中国は公然たるウソつき国家なのか? また、私たちの生きる道は?

◇今日のNHKニュース7は衝撃的な始まりだった。中国外務省孔泉報道官が、24日の定例会見で、「帰国の理由は緊急の公務ではなかったのか?」という質問に答えるかたちで「私の口からは、緊急の公務と言ったことはない」と発言した。これは、23日朝に日本政府に伝えられた説明が全くのウソであるか、あるいは、中国自身が平然と完全な二枚舌を使わざるをえない(今までもそうだったが)状態であるということを、満天下に明らかにしたことになる。
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/05/24/d20050524000146.html
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=YNS&PG=STORY&NGID=main&NWID=2005052401003138
◇日本側のこれまでのコメントは「マナー」「非礼」を問題にするものだったが、今回のこの展開は、今までどんなに中国寄りの考え方をし、靖国神社参拝に批判的な考え方をしてきた良識的な人にとっても、すでに、中国が、あるいは日本と中国との関係そのものが、「異常な状態」にあることを強く印象付けるものとなったのではないか。「歴史・靖国問題」によって、揺すぶられているのは、日本なのか、中国自身なのか。もはや単なる学術的議論でこの問題を扱える臨界点を超えようとしているのではないか。
◇多くの推測を含むが、長期的な観察に基づく、小泉政権の中国・韓国挑発政策(=日米軍事同盟強化)についての分析を、田中宇氏が展開してくれている。小泉政権でなければ、アジア主義的連帯の希望があったのかは分からないが。http://tanakanews.com/f0524japan.htm
◇要は、「歴史」や「靖国」といった(あえて言えば、矮小な)事柄が本質的な問題なのではなく、唯一の超大国アメリカがこの30年を通して衰退しつつある中で、日本国は生き残りをかけた同盟相手として、継続してアメリカを選ぶのか、それとも思い切って東アジアに軸足を(少しずつでも)移そうとするのか、という岐路での選択である。国家100年の大計としてこれを考えるか、あるいは「鎖国」という孤立主義でなんとなく生きていけると考えるのか、あるいは国を捨て放浪の民として生きるのか。いまやそうした決断を迫られていないか。