左画像を見る、視線を泳がすように見つめるのがポイント)で立体視します。
交差法の方が見やすい場合はこの画像をダウンロードして左右入れ替えて見るといいです。
ニコンFE 35〜70mmズームで撮影